採用戦略と採用計画、何が違う?
言葉の響きは似ていますが、内容は異なります。
「どっちも優秀な人材さえ獲得できればいいんでしょ?」
確かにその視点もありますが、人材獲得に至るまでに他の要素も考慮する必要があります。
解説します。
共通理解の欠如が、現場の掛け違いを生む
両者の違いはこう表現できます。
採用戦略:
市場から優秀な人材を獲得するための戦略です。自社が求める人材像や訴求ポイントを明確にし、他社との競争に勝つための戦略を立てます。
採用計画:
将来の事業成長を見据えて、どの部署にいつ、どの程度の人材を採用する必要があるかを計画します。必要な要員数や配置の変更を含めて、長期的な視点も含めて計画を策定します。
見てお分かりの通り、両者が異なるものとわかるでしょう。
しかし、これらの違いを曖昧に理解したまま採用を進めてしまい、様々なかけ違いが生まれます。
例えば、採用戦略に意識が向き過ぎてしまい、採用計画の立案時に「配置」や「異動」を見落としているケースをたびたび見かけます。
結果、人員配置を考えるときに「今年こんなに採用するんだっけ?」と、人数バランスで揉めることも。
採用戦略と採用計画、エンジニア採用の例で考えてみる
例えば、エンジニアの採用を考える場合を挙げてみましょう。
人材争奪戦でエンジニアを獲得するには、他社に打ち勝たなければなりません。
そのため、自社が求めるエンジニアの人材像を明確にし、その人材に対して何を訴求するかを考えます(採用戦略)。
例えば、「当社の開発環境は良い」とか「柔軟な働き方ができる」とかです。
一方、採用計画では、将来の事業展開に必要なエンジニアの人数や役割分担を見極め、必要なタイミングで採用する計画を立てます。場合によっては、採用だけでなく、異動や配置とも連動して要員計画を立てます(採用計画)。
例えば、数年後に〇〇というサービスで●●億円を目指すため、「10人以上のエンジニアが必要になってくる」などです。
改めて違いを見ると、内容が異なることが分かるでしょう。
採用計画の立案はなぜ難しい?
しかし企業のなかには、実際に採用戦略を緻密に立てても、採用計画を立てるのが困難で悩まれているケースが見受けられます。
そうした難しさが生まれるのは何故でしょうか?
それは、採用計画は経営方針や事業計画と連動させる必要があり、配置や異動などの他の人事機能も考慮しながら策定する必要があるからです。
つまり、採用以外の要素の影響を受けることが難しさの原因の一つなのです。
以上は私の個人的な意見ですが、皆さんの会社では採用計画がしっかり立てられているか、改めて考えてみることも重要です。
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