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30代、女。よく笑い、のんびり喋る。旅行と夏と焼き鳥が好き。最近はスパイスカレーも好き…

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30代、女。よく笑い、のんびり喋る。旅行と夏と焼き鳥が好き。最近はスパイスカレーも好き。年末に食べた火鍋が美味しくて、最近 薬膳・漢方検定をとりました。おいしいは正義、おいしいね、は もっと正義。

マガジン

  • おいしくいただきました。

    日々の食べた、飲んだ、話した記録を フィクションとエッセイを織り交ぜながら 書いていきたいと思います。

記事一覧

9. ロング缶一本分の逢瀬。

外出自粛明けの土曜日。 元通りにはほど遠く、 今まで通りよりかは少しだけ柔らかい。 そんな土曜日の過ごし方の最適解をぼんやりと探しつつ、 気が付けば手癖でNetflix…

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4年前
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選ばれない女の、選ぶ道。

わたしのコンプレックスは、 ずばり、選ばれないこと。 高校生の時、オーケストラのパートリーダーに選ばれなかったこと。 大学生の時、好きだった彼に選ばれなかったこと…

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4年前
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8. 秘密の二次会。

昨晩、オンライン飲み会をした。 気ごころ知れた友人たちと、4人でだいたい3時間くらい。 不安だとか寂しさだとかストレスだとか、 日々感じているアレコレを、言い合って…

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4年前
3

7. 目標のB面。

いつだったか、新年会をしたときに 「今年の目標は?」と尋ねたら、 今年は恋愛をしない、と答えた友人がいた。 なにそれ、と重ねて尋ねると、 彼女はその年、大殺界のよ…

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4年前
2

6. へこたれる夜、ありがたい夜。

ひととごはんを食べる時間が好きでnoteをはじめるに至ったのだけれど、 基本的に誰かとごはんを食べたって特別なことは起きないし、 毎度楽しいわけじゃない。 最近はひと…

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4年前

5. 第一次いいひと論争。

「いいひとってどんなひと?」 私は「いいひと」と称されて、 嬉しいと思ったことは、あまりない。 そういうひとって案外多いのではと思っているのだけれど、どうだろう…

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4年前
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4. 未熟な魅力。

THE YELLOW MONKEYの『カナリヤ』という大名曲をご存知だろうか。 初めて聞いたのはそれこそ十九歳とか、 二十歳に届かないくらいの年齢だったように思うのだけれど、 大…

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4年前

3. 怒れる女。

彼女は怒っていた。 乾杯をして互いの労をねぎらって、 さて何かすぐに出そうなものでも頼むかあというタイミングから、 すでに絶好調に怒っていた。 聞いてほしい話があ…

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4年前
5

2. 好きの呪いを甘く解く。

学生の頃に好きだった男の結婚式。 呼ばれた女は過去に彼が好きだった女とわたしだけだった。 彼にとって、わたしは一体なんだったんだろう。 たらふくご馳走を食べて、 …

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4年前
3

1. たとえ美味しくなくても。

「おすすめのお店は?」 と聞かれると、困る。 つい、ひとからおすすめされて行ったお店を紹介してしまったりする。 わたしはそこまでグルメではないし、 料理だって出来…

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4年前
2

0. 「おいしくいただきました。」はじめました。

はじめまして、kieです。 日々の食べた、飲んだ、話した記録を フィクションとエッセイを織り交ぜながら 書いていきたいと思います。 お気に召したら光栄です。 いまい…

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4年前
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9. ロング缶一本分の逢瀬。

