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あなたが布団の中でスマホを触ってしまう理由『なぜ意志の力はあてにならないのか』

「時間がない!😱」

そう思っても、布団(ベッド)の中でスマホをポチポチしていませんか?





私は、しちゃいます(´;ω;`)ウゥゥ



(フリー素材:ぱくたそ
モデル:大川竜弥さん



今まで何度も『強い意志』を持とうと努力してきました。


◆「腹に脂肪がついてきたな・・・・・・。ヨシ、痩せるぞ!」
↑その日に、白いご飯オカワリ

◆「今から集中してnoteを書こう!」
↑いつのまにか、ネットニュースに夢中


世の中には『意志の力を高めよう!!』系の自己啓発本がたくさんありますね。


そんな世の中に謀反・・を起こさんとする人がいます。


彼の名は、ダニエル・アクスト。
『なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史』の著者です。



ダニエル氏は、科学者ではなくジャーナリスト・エッセイスト(←のちに、重要)。
本の内容を、たいへんおおざっぱにまとめるなら、


いろいろ論文読んだけど、『意志の力』はあてにならないということがわかったヨ。

というものです。


そして、

アメリカでは胃を縮める手術(減量手術)が一般的になってきている。『意志の力』で食事制限なんてできないから。

というショッキングな例を挙げます。
減量手術をするためのローンもあるということなので、より驚きました。


本当に、『意志の力』はあてにならないのか?
あてにならないなら、どうすればいいのか?


この記事では『なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史』について、ご紹介します!

本文中の引用(ページ数の記載があるもの)はすべて,
『なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史』のものです。


❶誘惑がいっぱい!キケンだらけの現代社会


休日のお昼。
あなたは、一人で家にいます。


「お腹が減ってきたな・・・・・・」


しかし冷蔵庫は空っぽ。
雨降りなので外に出るのも面倒です。


そこであなたは思います。





「宅配メニュー、頼むか!!」




家の外に一歩も出ることなく飲食店のメニューが食べられる、便利な世の中になりました。


もうお気づきかもしれませんが、これがキケン・・・・・・なのです。


昔なら、

何もないなら、お茶漬けでも食べるか・・・・・・

で済んだはず。


それが、今ではスマホ一つで、寝ころびながら、食事が玄関先に届いてしまうんですよ。


こんな便利な環境では、

◆ダイエットしよう
◆お金を節約しよう

といった『意志の力』は、吹き飛んでしまいます。


もちろん、毎日、宅配(デリバリー)を頼むわけではないでしょう。
しかし、時代が変わったことで、確実に誘惑される回数は増えた・・・・・・・・・・と思います。




宅配だけではありません。
大昔に比べれば、ずいぶんと簡単にカロリーを摂取できるようになりました。


電子レンジ・・・・・を使えば、気軽においしいからあげが食べられます。



コンビニ・・・・のスイーツも相当レベルが高く、私もしょっちゅう買ってしまいます。



ドライブスルー・・・・・・・なら、車から降りることなくスタバのコーヒーが買えます。


本文には、

産業界はわずかな時間とコストで魅力的かつ高カロリーの食事を提供する技術を磨きあげた。

p44

とあります。

現代社会においては、次々と「おいしいもの」「便利なもの」があらわれます。
たしかに、それは生活は豊かにしました。


が、いいことばかりではないでしょう。
それには”負の側面”もあるのだと筆者は言うのです。


(フリー素材:ぱくたそ
モデル:横山ともやさん


さらに、その文明発達の速度に対し、私たち人間の「我慢する力」(つまり、意志の力)は、進化できていないと筆者は主張するのです。




❷最大の功罪者!?インターネット


無論、食べ物だけではありません。


たとえば電子書籍。
先日、つい下記の漫画を買ってしまいました。



amazonを開くと、私の好みに合わせておすすめの本を画面に表示してくれます。
とある実用書を買おうとしたら、この漫画が「あなたへのおすすめ」に出て来たんですよ。


