滅びゆく世界

第一章：砂塵の嵐

ガンジス川のほとりは、もはやかつての賑わいを知らない。赤茶けた砂漠が広がり、枯れ木が骨のように天に向かって伸びている。かつて豊かな緑に覆われていた大地は、神々の怒りのように降り注ぐ砂塵の嵐によって、荒れ果てた世界へと姿を変えていた。

その荒涼とした大地を、一人の若者が馬に乗って駆け抜けていた。彼の名はアーナンド。かつては戦士として名を馳せ、戦場で恐れられた男だったが、今は滅びゆく世界の中で、生き残るためだけに生きている。

アーナンドは、砂塵の嵐に巻き込まれ、視界が遮られる中、必死に馬の背中にしがみついていた。嵐は突然やってきて、一瞬にして世界を覆い尽くす。まるで神々の怒りが、地上に降り注いでいるかのようだった。

「神々よ、どうかこの苦しみを終わらせてください…」

アーナンドは、荒れ狂う嵐の中で、神々への祈りを捧げた。しかし、空には神々の姿はなく、ただ砂塵が舞うだけだった。

嵐が過ぎ去ると、アーナンドは馬を止めて、周囲を見回した。どこを見ても、砂漠と化した大地が広がっていた。かつての緑豊かな風景は、跡形もなく消え去っていた。

「もう何も残っていないのか…？」

アーナンドは、絶望感に襲われた。しかし、彼はすぐに気持ちを奮い立たせた。

「まだ希望はある…必ず、この世界を救う方法があるはずだ！」

アーナンドは、伝説の聖なる武器「ヴァジュラ」の話を思い出した。それは、かつて神々が地上に降臨した際に持ち歩いていた武器で、あらゆるものを破壊し、再生させる力を持つと言われている。

「もし、ヴァジュラを見つけられれば…この世界を救えるかもしれない…！」

アーナンドは、ヴァジュラを求めて、荒れ果てた大地を旅立つことを決意した。彼は、砂塵の嵐に立ち向かい、絶望の淵をさまよう中で、新たな仲間と出会い、試練を乗り越えていく。