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すらすら書ける!なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた④

※本書はメンバーシップ追加のため有料設定となっていますが、すらすら書ける!なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた①~⑤については全文無料でお読み頂けます。


「なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた」の続きです。
すらすら書ける!なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた①
すらすら書ける!なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた②
すらすら書ける!なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた③

アセスメントにおけるQマトリックスの使い方(2回目)

前の記事の振り返りから。
Qマトリックスを使ったトレーニング方法を活用して以下の3ステップでアセスメントを書けるようになるとお伝えしました。(以下Qマト3ステップトレーニングと記載)

Qマト3ステップトレーニング
ステップ1.テーマを〇〇のアセスメントにする。
ステップ2.〇〇のアセスメントに必要なブロックの質問を選択する。
ステップ3.その質問に対しての答え(根拠)を探してアセスメントを書く。

しかし、これだけではどうしてアセスメントを書けるようになったのか、その理由はわからないままであり、アセスメントの書き方を本質的に理解した事にはなりません。
そこで、この記事では看護学生の看護過程におけるアセスメントの現状と困難 -臨床推論としての考え方の特徴-を使って私たちがアセスメントを書けない理由をピックアップし、Qマト3ステップトレーニングを使うとどうしてそれらが解決するかを説明します。

アセスメントを書けない5つの問題はQマト3ステップトレーニングを使うと解決する

 看護学生の看護過程におけるアセスメントの現状と困難 -臨床推論としての考え方の特徴-の中に出てくる看護学生が看護過程の「アセスメント」と「看護診断」の部分について困難であると感じていた事を以下のように結論付けています。

観察することの難しさや膨大なデータから必要なデータを見極めること、データを取捨選択すること、データに裏づけられたアセスメントすることに困難を感じていることが明らかになった。

看護学生の看護過程におけるアセスメントの現状と困難 -臨床推論としての考え方の特徴-

上記を結果から詳しく見ると以下の5つの問題が浮かび上がりました。

問題1.膨大な情報の中で、どこまでデータが必要なのかと情報収集におけるデータの見極めに困難を感じる。

問題2.収集した情報を意味づけることに困難を感じる。さらに、その収集したデータから掘り下げてデータを収集することができない。データの優先順位がわからない。

問題3.収集した情報を分析することや解釈することが難しい。

問題4.個別性を見出しながら考えるアセスメントを理解できていない、苦手意識を感じる。(一般的なアセスメントを受け持ち患者に適応させるのが難しい。)

問題5.得られたデータから患者の状況を捉え、患者がこれからどのような経過を辿っていくのか要因と要因、原因と要因との関係性を理解することが困難に感じる。

 ではQマト3ステップトレーニングを使ってこれらの問題を解決していきましょう。(わかりやすくするために以下に記したQマト3ステップトレーニングを再確認してから問題が解決する理由をご覧ください。)

Qマトリックスを使ったトレーニング方法

ステップ1.テーマを〇〇のアセスメントにする。
ステップ2.〇〇のアセスメントに必要なブロックの質問を選択する。
ステップ3.その質問に対しての答え(根拠)を探してアセスメントを書く。

問題1.「膨大な情報の中で、どこまでデータが必要なのかと情報収集におけるデータの見極めに困難を感じる。」がQマト3ステップトレーニングで解決する理由:
 情報収集を行う場合、テーマを「患者と患者の疾患」として、質問は「過去や現在の質問」を選択します。そうすると質問に対する答えが「患者と患者の疾患に必要な情報」になります。質問に対して得たデータが必要な情報となるため、それ以上のデータは不要です。このためどこまでデータが必要なのかとデータを見極める必要がなくなります。

問題2.「収集した情報を意味づけることに困難を感じる。さらに、その収集したデータから掘り下げてデータを収集することができない。データの優先順位がわからない。」がQマト3ステップトレーニングで解決する理由:
 問題1.と同様の方法で情報収集を進めると質問に対する答えが「患者と患者の疾患に必要な情報」になります。これにより自然と「患者と患者の疾患」に意味づけされた情報を集める事ができます。また、収集された情報に対する質問が生まれれば、それに関連する情報を集めます。つまり収集されたデータから掘り下げたデータを収集する事ができるようになります。

