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山にもらったこと 「山は“系”じゃない“出会い”に溢れてる」〜八ヶ岳・赤岳編〜

「俺、まだ雲海って見たことないんすよ」会社の後輩男子がそう言って、「じゃあ、見にいく?」と簡単な会話で決まった、2015年秋の八ヶ岳行き。この山行が、私がガッツリ山に嵌るきっかけでした。

一番初めの登山は10年前(2012年)の富士山。日本人だし一度は登っとこうというノリで、その際に最低限の山装備を買ったこともあって、それからは年2回ほど富士山仲間でどこかに登る、くらいの、趣味とも言えないレベルだったのですが・・。

「私、まだテント泊ってした事ないんだよね」と私が呟いて、「え、絶対経験した方がいいす、絶対楽しいす!」と、後輩君が自慢のテントを背負って来てくれることになり。赤岳登頂と併せ、お互いに初めてのことを体験する八ヶ岳が始まりました。

テント界のベンツ!と言われる?ヒルバーグのテントをいくつも持ってる後輩君。

美濃戸口から行者小屋に向かい、テン場にテント設営したら、いざ山頂へ。私にとっては二度目のアタックながら、前回は強風のため途中撤退。なので今回の穏やかな天候にワクワクが高まり、ついつい勇足に。

頂上直下では、早朝を逃すとあまり見られないはずの雲海が見事に広がっていて、後輩君、雲海初体験^^

やがて、上がるほどに濃くなる青のもと、会心の赤岳登頂!

二人して大はしゃぎ!

けれど歓喜の後、テン場に戻ると、徹夜明けで車を運転して来てくれた後輩君は、速攻テントに潜って爆睡してしまった。無理もないね。街の倍速で暮れていく山の秋。仕方なく、小屋前のフリースペースでひとり夕食を摂ることにした私。持参したパンとチーズとワインを優雅に楽しんでるつもりだったのですが・・「ちょっとちょっと、よかったらこっち来て、一緒にごはんしませんか?」と、声が飛んできて。見ると山ダンディさん三人組の、慈悲深い眼差しが・・どうやら私、ものすごぉく寂しげに見えたらしく(後で聞いたら、ほっといたらちょっとマズいいんじゃないかと思ったとか。苦笑)思わず、救いの声をかけてくれたと言うわけだったんです。
一度は「あ、一応連れがいまして・・」と辞退したものの、ヤツは当分起きてこないと判断し「やっぱ仲間に入れてください!」と慈愛に乗っけていただくことに^^  その後「面白い人たちと知り合ったよ、起きなよ!」と後輩君を叩き起こして、星空の下の飲み会を味わったのです。

解散後は私のテント泊初体験。スペック4人のテントを担いできてくれたから、居住空間としては十分なんだろうけど、中での身の動かし方、寝心地、全てが未体験すぎて面白い。小屋泊とは違うこれぞアウトドア、の醍醐味を知ることができました。

稀な遅い朝の雲海、快晴すぎた赤岳の頂き、不便さが快感のテント泊、そして山人たちとの不思議な廻り合わせ。なんだろう、なんだか上等な出会いをたくさんもらったな、山ってすごいな、山ってすごく面白い!翌日下山しながら、私の心の中は、そんな思いでいっぱいになっていました。

その時出会った山ダンディさんたちとは、その後、年に一度は一緒に山に登っていて、今年で7年目。ちなみに今年は先日、大菩薩嶺へ(下の写真)。狼平でゆるゆるしながら、「10年目にはもう一度行者小屋にテントして、一緒に赤岳に登ろう!」と話しました。  

山に嵌れて、幸せ。

ちなみに赤岳の下山時には、こんなコとも出会いましたよ^^

猪じゃないですよ、天然記念物の日本カモシカくんです!

山って本当に面白い!

@2015/10/23-24


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