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伝説のつるぎ 大熊健司
2022年4月24日 00:17
すっかり日も落ちてきたある日の夕暮れのこと。授業が終わり、駅に向かおうと歩いていたスーザンに話しかけてきたのはもちろんクリスだった。「スー、お疲れ様。」「クリス、お疲れ様。」「スーはこの後何か用事ある?」「ううん、特にないわ。どうして?」「この前CMでね、サンセットで季節限定のパフェが始まるって言ってたの。」「サンセットって、あの、えーっとなんていうんだっけ、ああいうお店のこと。」
2022年4月17日 00:08
「先生、どうしたらいいと思います?」ほのかは頬杖をつきながら尋ねてきた。「どうと言われましても……」「人生経験長いんだし、なんかヒントくらいちょうだいよ。」彩世もため息を漏らしながらそう言った。「いやいや、僕も君たちと10歳くらいしか変わらないですからね。」高校生というまだまだ若くてピチピチな生き物に囲まれていると、時たま自分がとても老けて思えることもあったが、それでも自分
2022年4月10日 00:12
練習と片付けを終えて外に出てみると、すっかり日も落ち、辺りは夕闇に包まれていた。「さっさと帰ろ。」誰に言うでもなくそう口にすると、清志はゆっくりと歩き始めた。「おーい、清志くん。」すると、後ろから清志のことを呼ぶ声が。振り返ると、笑顔で手を振りながらこちらに駆け寄る人が一人。それは、清志よりも後に入った、大学生の真壁 玲央(まかべ れお)だった。「玲央さん、どうしたんですか?」「清志
2022年4月3日 00:04
目を覚ますと、既に太陽は高い位置に差し掛かっていた。枕元のスマホを見ると、示された時間は昼前。このままでは一日を無駄にしてしまう、そう思い、自らの体を奮い立たせるように声を出しながら体を起こす。まずはキッチンへ。ここでポットにお湯を入れ、その間にと洗面所に向かい、顔を洗う。お湯が出るまで時間のかかるこの家では、眠気を覚ます意味も込めて冷水で顔を洗うのが日課となっていた。キッチンに戻り、お湯