『 死神の精度/伊坂幸太郎(著) 』
1週間前、急に読みたくなって買った文庫本『 死神の精度 』
伊坂作品を読むのは久しぶり。1年ぶりかしら。
この小説は、死神が主人公。
・死神が「調査部」の一員として人間の世界に派遣される。
・死神は1人の人間を1週間観察して、死を「可」にするかどうか決める。そこに明確な基準はなくて、「可」にするか「見送り」にするかの判断は、死神個人に全て任される。
・死神は人間の死に何の感情もない。ただ、判断するだけ。
・死神が人間界で仕事をするときの楽しみは、音楽。(死神界に音楽はない)
*Wikipediaから、一部引用
この小説を最初に読んだのは、10年位前かな。もう1度読んでも、やっぱり大好き。
●私たちは下手をすると、仕事の合間にミュージックを楽しむのではなくて、ミュージックを堪能する間に仕事をするようなところがある。
●人間に対する同情は畏怖などはまったくないが、彼らが作り出した「ミュージック」を偏愛している。
●人と違う奴ってのは、嫌われやすい。そうだろ?
●人間というのは実に疑り深い。自分だけ馬鹿を見ることを非常に恐れていて、そのくせ騙されやすく、ほとほと救いようがない、と私はいつも思う。
●人間は不思議なことに、金に執着する。音楽のほうがよほど貴重であるにもかかわらず、金のためであれば、たいがいのことはやってのける。
●とうして人間は、何かと言うと同意を求めてくるのだ。
●人間の説明ほど、信用のならないものはない。
●人間というのはいつだって、自分が死ぬことを棚ぬ上げている。
●人生なんていつ終わってしまうか分からないんだから、話は交わせる時に交わしておくべきだ。不躾だろうが何だろうが。そう思うだろ?
●人間が作ったもので一番素晴らしいのはミュージックで、もっとも醜いのは、渋滞だ。
●自分と相手が同じことを考えたり、同じことを口走ったりするのって、幸せじゃないですか
●最高ではないけれど、最悪じゃない、そういうのってあるじゃないですか。
●謝りと嘘に大した違いはない。微妙な嘘は、ほとんど謝りに近い。
●人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ
●あんなにたくさんの人がいて、人間のことで悩んでいる奴は、たぶん一人もいない。自分のことで悩んでいるだけだ。人間のことで悩んではいない
●俺はよく思うんだけれど、動物とは異なる、人間独自のつらいことの一つに、幻滅があるじゃないか
●どうして人間は、自分のことを知らないんだ?
●そういう下らないすれ違いは、人間の得意とするところじゃないか
●以前、同僚の死神が言っていたのを思い出した。人間は、何を見ても人生と結びつけるのだ
●人間はね、年取ったって、大して成長しないんだって
●人間というのはどうしてこうもつまらないことに差異を見出して、優越感を覚えようとするのだ。
●幸せか不幸かなんてね、死ぬまで分からないんだってさ
●自分が他人からどう見えるのかを、これほどきにする生き物も珍しい、と私は改めて関心する。
●人間というのは、眩しいときと笑う時に、似た表情になるんだな
ミュージックを愛する死神は、人をよく見てる(まぁ、観察することが仕事だもんね)。あらためて読んだら、『 重力ピエロ 』の春が出てるシーンに気づくことができた。
こうやってまた、伊坂ループにはまっていくんだろうな。幸せな罠。
*
読んでくれて、ありがとう。
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