- 運営しているクリエイター
2019年9月の記事一覧
[小説]ながれながれて(後編)
ほりごこち
仏像が日本にやってきてから1500年の間、御像の数だけあったであろう幾多のエピソード。仏像を造ったり修復したりする造佛所で、語り継がれなかった無数の話。こぼれ落ちたそんな物語恋しい造佛所の女将がつづる、香りを軸にした現代造佛所私記。
前回の記事:ながれながれて(前編)
前編はこちら
香りに誘われて すっかり寝る支度を整え、少女は再び机の中央に文箱をすえた。
さきほどとは違い、
[小説]ながれながれて(前編)
ほりごこち
仏像が日本にやってきてから1500年の間、御像の数だけあったであろう幾多のエピソード。仏像を造ったり修復したりする造佛所で、語り継がれなかった無数の話。こぼれ落ちたそんな物語恋しい造佛所の女将がつづる、香りを軸にした現代造佛所私記。
前回の記事:木の香り、木の声、仏のうた (前編)
「ねぇ、この蔵がなくなったあとは何ができるの?」
飴色の土壁に揺れる影をぼんやりと眺めながら、少女は
おもかげの香り、はじめての香席
香りに恋をして
「あのときの、おもかげの香りが私の道標だ」全てのはじまりは、幼い頃手に取った一冊の本でした。お香初心者による、お香を巡る冒険の記録。
前回、私とお香との出会いについて書いた。今回は、はじめて私が体験香席に参加したときのことを書きたい。というのも、貴族や武士、裕福な庶民が行なっていた華やかなイメージのある香席に参加して、はたして気後れせず楽しめるのか。お香初心者向けのイベントとはい
赤ちゃんのうんちはヨーグルトの匂い
子どものつむじは甘い匂い − 太平洋側育ちの日本海側子育て記 −
抱っこをしたり、着替えをさせたり、歯を磨いたり。小さい子どもの頭はよくわたしの鼻の下にあって、それが発する匂いは、なんとなく甘い。
富山で1歳女児を育児中の湘南出身ライターが綴る暮らしと子育ての話。
前回の記事:ゆびさきから苺、ときどきブリの匂い
友人と、娘のうんちを嗅ぎあった日生後約半年、乳だけを飲んでいた頃の娘のう