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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2023年2月の記事一覧

カルボナーラ

「いやあ、これいいですよ。」
高森は机の上にある紙の束を見て、思わず笑顔でそう言った。
「はい、結構なものができそうです。」
雨相としても満更ではなかった。
「何ですかね、今日はバンバンいい感じで進みましたよね。」
「確かにそうですね。」
高森の言う通り、今日の打ち合わせはいつになく上手く進んだ。
「やっぱりたまにはこうして違うところに来てみるのもいいんですかね。」
「うん、確かにそうですね。」

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裏垢

「おい、大丈夫か。やっぱり元気ないぞ。」
 ゼミが終わると、俊作は大河にそう声をかけた。
「ああ、俊作……」

 つい90分前のことである。教室に着くとそこには、いつもなら時間ギリギリに着くはずの大河が既に席に座っていた。
 珍しいこともあるもんだな、と俊作は近づき、
「おお、大河もう来てたのか。」
 と、声をかけた。
「ああ……」
 いつもなら元気に返すはずの大河だったが、どうにも意気消沈してい

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特急

 お夕飯を食べ終わり、勇樹は自分の食器を片付けるとスマホを片手にリビングのソファに腰かけた。
「亜寿美さん、今日のお夕飯も絶品だったよ。」
「もう、勇作さんたら。」
 こんな光景は松野家では見慣れている、いやむしろこういうやり取りがない方が心配になるほどだ。
 勇樹は二人のイチャイチャっぷりをかき消すかのようにテレビをつけ、チャンネルを回した。特段見たい番組がなかった勇樹は、クイズ番組が流れたとこ

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クリケット

 おかしな金箔の話が終わったかと思いきや、彩世を待っているほのかは、その話が終わったからと言ってまだ理科準備室を後にするわけではない。
「先生ってそう言えば、学生の時何部だったんですか?」
「僕はまあ、生物部ですね。」
「ああ。」
「そんな反応しないでくださいよ。」
「だって、予想通りだったから。」
「まあそうかもしれないですけど。」
「スポーツとかは、やったことないんですか。」
「うーん……ああ

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