マガジンのカバー画像

中国茶

22
運営しているクリエイター

#tealover

今日も「働く喜び」そのものを報酬の一部として充分に味わう。

人生には時にドラマティックなコトが起こり、乗り越えたり、時には抱えながら「最期」に向かって行く。どうしようもない時、人は意外と冷静だ。七転八倒、奮闘した挙句、「大丈夫」「いける」と暗示のように腹を括った人には、笑い飛ばしてみる方法も有効。「可哀想」と言われたり、深刻に受け止められるより、同じように笑い飛ばしてくれる人がいたら仕合わせだ。そしてそこには、本人だけのモノではなく、笑っちゃった人々にも未

もっとみる

鳳凰単欉鴨屎香

ショートケーキを食べた後のような
軽くて広い暖かな香り

停滞していたモノが
ドッと動き出すような味
透明な山吹色のとろみ

あと一歩で短剣が懐から出そう

“喉が渇いたら水を飲み 心が渇いたらお茶を飲む”

“喉が渇いたら水を飲み 心が渇いたらお茶を飲む”

「茶」は、読んだり教えられたりして理解したり、出来るようになるモノでもない。

私の仕事は、ただの文化の遺伝子の運び屋だ。それが誰かの茶沼に嵌るきっかけの一つになれば幸い。一見無意味に思われがちだが、真剣に茶と向き合うのも仕事のうちだ。そして、粛々と伝えて使命を果たすだけ。

“虚の部屋で茶を啜る事は一つの宇宙で、大なるものと小なるもの双方を感じる事である。それは美でもあり又一つの道である

もっとみる
翡翠色の時間

翡翠色の時間

雨が降ってきたので
○○雲霧みたいな緑茶を飲もうかなと選んでいたら、ふわ〜っと扉が開いた。
白銀の光の中にすらりとした影。

埋めようもない「穴の空いた心」を見えないように包んで。
置いて逝かれたお茶を携えてご来店された。

もっとみる

2018/2/27

木の芽風
下午茶
#太平猴魁 2017
缶を開けると、以前訪れた、しとしと雨なんだか霧なんだか、ず〜っと濡れている安徽省黄山の太平猴魁を作る村の製茶小屋の、埃っぽいようで雨のような、それでいて製茶している匂いがしている。

不快指数も高く、しとしと茶畑への山道を上を下へと、ちょっと滑ったりしながらクタクタでドロドロで着いた村には、決して明るくない日常が広がっていた。ざわざわとして、働く人達や、お

もっとみる