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タイガの読書日記

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ラノベ・小説・学術書など様々な本を読んできたタイガが本棚の整理ついでに本の感想を書いていくマガジン。 割と最近は真面目な本を読むことが多いですが一応多種多様な本やたまに論文を紹… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

「イデオロギーとユートピア」カール・マンハイム(著)

「イデオロギーとユートピア」カール・マンハイム(著)

イデオロギーの影響下にある人は虚偽意識の中にある

 この本は今から100年程度前に発表されたものであり、またイデオロギー研究をする人には一読必須の本です。

 本自体の内容はイデオロギーについてはもちろんですが、カール・マンハイムが提唱した「知識社会学」について解説する意味合いの方が深いように思えます。

ですので「イデオロギーとユートピア」単体だけ読んでも理解は難しいのが難点です。

 イデオ

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「プリンシプルのない日本」白洲次郎(著)

「プリンシプルのない日本」白洲次郎(著)

Principle:原則・根本

 今の日本人には「Principle」がないと著者は言います。すなわち、借り物の言葉ばかりで自分の「意思」「言葉」「信念」がないというのです。

この「Principle」を行為として行う時、著者はそれを「筋を通す」ことと一緒だといってます。

あくまでも個人的な意見ですが、確かに今の日本人には「筋を通す」ことができていないと感じますね。

何かと「責任」から距離

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「新しい資本主義」原丈人(著)

「新しい資本主義」原丈人(著)

「成長と分配の好循環」=「岸田首相の新しい資本主義」

 岸田首相が今の日本を「新自由主義に蝕まれている」と述べ「新しい資本主義」の提唱を行っています。

分配を主にしている以上、新しい資本主義は財政出動をしつつ、財政規律を理由に増税をする政権の危険性を持っています。

 今回この本を読んだ理由はまさに「新しい資本主義」という岸田総理の言葉から連想された本だったからです。

世界ではリーマンショッ

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「無頼のススメ」伊集院静(著)

「無頼のススメ」伊集院静(著)

「今、私は私の足で立てているか?」

 私がこの本を読むたびに必ず一度考える「問い」です。

要は「自立した健全な精神を持っているか?」ということを確認しているのです。本書は「無頼」という言葉を意識して書かれています。

 著者は「無頼」の定義について、「頼るものなし」と書いています。これは「自分の責任は自分で取れ」「人に左右されず、自分の意思で行動しろ」というメッセージです。

本書はこの「無頼

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