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緑茶

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境界線がなくなる時

金魚の健康には青水が良いとのことで、たまに青水擬きの藻をあげると、美味しいそうにパクパク食べる。きっと「ごはんですよ」のような、いぃ匂いがしているんだろう。
水槽には、金魚が消化不良になると透明なヒラヒラがふわりと浮く。藻を食べた翌日は、深緑の塊が沈んでいる。それをほくそ笑みながらスポイトで吸う。

(青水擬きの)藻の舞う鉢に、泳ぐ金魚を眺めていると、金魚の健康を願う気持ちと、自己満足の、とても

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“喉が渇いたら水を飲み 心が渇いたらお茶を飲む”

“喉が渇いたら水を飲み 心が渇いたらお茶を飲む”

「茶」は、読んだり教えられたりして理解したり、出来るようになるモノでもない。

私の仕事は、ただの文化の遺伝子の運び屋だ。それが誰かの茶沼に嵌るきっかけの一つになれば幸い。一見無意味に思われがちだが、真剣に茶と向き合うのも仕事のうちだ。そして、粛々と伝えて使命を果たすだけ。

“虚の部屋で茶を啜る事は一つの宇宙で、大なるものと小なるもの双方を感じる事である。それは美でもあり又一つの道である

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翡翠色の時間

翡翠色の時間

雨が降ってきたので
○○雲霧みたいな緑茶を飲もうかなと選んでいたら、ふわ〜っと扉が開いた。
白銀の光の中にすらりとした影。

埋めようもない「穴の空いた心」を見えないように包んで。
置いて逝かれたお茶を携えてご来店された。

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ただ言われた通り、なぞっているうちは出会えない。お茶は、まず淹れてみて、好きになって敬意を持って知ろうとし、お茶に対して自分を開いた人にのみ、本当の姿を見せてくれる。
どぉしたら褒めてもらえるんだろうと考えているうちは出会えない。
中国緑茶はその典型。 #茶のお稽古 #中国茶

○○雲霧というお茶を飲んだら
だいたい雨が降る

偶然で出来る事は最善だ
存在感の出にくいお茶

2018/9/23

2018/9/23

秋分
あの世とこの世が繋がる日
「目に見えない世界」もまた
この世の半分

晴れの日も雨の日も嵐の夜も
転がりながら泥だらけ
お風呂に入って
さっぱりしたら
また行こう
風に吹かれてコロコロ転がり
そのうち身体はすり減り 消えて無くなり
いっちょ上がり

いつものお茶を
いつものように
それぞれに #傍らにお茶 #傍らに本
穏やかな空気が流れる #下午茶
その後、この公道杯はあの世に逝かれ

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2018/2/27

木の芽風
下午茶
#太平猴魁 2017
缶を開けると、以前訪れた、しとしと雨なんだか霧なんだか、ず〜っと濡れている安徽省黄山の太平猴魁を作る村の製茶小屋の、埃っぽいようで雨のような、それでいて製茶している匂いがしている。

不快指数も高く、しとしと茶畑への山道を上を下へと、ちょっと滑ったりしながらクタクタでドロドロで着いた村には、決して明るくない日常が広がっていた。ざわざわとして、働く人達や、お

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安吉白茶

安吉白茶

これは #解毒 のお茶だ。
形如鳳羽 色如玉霜
と称される。
蘭の花のような可愛い茶葉だ。

形状: 条索自然 形似兰花
茶色: 嫩黄呈翠润
茶香: 馥郁持久
茶味: 甘醇鮮爽
産地: 浙江省湖州市安吉县

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