9. ロング缶一本分の逢瀬。

外出自粛明けの土曜日。

元通りにはほど遠く、
今まで通りよりかは少しだけ柔らかい。

そんな土曜日の過ごし方の最適解をぼんやりと探しつつ、
気が付けば手癖でNetflixを開き、
昨日観たドラマの続きを再生していた。

この自粛期間で、
すっかりだらだらすることを覚えてしまった。

どちらかと言えば、アクティブに動き回るのが好きだったはずなのに。
休日なんかは、もりもり予定を入れるのが好きだった

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選ばれない女の、選ぶ道。

選ばれない女の、選ぶ道。

わたしのコンプレックスは、
ずばり、選ばれないこと。

高校生の時、オーケストラのパートリーダーに選ばれなかったこと。
大学生の時、好きだった彼に選ばれなかったこと。
就職活動の時、入りたい企業に選ばれなかったこと。

指折り数えたら両手両足じゃ全然足りない、
余るほどある選ばれなかった経験たちが
私の選ばれないコンプレックスを、じわじわと肥大化させていった。

選ばれたひとより努力をしていなかっ

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8. 秘密の二次会。

8. 秘密の二次会。

昨晩、オンライン飲み会をした。
気ごころ知れた友人たちと、4人でだいたい3時間くらい。

不安だとか寂しさだとかストレスだとか、
日々感じているアレコレを、言い合って笑い合って、
時間はあっという間に過ぎていった。

「12時過ぎたし、そろそろ終わりにする?」というひと言が号令となり、
その会はお開きにする流れに。

バイバーイ、またねー、と
ひとりまたひとり、回線が切れていく。

ひらひらと手を

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7. 目標のB面。

7. 目標のB面。

いつだったか、新年会をしたときに
「今年の目標は?」と尋ねたら、
今年は恋愛をしない、と答えた友人がいた。

なにそれ、と重ねて尋ねると、
彼女はその年、大殺界のようなものなのだという。

大殺界のようなもの、って大殺界じゃないの?とさらに追及すると、
彼女の信じている占いにおける不運で、
大殺界、のような呼び名が特にないらしかった。

何をしてもダメだって端から分かっているのなら、
この歳でもう

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6. へこたれる夜、ありがたい夜。

6. へこたれる夜、ありがたい夜。

ひととごはんを食べる時間が好きでnoteをはじめるに至ったのだけれど、
基本的に誰かとごはんを食べたって特別なことは起きないし、
毎度楽しいわけじゃない。

最近はひとと会うこともままならず、
回顧ばかりになってしまうのもあれだなあと思いつつ、
更新しないほうがもっとあれだよなあと思うので、
食べものの写真を見ながら、思い出したことを更新している。
(はじめるタイミングの悪さよ…!)

今回は、楽

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5. 第一次いいひと論争。

5. 第一次いいひと論争。

「いいひとってどんなひと?」

私は「いいひと」と称されて、
嬉しいと思ったことは、あまりない。

そういうひとって案外多いのではと思っているのだけれど、どうだろう。

言われるたびに小さな引っかかりをずっと感じていたので、
最近お気に入りの池尻にある焼き鳥屋さんに行ったときに
友人にふと尋ねてみた。
彼女も私のことを「いいひと」と称するうちの一人だ。

たとえば、
あまり親しくない人の彼氏・旦那

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4. 未熟な魅力。

4. 未熟な魅力。

THE YELLOW MONKEYの『カナリヤ』という大名曲をご存知だろうか。

初めて聞いたのはそれこそ十九歳とか、
二十歳に届かないくらいの年齢だったように思うのだけれど、
大人になってから聴くと、
『19にもなったのに 悲しみが欲しいのは なぜ?』
という歌詞の未熟さに痺れる。

未熟さは魅力だ。
鍛錬では得られない魅力が、そこにはあると思う。

ちょうど一年くらい前に二十歳の男の子と飲む機

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3. 怒れる女。

3. 怒れる女。

彼女は怒っていた。

乾杯をして互いの労をねぎらって、
さて何かすぐに出そうなものでも頼むかあというタイミングから、
すでに絶好調に怒っていた。

聞いてほしい話がある時、
彼女は良い話でも悪い話でも「ちょっと聞いてもらってもいいですか?」と話し出しが敬語になる。

良い話のときは口もとを緩ませながら(とても可愛い)、
悪い話のときは頬をぷくぷくさせながら(これまた可愛い)、敬語になる。
この日は

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2. 好きの呪いを甘く解く。

2. 好きの呪いを甘く解く。

学生の頃に好きだった男の結婚式。
呼ばれた女は過去に彼が好きだった女とわたしだけだった。

彼にとって、わたしは一体なんだったんだろう。

たらふくご馳走を食べて、
おなかはもうはちきれる寸前だったけど、
わたしはわたしを甘やかしたくて寄り道をする。

意味もなく高円寺で途中下車をして、
見たこともない、ぶあついマカロン。
トゥンカロンと言うらしい。
体には悪そうだけど、
今のわたしにはこれが絶対

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1. たとえ美味しくなくても。

1. たとえ美味しくなくても。

「おすすめのお店は?」
と聞かれると、困る。

つい、ひとからおすすめされて行ったお店を紹介してしまったりする。
わたしはそこまでグルメではないし、
料理だって出来る方ではないので、
隠し味だとか細かいことになれば、もうさっぱり分からない。
ただただ、楽しく食べることが好き。

だから楽しいと、美味しさに補正がかかってしまう。
何なら美味しくなくても、楽しかったら許せてしまう。
「まずっ!」と笑い

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0. 「おいしくいただきました。」はじめました。

はじめまして、kieです。

日々の食べた、飲んだ、話した記録を
フィクションとエッセイを織り交ぜながら
書いていきたいと思います。

お気に召したら光栄です。

いまいちnoteの使い方が分かっていないので、
ヘンテコなところがあれば、どうかどうか教えてください。

それでは。