反出生主義と私

今まで趣味のことをつらつらと書いてきたので、私自身の思想について書こうか迷ったのですが、私のnoteなんだし好きにしよ〜とこのタイトルの話を書くことにしました。

本題に入る前に、これを読んでいる方で子供を産む意志がある方、子供を産んだことがある方に問います。

「何故子供を産もうと思いましたか？」

皆さんは反出生主義というものをご存知でしょうか？読んで字の如く出生に反対する主義なんですが、一口に反出生主義といっても、様々な種類の方がいます。自分が今不幸であるから子供に同じ思いをさせたくない、という方。また、自分は今不幸ではないけれど生まれてくる子供が不幸になる可能性があるなら産むべきではないと考えている方。出生という行為そのものに疑問をもっている（自身の境遇とは切り離して主義を主張している）方。など、私が知らないだけでもっと大勢の方が様々な意見を抱えて反出生に辿り着いているのだと思います。

私は、自分自身が死ぬことに恐怖を感じながら生きているので、それをわざわざ子供に感じさせたくない、という事と、こんな生き辛い社会に子供を産み落とすのは可哀想だ、という事、更に私は外見へのコンプレックスが強く、それにより嫌な思いをする事が多いため、同じ思いをさせたくない、という思いから反出生主義になりました。自分の親には、現在も育ててくれていることや虐待などもせず優しく接してくれていることにとても感謝をしていますし尊敬しています。親が嫌いだから、という理由ではないことだけご承知おきください。

私は元々反出生主義なんて言葉は全く知らず、小学生の頃くらいからただ漠然と何でみんな子供を産むんだろう？とか私は絶対に子供を産まないようにしよう、と考えていました。

反出生主義の内容は少数派で、反感をかうものであるということは重々承知しております。

それでも私は、この主義を掲げる人たちは、誰よりも人間について考え、誰も傷つくことのない最善策はないかと模索している優しい人たちであると思うのです。どうか人間や子供が嫌いなどという悪意からきた主義ではないことを分かって欲しいのです。

さて、冒頭の質問に戻りますが、何故あなたは子供を産みたいと思いますか？

子供が好きだから？自分が成長できるから？周りの目が気になるから？それとも結婚して子供を産むことは当たり前だと思うから？

では、一度でも産まれてくる子供の気持ちを考えたことはありますか？

自分の子供に「産まれたくなかった、なんで自分を産んだの？」と言われたときに子供が納得できる出生理由を説明できますか？

私は、この出生について元彼と大喧嘩したことがあります。元彼の主張は、「俺は今楽しく生きているから、そんな風に思ってるやつがいるってだけでムカつくしイライラする」というものでした。当時（と言っても今から2ヶ月前程度ですが）私達は高校三年生ですし、彼は出生について何て考えることもないでしょうし、今考えればまぁそんなものか、と思いますが、その時の私は私のすべてを否定されたような、悲しさと悔しさでいっぱいになり、泣き出した覚えがあります。電話越しの私の泣き声に気づいた元彼はすごく焦りながら、考えを変えてほしくてキツく言い過ぎたと謝ってくれましたがきっと本心だったのでしょう。

また、先程書いた「自分の子どもに産まれたくなかったと言われたら何と答えるのか」についての答えは、そんなことを言う子供に育てない、というものでした。正直私にはない発想だったので、そんな考えもあるのか、と感心していました。（嫌味ではないです）

何より私が悲しかったのは、元彼が私の意見を聞いて討論してくれるのではなく、私の意見をまともに聞かずにすべて否定された事です。また、私は私なりに根拠を持って問いかけているのに、元彼はそれは違う、の一点張りで、納得できる理由を提示してくれませんでした。

出生主義者の方からすれば異常な思考かもしれませんが、私達も熟考したうえでの意見です。少数派な意見であるからと、全てを否定せずにお互いの意見を話し合えるようになれば良いなと私は常に思っています。

ここまで書いていますが、結局子供を産む産まないは個人の自由ですし、例えば妊娠した友達に「やめろ！産むな！」なんていう気は更々ありません。むしろ「そっか、じゃあ絶対に幸せにしてあげてね」と心から言います。私はみんなが幸せになれば良いと思っています。だから、幸せになれない可能性があるならそれを止めたいと思っているのです。それにより「幸せになれたかもしれない」存在をなくしてしまう、ということも理解しています。出生主義と反出生主義の違いは幸せに重きを置くか、不幸に重きを置くか、なのかもしれません。

どうかこれから何も考えずに子供を産む方がいなくなりますように。