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中山かず葉
2024年2月22日 17:34
あのこは今日も、ちいさな身体で必死に何かを訴えている。耳をぺたんと折りたたみ、毛を逆立てて、とびきり低いうなり声をあげながら。んなぁぁぁぁぉん!んなぁぁぁぁぉん!美しいオッドアイから流れる悲しみを、ふわふわの体毛に隠された見えない傷跡を、もう二度と取りこぼすことがないように。私は「わたし」の心に住む黒猫をそっと抱きしめた。どうか、あのこの傷がすこしでも癒えますように。愛
2024年1月20日 18:53
「自己紹介が苦手です」が私の常套句になったのは、一体いつからだろう。学生時代から現在にいたるまで、いざ自分のことを話そうとするとモゴモゴと口ごもって相手にうまく伝えられない。それは文面に置き換えても同じで、メモ帳にはスラスラと構成を作れるものの、いざエディタを開くとピタリと手が止まってしまうのが常だった。それでも、ひとは書き手の”生き方”や”人となり”を知りたいものだと思うから。