見出し画像

分子栄養学で考える「ファスティング」の意味①

「ファスティングは、どれくらいの期間でやるのが適切ですか?」
これもよく勉強会の中で出てくる話題です。

正直なところ、ヒトによって「合う・合わない」という要素が大きいのでこの質問回答としては、

個人(その人の今の状態)によります

といった答えになってしまうのですが、おそらくこの疑問を解決するには「ファスティング」をする意味を少し分子栄養学の角度から知っておいた方がいいと思います。

一般的に、皆さんが思っておられる「酵素」と分子栄養学で話す「酵素」とはかなり意味合いが違ってくるので、話をしているとそのイメージの違いによって「???」になる方が多くいらっしゃいますので、その辺りは頭の中を整理しておいた方が良いかと思います。

酵素を理解する

ファスティングを行う上で考えないといけない点は「酵素」です。

多くの酵素は生体内で作り出されるタンパク質をもとにして構成されています。

酵素(enzyme)って何かというと、定義としては「生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子である。」とされています。

難しい言葉並べるなよ!ってなるかと思いますので少しかみ砕きます。

ヒトは身体の中で化学反応を起こしエネルギー(ATP)や生きるために必要な物質を作り続けています。酵素がないとヒトはその重要な反応がとまってしまい死に向かいます。

そして「触媒」というのはいわば、反応を促進させるものです。
(小学校理科の実験で、オキシドール(うすい過酸化水素)に二酸化マンガンを加えると酸素がわーーっと出て、幼いながらスゲーってなったのを覚えています。)
まさにこの反応を促進する、二酸化マンガンの役割が「触媒」ですね。

反応を活性化させるイメージで良いかと思います。

解糖系、ピルビン酸代謝

少し難しい話をします。

例えば、エネルギー物質(ATP)を作る解糖系エンジンにて、「グルコース」から「ピルビン酸」に変化していく「代謝」があります。

その代謝途中で「マグネシウムイオン」を補因子もしくは構造としてもつ酵素として「ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、ホストグリセリン酸キナーゼ、 エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ」などがあります。

これらが「代謝酵素」であり、この酵素が作れないと次への代謝反応が鈍くなってしまうというわけです。

つまり体内のマグネシウムが不足すると解糖系にて「糖質をエネルギー」に変える効率が悪くなってしまうわけですね。

とりあえず代謝酵素は、ヒトの生命活動に絶対必要なモノってイメージで良いかと思います。また、年齢を重ねると出にくくなるモノだとも認識ください。

食物酵素、消化酵素、代謝酵素を理解する

もう少し踏み込みます。

画像2

酵素の種類としては「食物酵素、消化酵素、代謝酵素」の3つがあります。

まず前提の考え方(酵素栄養学)として、酵素の量は産まれた時に最大の量を持っており、年齢を重ねるごとに減ります。そして、酵素の働きが弱り生命活動が維持できなくなりヒトは亡くなります。

これらの酵素を無駄遣いするヒトは早く亡くなってしまうという考え方ですね。

食物酵素は、食材自体が持っている酵素です。

食物酵素の多い食事をすると、食物の持つ酵素が食品の消化を助け、人体自身の消化酵素の分泌が少なくてすむために、潜在酵素の消費を抑えることができると考えられています。

牛などは4つの胃がありますが、人間のように消化液が出るのは最後の4つ目の胃です。1−3は食べた食物が持つ「消化酵素」や微生物が発行する酵素を使って発酵・分解しているそうです。

果物などは放っておくと自分でも腐りますよね。一方ファーストフードのハンバーガーなどは放っておいてもなかなか腐らないです。まさにハンバーガーには食物酵素は無いわけで、それだけ自身の消化酵素を使わなければなりません。

ちなみに、酵素ドリンクは食物酵素が入っているわけでは無いのでご注意を!酵素ドリンク売っている人に聞きましたが、あくまで商品名と言っておられました。あれは、栄養ドリンクに近いものだという認識です。

ここまでの知識があれば、ファスティングは何をしているのか?というのが理解していけるかと思います。勘のよいかたはもうお気づきですよね。

パート②ではそちらについて書いていきたいとおもいます。


本日のポイント
・分子栄養学で話す「酵素」は主に「消化酵素や代謝酵素」のお話

・酵素の書類は「食物酵素、消化酵素、代謝酵素」の3つがあります

・酵素は乱暴な生活習慣だとどんどん消費されていきます。


【↓分子栄養学の無料ウェビナーもやっています】

【↓Fucho.me 未病を相談できるポータルサイトをリリースしました】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?