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僕は桃太郎にリーダーシップがあるとは思えないけどね

僕らがよく知る桃太郎の話は非常に奥が深い
たいてい誰もが知っている
少年が犬、猿、キジを引き連れて鬼を退治する話だ

歴史は古く室町時代頃に作られた(成立時期は諸説あり)ともされていて、話の起源は岡山県が有名(場所についても諸説あり)

まぁ、実際に犬、猿、キジを連れて鬼退治というのは非現実的なので、お供を連れて悪者を退治したという話であればどこにでもある話だろう

それにしても現代に至るまでこれだけ多面的な捉え方のできる話は他に例を見ない気がする

オリジナルの少年が動物を引き連れて鬼を退治するという話は、子ども向けの勧善懲悪劇でヒーローショーとなんら変わらない

最近ではビジネスにおいてリーダーシップ論などで引き合いに出されるらしい
このことから、桃太郎ってすげーな、おい
と、見直している単純な大人が増えた様子

そもそも鬼とは何かについて議論されているが、京都の大江の酒呑童子を引き合いに出すならば当時の山賊の事を指すのがもっともらしいわけだが

話の成立が室町となると日本の中世期となり、非人になどの差別問題として考察する事ができる

日本の中世期における非人についてはややこしく、下人とよばれる奴隷もしたし神に仕えるような仕事も非人とみなされていたりと平民以外の人たちがたくさんいて、山賊というくくりもいまいちよくわからない

平将門のような歴史上の奇跡のような人物も鬼として物語を進めることができる気もする

ただ、成立が岡山という中央権力から遠く離れた場所だとすると、桃太郎も鬼も身分的には似たようなもので、集落におけるただの揉め事にすぎなかったかもしれない

あと、桃がキーワドにはなっていて、古来より中国や日本では桃は不老不死の実であり日本神話にも出てくる

桃が川から流れてきて切ったら子どもが出てきたという話
これには違和感しかないわけだが、そう思っている人がほとんどなはず
(まぁ、違和感とか言い出したら、鬼退治に行こうなんて思う少年はどんな風に教育したら育つんだよ、、など、色々突っ込みどころはあるわけだけど)

元々は川から流れてきた何の変哲もない桃をおばあさんが持ち帰り、おじいさんと食べたところ、見る見る若返って久々に夜に燃え上がってしまい、そうしてできた子どもが桃太郎なのだ
という話がオリジナルであると聞いたことがある

これの方がよほど筋が通っている
明治期に小学校の教科書に掲載される際に、子ども向けに変更されたということらしい
本当のところはちゃんと調べていないが聞き知った話である

この話からすると、日本神話をベースにした話とも取れなくはない

そして、最近の岡山県の小学生の間では
桃太郎は実は何も悪い事をしていない鬼を鬼というだけで退治した
という話が出回っており、本当は桃太郎こそ悪いやつなんだという話もあるらしく

確かに、その話の筋道からいくと桃太郎こそ鬼ではないか、、
という話である
すごい話である

このように、色々な角度から考察できる物語が室町時代にでき、内容を変えたり解釈を変えながら伝わり続けているということは竹取物語に並んですごい話だなぁと思うのであった

シンプルん内容だからこそ、どのようにでも解釈が可能なのだろうな

昔、すごいこれ好きだったなぁ
これくらいしてくれた方が今時っぽくて良い(笑)

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