見出し画像

キャリア・アンカーを知って、考えたこと

『謙虚なコンサルティング』で有名なエドガー・シャイン。


キャリア・アンカーという概念は彼によるもの。
就職を考えるとき「自分は何をするべきなのか」という疑問は誰しもある。自分の“得意なこと”、“やりたいこと”を書き出し「こんな仕事をするべき」と考えてみる。仕事の内容面と自分を比較することは自然である。

ただ、これを裏返して考えてみましょうと伝えるのがキャリア・アンカー。
「自分が何をすべきか」ではなくて「自分が譲れないことはなにか」と考えることが大切だと言う。つまり、キャリア・アンカーとは「自らのキャリアを選択する際に、最も大切、あるいはどうしても犠牲にしたくない価値観や欲求」のことを意味している。シャインはキャリア・アンカーを八つにまとめている。その詳細は原書『キャリア・アンカー』と他の記事に任せる。

私はキャリア・アンカーという概念を「研究室選び」に当てはめて考えてみた。
大学3年になり、どの研究室を選ぶかという壁にぶつかっている。大学院でなにをするかの選択にも通じるだけに下手に選べない。
ただ、一番の問題は私に「これがやりたい」という決定的なものがないこと。むしろ「どの研究室に入っても自分のやりたいことを見つけ、興味を持って研究できる」と感じている。それは今までの講義においてそうだったからだ。本領が発揮されるのはテストにおいてではなく、テストが終わり自分のペースで勉強できるようになってからだ。これはGPAの低さを言い訳しているわけではない(笑)。ただアマノジャクの性格は認めるが。

研究室を選ぶということにキャリア・アンカーの考え方を採用してみるとこうなる。「何をやりたいか」よりも自分が譲れない価値観は何か。シャインの分類に従えば、私は「独立・自律」に当てはまると考えている。自分のやり方や自分のペースを大切にして、柔軟な中央主権的でない組織を好んでいる。だから、そもそも大学という組織はキライ。中央集権的過ぎる。先生は自らの話したいことより、話す“べき“に依拠しているし、学生との接触は事務的にならざるを得ない。

上記二つの事項を考えると、私の研究室選びとはすなわち「何をやっているか」ではなく、「どのような組織なのか」を選ぶことになる。これは就活についても同じことが言えそうだ。その企業がどのようなことをやっているかではなく、そもそも変化の時代であるから企業の中心業務は移り変わるはずだし、その企業の組織的性格はどのようなものなのかを評価基準にするべきだということ。すくなくとも私の場合は。やりたいことが明確な人たちはむしろ、やりたいことができる環境を求め転職を余儀なくされ、組織的な適応を強要されるだろうと。

さあ組織の性格を見るためにその研究室の大学院生の様子でも観察してくるか。心理的安全性はあるだろうかと。そんなことを考えている今日この頃。



この記事が参加している募集

最近の学び

サポートありがとうございます。皆さんのサポートが励みになります。いただいたお金は新しい知識を得るために使います。