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noah
2020年2月5日 21:14
14歳の夏、異国の地で言葉も通じない家族と8日くらい過ごした。南ドイツの田舎町にしては裕福そうな家庭で、気の良さげな父親と、世話焼きな母親と、いかにも一人っ子というような無邪気なわがままさのある娘の3人家族だった。言葉は通じないけど、優しく接してくれた。娘のリサは、空港に降り立った、メガネの野暮ったいアジア人の私をものすごい力で抱きしめてくれた。モデルのように綺麗なリサに対して自分の滑稽なダサさが
2020年2月5日 20:50
東南アジアのお面が嫌いで好きだ。なんというか、まったく話が通じなさそう。目が合うと、「こりゃだめだ」と思考が強制的に停止して、本能的に逃げ出したくなる。長時間対峙しようものなら、気が狂いそうになる。そこにあるだけの造形物が、イメージの力で暴力的に生きている人間を圧倒してくる。 ある文化で神として作られたものが、異文化に生きる人間の精神をも揺さぶる。造形物として、形になったイメージとして、至
2020年2月5日 21:17
(大学四年の2月、バレンタインくらいの時期にチェコとオーストリアを一人で旅行したときの記憶の羅列) ウィーンで宮殿を観て、ホテルに戻るまでの道で雨に降られた。傘を持たずに出てきてしまったので、ただ雨に打たれて歩くしかない。もうあたりも薄暗くなり底冷えしてきた。一日中歩き通しだったのでお腹も空いてきて一層侘しかった。冷たい雨が空腹の体に沁みていくみたいだった。仕方なくとぼとぼと歩き続けていると