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東京2020オリンピック【バレーボール】

専門分野のバレーボールについてお話します。

最初に日本の結果、

女子は予選敗退、男子は決勝トーナメント初戦敗退、です。


まず男子。

SNSのコメントでは良くやった、という感じのものが多かったと感じました

が、

私はあまり満足してはいません。


自分がずっと携わってきたバレーボールだから、

もっともっと改善点もある、と感じているからです。

そして、もちろん、トップ選手のすごさもわかっていますので、

ここから改善するのは簡単ではない事もわかっています

すべては日本チームが輝くために。


では具体的に。

すでにやられている事ですが、

さらに、もっと大学等と連携して、細かい部分を修正する必要があります

例えばサーブ

世界の主流は強いジャンプサーブ&ジャンプフローターです。

しかし、

そこを意識しすぎて、

日本チームはまだまだサーブミスが多いのです。

具体的に。

1セット、25点を相手より先に奪えば勝てます

その25点、相手に取られた時、

サーブミスで与えた点数が平均何点あるのか

これがブラジル等トップチームとの差です。


日本のビッグサーバーが3本連続エースを取ったとします。

しかしよく見るのが、4本目のミス。

これだと結果2点分のポイント差です。


これがポーランド等の場合、

8割くらいの力でミスしない

ミスしないけど、崩せてるからサーブが継続できる。

これが終盤大きい差になるんですね。


そして、ジャンプフローターの質の差です。

海外の多くの強豪国のジャンプフローターは、

サーブを打つ打点が高いので、

そのまままっすぐ相手コートに入ります。

つまり、サーブの軌道が上から鋭角に来ます。

しかし、

日本チームのジャンプフローターは、

多くの選手が少し山なりです。

つまり、打点が海外選手に比べて低いので、

どうしても少し上に打っています。


これは本当に大きな差です。

野球で例えるなら、

大谷投手が上から投げる軌道と

170cmくらいの選手が投げる軌道くらい違って

レシーブの難しさはケタ違いです


実力だけで考えたときに、

実は私、

北京オリンピックの時

男子はひょっとしたらメダル取れるかも

そのくらいの期待をしていました。

結果は予選敗退でしたが…。


あの時観戦していて感じたのは、

”強豪国に勝てるという余裕がない” です。


今回の東京では、そこまでではなかったですが、

それでも、日本チームにないもの。

それが、試合中での遊び感覚の余裕だと思います。

逆に言えば、真面目で勤勉なプレーが出来ている、です。

しかし、

VNLを観戦していても、

強豪国の試合では、

真剣な試合中なのに、

”次、こんなことやっちゃおうか”

というような遊びがあると感じます。

これがあると、

男子日本チームはさらに上にいけると思います。

なぜなら、レシーブ力は世界でもトップレベルにあるので、

世界トップとの違いは細かい部分だからです。

イタリアもですが、

ロシア、ポーランド、ブラジルをもっと研究してほしいです。

これからも応援続けます


次に女子。

正直、オリンピック始まる前

VNLを観戦した限りでは、

今回の日本チームは歴代チームの中でも一番強いのでは?

と感じていました。


一番は、

石川選手のレフト、黒後選手のライトのローテーションバランスが絶妙

そこに古賀選手の安定感。

今までのチームであれだけライトで打ち切れるチームは

なかったのではないかな? と感じていました。

さすが成徳高校出身の身体は社会人になって違いが出るな

等感じていました。

それは、オリンピック直前シーズンの

Vリーグ観戦、東レvsシーガルズで目の前で観たときも感じました。

黒後選手の声の出し方やキャプテンとしての自覚というか。


しかし、初戦、

よりによって、ケニア選で古賀選手のケガ

正直、これで歯車が狂いましたね。

仕方ない事ですが、

変わりに入った石井選手

正直、観ていて可哀そうに感じてしまいました。

多分ですが、

石井選手、

”古賀選手より私の方が良い、変わって出たい。絶対に出てやる”

といった気持ちではなかったと思います。


もちろん、何かあったらいつでも出ます、の準備はしていたでしょう。

しかし、

何が何でもレギュラーを取り返してやる、

というガムシャラな練習をしてきた選手と、

誰かに何かあったらいつでも行ける準備はしておきます、

という選手には

指導者として、

大きな違いがあると感じてしまいます


これはチームの方針もあるので、

石井選手を責めているのではなく

海外の強豪国を観ていると、

サブの選手が出たときの燃え方がすごいのです。


女子チームに関しては、

先ほども言いましたが、

実力はメダル確実、という位だと感じます。

そういった、サブメンバー含め、

再度、マインドを変えて、

又、次からの試合に備えていってほしいです。


女子バレー観戦では2試合、複雑な思いで観戦しました。

これは知人のVリーグ関係者の方と同じだったのですが、

1:初戦のケニア戦での古賀選手の負傷

なぜかと言うと、

写真にもあるように、

私、個人的にケニア代表とつながりがあります

ケニア人の監督、コーチ、選手にも多く友達がいます。

日本が勝ったのは良かったのですが、

この試合で古賀選手がケガをした、という複雑なものでした。

2:ドミニカが日本に勝利

これは、

日本が負けたショックもですが、

地元岡山県でキャンプをしていたドミニカ共和国。

キャンプ終盤ではVリーグの岡山シーガルズと練習試合もして、

観戦したので、

岡山に住む私としては

どちらも応援ですが、

そうはいっても最終的に日本が勝つと思っていましたので…。

という2試合です。


一方で動画を観て笑ってしまっていたのが、

試合前のケニアチームのロッカールームです。

これは多くの人に観ていただきたいのですが笑

試合前、彼女たち

踊りまくってるんです笑

キャプテンが友達で、

その動画を観ていたのですが、

”ああ、ケニアだなぁ”と懐かしくなりました笑


次回のパリオリンピックでは、

男子、女子共に

現在のレギュラーは成熟期に入っているはずです。

そこに新しい選手が入って

ぜひとも世界のトップに入ってほしいと願ってます。


あと、余談ですが、

これは、バレーボールの先輩とも意見が一致していたのですが、

テレビ観戦していて、

中田監督と相原コーチの関係が上手くいってなかったのかなー、と。

もちろんこんな話は想像で、

事実は本人たち、チーム内でしかわからないのですが。


選手、コーチ、監督、学校で言う顧問の先生。

このバランスはすごく重要だな、と勉強しました。


パラリンピックも後1日。

ガンバレ日本!!!







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