見出し画像

【目印を見つけるノート】931. 赤いランドセルとボーア博士

今日は京浜東北線に乗って出かけました。
こういう、ぽかぽかした日に電車に乗ると眠くなって仕方ありません。神奈川県内に入ってもぼうっと雲を見ながら考えごとをしていました。西の方が空の可視範囲が広くて、とにかくぼうっと。ちょっとマイナーなことを考えていたかもしれません。

鶴見を過ぎて、「あ、おばあちゃんちがあったところ、過ぎちゃったな」と思って、また考えごとに戻りました。鶴見の次は新子安で、すぐに着くと思っていましたがなかなか着きません。私は考えごとを止めて、おばあちゃんのことを思いました。
風景はずっと流れています。

不意に、
「大丈夫だよ。
さわちゃんは間違ってないよ」
という声が頭の中で何度も繰り返し聞こえたような気がしました。

微睡みのような時間が過ぎて、
電車は新子安のホームに入りました。時間は4分で、京浜東北線の郊外の駅間として特別に長いわけではありません。
でもその区間だけ倍ぐらいあるように私は感じていました。

横浜に着いても、小さい頃に家族で遊びに行っていた鶴見の風景をやたらと思い出しました。
総持寺の広い境内で写真を撮るとき、鳩がやたらと多くてちょっと怖かったこと。砂利、白い石段。

商店街の角にカバン屋さんがあって、
おばあちゃんに赤いランドセルを買ってもらったこと……。

おばあちゃんが薦めてくれたランドセルに見向きもせず、『アンデルセン物語』(アニメ)のシールがおまけに付いているというだけで、「これがいい」と我を通してしまいました。
おばあちゃんは、「そう、これがいいのね」と買ってくれました。

よく行った長崎屋。
館内にはコインの遊具があって、確か100円ではなくて10円単位だったと思いますが、私は動物より車に乗りたがっていたように思います。
おばあちゃんも買い物をするためではなくて、私たちを遊ばせるために行っていたのではないかと思います。

今はもう病院ではない病院の屋上にたまに上らせてもらいました。おばあちゃんはそこに勤めていたのです。仕事の邪魔になるから病棟へ行くことはないですが、休憩の時間に屋上で話したりすることもあったのです。
長崎屋しか認識できませんでした。

おばあちゃんのうちの思い出は前に書きましたので綴りませんが、コーヒーと横溝正史さんの文庫本を覚えた場所ですね。

そのような風景が次から次へと浮かぶのでした。

一族の中でいちばん夢に出てくるのはおばあちゃんです。あろうことか、舞鶴港に入港する引揚船の夢まで見ました(母も生まれていません)。
多分実際とはまったく違うと思いますが😅

ハッと気づきました。
私はおばあちゃんに否定的な言葉を言われたことがありません。
それなのに……、
赤いランドセル、すすめてもらった方にすればよかったな。

これは
夢うつつのアリスのようなお話ですので、「信憑性」とは違う次元?にあるのですが、もしルイス・キャロルがここにいたら、ちょっと話してみたいなという感じ。
時間が伸びたり縮んだりするお話、帽子屋と話すと煙に巻かれそうですから。
そうだな🤔ボーア博士もそんな話をしていましたから、混ざってもらいましょうか。

京浜東北線がボーア博士に飛ぶのが、私のいいところです、ということにしておいてください。

などと逍遙しているうちに夜になりました。

帰る感じの曲を。
Enya『On My Way Home』

そろそろ帰りますか。
それでは、お読みくださってありがとうございます。

尾方佐羽

#エッセイ
#ブログ
#日記
#逍遙
#電車
#鶴見
#新子安
#祖母
#おばあちゃん
#不思議の国のアリス
#毎日note
#noteの書き方
#ありがとう
#音楽
#ENYA
#On_My_Way_Home
#ボーア博士
#時間
#赤いランドセル
#写真
#横浜

この記事が参加している募集

noteの書き方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?