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AI時代にこそ「フロネティックリーダーシップ」を身に付けよ!

フロネティックリーダーシップとは、経営学者・野中郁次郎氏が提唱したリーダーシップです。

野中氏は、善い目的を追求し、現実に応じて臨機応変に判断・行動できる知恵「フロネシス」を持ったリーダーの存在に着目しました。

どういう能力を有したリーダーなのでしょうか?


フロネティックリーダーに必要な6つの能力とは?


野中氏は、フロネティックリーダーには次の6つの能力が必要だと説いています。

  • 善い目的を創る能力:組織のパーパスや目標を明確にし、共感を得られるビジョンを提示できること。リーダーは、組織にとって何が"善い"のかを示すことが重要です。

  • 場をタイムリーにつくる能力:ビジョンを示しても、それが伝わるかどうかは別です。適切な場をつくり、言葉だけでは伝えきれない思いや文脈を共有することが必要です。

  • ありのままの現実を直視する能力:現場は日々変化し続けます。今、現場で起きていることは何か、その物事の本質はどこにあるかを見抜くために、自ら観察し分析できることが求められます。

  • 直感の本質をきちんと概念化する能力:現実を直視し、そこから得た直感やインサイトを言語化することも必要です。これらを、説得力のあるストーリーやコンセプトにすることで組織に伝え、活性化していきます。

  • 概念を実現する政治力:ビジョンやコンセプトがあっても、それが実現しなければ意味はありません。実現に向けた必要なリソースや協力者を獲得し、障害や困難に対処できるが大事です。

  • 実践知を組織で共有する能力:自分だけフロネシスを持っていても、目的は達成できません。組織全体がフロネシスを持てるように、自らの経験や知恵を伝えられることが何より大切です。


なぜ、AI時代に"フロネティックリーダー"が重要なのか?


変化の激しい現代、企業経営を取り巻く状況は年々高度化・複雑化を増しています。このような状況でまず不可欠なのは、瞬時に変わる現実を適切に把握する能力でしょう。

しかし、人間の認知は必ずバイアスがかかるものです。起きている現実をありのまま把握することは難しく、そこには何らかの基準に照らして洞察しています。つまりは、適切な洞察力を働かせるためには、「何が良いことなのか?」という共通善を持つことが極めて重要なのです。

したがって、絶えず変化する現実に向き合うために、共通善を持ち、個別具体の文脈の中で適時絶妙なバランスを取った最善の判断ができるリーダーの存在が不可欠です。こうした実践知を備えたリーダーが"フロネティックリーダー"なのです。

このようなリーダーは、AIでは代替が不可能でしょう。なぜなら、日々変化する現実は多くの要因に影響を受けており、コンピューターが理解することが難しいためです。さらに、こうした現実の情報は日々刻々と変化しているため、現場を熟知し、変化に適応しながら考える必要があります。よって、こうした複雑な状況に対処するには、人間の「洞察」が欠かせないのです。

こうした実践知を備えたフロネティックリーダーに一朝一夕でなれることは難しいでしょう。まずは「何が善いことなのか」「何が現実なのか」「何が必要なのか」という問いかけを忘れずに持ち続ける姿勢が大切です。

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