「めっちゃおもしろそうやん!でも今月はお小遣いが・・・・・・」

と思った私。
しかし、気が付けば”試し読み”をし、作品に夢中になり、買ってしまいました。「今月はお小遣いが」という節約の意志はぶっとんだ・・・・・・・・・・わけです。


(ちなみに、漫画自体は実に楽しかったです😅)


「家にいながら、一瞬で好きな本が読めるようになる」なんて、1990年代のころには、想像もできませんでした。


技術進歩のおかげで暮らしは一方的に加速した。(中略)スピードは熟慮を妨げ、楽しみを後回しにする習慣が薄れて、考え直すチャンスがなくなる。何でも手軽になれば、すぐに欲求を満たしたくなる。

p74


「Netflix」や「スマホゲーム」、「翌日に届くネットショッピング」も同じです。即座に、ほしいものが手に届いてしまいます・・・・・・・・




また、インターネットでは、あなたの検索履歴に基づいた「あなたへのオススメ広告」が表示されます。


たとえば、「30代 おすすめTシャツ」と調べたら、数々のファッションサイトの広告が表示されるようになります。


Amazonの「あなたへのおすすめ」は特にキケン。
検索履歴や購入履歴に基づき、的確に「狙撃」してくるためです。


実用品(化粧水など)を買おうとしたのに、「あなたへのおすすめ」が目に入り、

「こんなおもしろうそうな本があるのか!」

と興味を持ってしまうこともあるでしょう。


不特定多数の人に向けられたテレビCMや雑誌広告などと違い、あなたの嗜好を狙い撃ち・・・・するネット広告は強力です。




あなたはnoteを何で書いていますか?
私は主にパソコンで書いています。
スマホの人もいるでしょうね。

パソコンやスマホは、便利な”仕事の道具”なのですが、簡単にインターネットに接続できる”危険な道具”でもあります。


休憩がてら、5分だけ「ライブドアニュース」をみようと思ったら、10分もたってしまった・・・・・・なんてことはありませんか。

いまは抽象的思考の場はインターネットにつながったコンピュータの前だ。これ以上にサボりたくなる仕事環境が考えられるだろうか?

p288





❸「意志の力」は、知らないうちに周りの影響を受けている


文明の発達やネットの話だけでは終わりません。

筆者は、我々は自分で行動を決めているつもりでも、様々な外的要因の影響を受けている、と言います。

ボールに入れたマーブルチョコレートを七色ではなく一〇色にしただけで、被験者が食べる量が大幅に(四三パーセントも)増えた

p207


このように書かれたら、なんだか恐ろしくなってきます。


❹「意志の力」があてにならないなら、どうすればいい?


記事の冒頭で、筆者の職業は「ジャーナリスト・エッセイスト」と説明しました。
したがって、こちらの本は、ハウツー本ではありません。


「意志の力はあてにならないから、〇〇するといいですよ!」

といったことはあまり・・・書いてないのです。




しかし、希望はあります。
少しは・・・、方法が書いてありますので。



たとえば、「手続きを難しくする」という方法。

ポテトチップスを食べるときは、絶対に袋から直接食べない。
食べたい分だけお皿に出し、袋は棚にしまう。


もし追加で食べたくなっても、『棚から出す→皿に盛る』と面倒な手続きが必要な仕組みにしておけば、「やっぱりやめておこうか」となる可能性が高まります。


(photoAC)


最も有効だと思った方法は、

人を〇〇させる

ことです。(「〇〇」には漢字二字が入ります)


人を〇〇させれば、自分一人では勝てない戦い――たとえば、大好きなマヨネーズを何にでもかけてしまう――に勝利できるようになりました。


この本を読み、QOLが上がりましたよ。


【※】QOL
クオリティ・オブ・ライフ。
生活の質、生きている満足感など。



興味がある人は、ぜひ手に取ってみてください。
(地域の図書館に置いてあるといいのですが!)


【書籍データ】

著者:ダニエル・アクスト
訳者:吉田 利子
書名:なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史
出版社:NTT出版
ページ数:3980ページ
出版年月日:2011年8月9日
ISBN-10 ‏ : ‎ 4757142641
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4757142640


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