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ことばと音楽

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日々の出来事と好きな音楽が絡んだ記事や、曲を基に書いた小説をまとめています。
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#小説

【音楽×小説】青春のリグレット

【音楽×小説】青春のリグレット

「ちょっとお母さん!
この隣に写ってる男の人、誰!?」

夕食後、部屋に篭っていたかと思えば突然バタバタと出てきた娘の手にあったのは、私の若い頃の写真だった。

「………あんた、こんな昔の写真どこから引っ張り出してきたの」

「部屋で探し物してたら押し入れから出てきた!
それより誰この人!?超イケメンじゃん!」

「………お母さんが昔お付き合いしてた人」

しまった私でさえどこにあるのか、いや、し

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【音楽×小説】花人局(はなもたせ)

【音楽×小説】花人局(はなもたせ)

目が覚めると、隣には誰もいなかった。
まるで、昨日の夜まで彼女がそこにいたことそのものが嘘だったかのようだ。

二日酔いで痛む頭を押さえつつフラフラと立ち上がると、水を飲もうとキッチンへ向かう。

洗って干したままのグラスを取り、ふと顔を上げると、ラベンダーが一輪、小瓶に挿してあるのが目に留まった。

………彼女の好きだった花だ。

グラスに水を注ぎ、ソファに腰掛ければ、そこには編みかけのマフラー

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【音楽×小説】祝福のメシアとアイの塔

【音楽×小説】祝福のメシアとアイの塔

———なんということだろう。

人が神の怒りに触れたその時から、世界を保つために15年ごとに繰り返されるこの儀式。

あの子が、救世主に選ばれてしまうなんて。

「……絶対に、あの子を独りではいかせない。  皆、いいね?」

村の長としてこれまで私たちを引っ張ってきた彼の言葉に、私たちは何の迷いもなく頷く。

みんな一緒なら、恐れるものはなにもないから。
あの子と共に、私たちも塔へ連れ立とう。

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【音楽×小説】この夜を止めてよ

【音楽×小説】この夜を止めてよ

目が覚めた時、彼は既に隣にはいなくて、私は独りで朝を迎えた。
窓から差し込む日差しが、私を容赦なく照りつける。

夜が夜のまま止まればいい、時間なんて過ぎなければいい。
そんな風に願っても、それが現実になる訳はなくて、だけどそれが悲しくて。
涙が一筋、頬を伝った。

———私たちの関係は、許されたものではなかった。
最初は、大きなその背中を見つめていられるだけで幸せだったのに。

甘い過去の記憶も

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【音楽×小説】モラルの葬式

【音楽×小説】モラルの葬式

「だから、【モラル】は殺されたんだよ」

———私の隣に座った【プライド】は、耳を疑うような言葉を放った。

「………殺されたって、誰に……?」

「決まってるだろ。
………この世の中に、だよ」

***

【モラル】が亡くなった。
この世界が回る上で必要不可欠だった彼の死は大きな波紋を呼び、彼を弔うために開かれた葬式には、最後の別れを告げようと多くの人々が訪れた。

呆然とした様子で前列に座る【

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歌ったり奏でたり聴いたりするだけが音楽じゃないのかもしれない。

歌ったり奏でたり聴いたりするだけが音楽じゃないのかもしれない。

わたしは、大学2年生の頃から社会人合唱団に入っている。

大学4年生の時は就活と卒論に専念したくて1年休んでいたし、社会人になってケータイショップのスタッフとして働いていた時は、毎日何時に帰れるか分からないような状況で練習に参加できていなかったし、転職したと同時にコロナウイルスが蔓延し始めたせいで、あんまり活動できていないけれど。

そんな合唱団での活動は、緊急事態宣言が出ると解除されるまでミーテ

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【音楽×小説】Be my last

【音楽×小説】Be my last

私の「生涯最後の恋人」がこの人だったらと、どれほど願っただろう。

「私たち、別れよう」

「………え、何で急にそんなこと……」

「私が“悪魔”で、君が“天使”だから」

「っ、そんなこと、今に始まったことじゃ……!」

「私、知ってるんだからね?
私と君の関係が続いてることが周りにバレ始めてて、君が天界で後ろ指さされてることも、下手したら大天使たちに申告されそうなことも」

「………だって、君

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【音楽×小説】LITMUS

【音楽×小説】LITMUS

想い人と結ばれ、心も身体も一つになる。
自分にそんな日が来るなんて、夢にも思っていなかった。

「……ネラ、起きていたのか」
「えぇ、ヴァイス様」
「こら、今は様付けで呼ぶな。
今は、俺の恋人、だろう?」

「……そうね、ヴァイス」

だって私は、世界で最も愛しいこの人を殺めるために遣わされた暗殺者なのだから。

——この国で多大な権力を持つ貴族の一つであるリュミエール家。
私はこの家に仕えるメイ

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