問題3.「収集した情報を分析することや解釈することが難しい。」がQマト3ステップトレーニングで解決する理由:
 テーマを「〇〇のアセスメント」にして、質問は「現在、意図、予測、可能性」を選択します。これにより「現在の状態の評価、疾患の変化の予測、今後起こり得る可能性」についての答え(根拠)を探してアセスメントを書く事ができます。自分の中にある様々な考えを質問によって整理できるのでアセスメントを書くのが容易になります。また、複数の質問を使用する事で収集した情報の分析や解釈を多角的な視点で書けるようになります。

問題4.「個別性を見出しながら考えるアセスメントを理解できていない、苦手意識を感じる。(一般的なアセスメントを受け持ち患者に適応させるのが難しい。)」がQマト3ステップトレーニングで解決する理由:
 問題1~3にあるようにQマト3ステップトレーニングを使う事で、その患者や患者に必要な情報や答え(根拠)を集める事になるためそれらの中に個別性が含まれる形になります。個別性が含まれた情報や答え(根拠)から個別性のあるアセスメントを書く事ができるため、個別性を見出しながらアセスメントを考えるような事はなくなります。むしろ、ここで必要になるのはアセスメントを書く定型文(テンプレート)になるでしょう。

※定型文(テンプレート)に関しては以下の記事を参照
-看護実習のすべてがわかる!-なんでなんだの看護過程ガイドブック-第2章アセスメント(評価)

症状別アセスメント一覧【検索用】-各アセスメント-アセスメントの定型文

問題5.「得られたデータから患者の状況を捉え、患者がこれからどのような経過を辿っていくのか要因と要因、原因と要因との関係性を理解することが困難に感じる。」がQマト3ステップトレーニングで解決する理由:
 問題3の回答と同様にテーマを「〇〇のアセスメント」にして、質問は「現在、意図、予測、可能性」を選択します。これにより「現在の状態の評価、疾患の変化の予測、今後起こり得る可能性」についての答え(根拠)を探してアセスメントを書く事ができます。予測、可能性にある「なにが起こり得るの?」や「なんでそうなる可能性があるの?」の質問により要因と要因、原因と要因との関係性が整理された答えを書く事ができます。

適切な質問を選択できるのか?問題

 このようにテーマを決めて適切な質問をする事によって必要な情報が集まり、さらなる質問が生まれる事でアセスメントに対する分析力と創造力が高まる+様々な視点から考える事で自然と整理された個別性のあるアセスメントを書ける事がわかりましたね。(+本来のトレーニングの目的のメタ認知力もアップする事でしょう!)しかし、ここで必要な情報や答え(根拠)を得るための適切な質問を間違える事なく選択できるのか?という問題が発生します。それぞれの情報収集やアセスメントに対して適切なテーマと質問を選択できなければ、適切なアセスメントを書く事はできません。
 この問題を解決するために、私は臨床の場面で前の記事で紹介したQマトリックス表をそのまま使ってどのような結果になるのか検証を行いました。結果、(長年の経験があるため)適切なテーマ選択はできても適切な質問選びには膨大な時間がかかってしまい、より質の高いアセスメントは書けるものの、時間がかかりすぎて効率良く書く事はできませんでした。そこで、この度私たちの誰もが効率良くアセスメントを行えるようになるために、アセスメントに特化したなんで式Qマトリックス表を作成しました!(どうぞご自由にお使いください。)

なんで式Qマトリックス

 次の記事からはQマト3ステップトレーニングを使ったアセスメントを行う際、どのタイミングでどのようなテーマが良いのか、どのような質問が適切であるのかをなんで式Qマトリックス表を活用して「情報収集、アセスメント、看護診断、看護計画の評価」の順番にお話します。

この記事のまとめ

●Qマト3ステップトレーニングの手順
 ステップ1.テーマを〇〇のアセスメントにする。
 ステップ2.〇〇のアセスメントに必要なブロックの質問を選択する。
 ステップ3.その質問に対しての答え(根拠)を探してアセスメントを書く。
●Qマト3ステップトレーニングを使ってテーマを決めて適切な質問をする事によって必要な情報が集まり、さらなる質問が生まれる事でアセスメントに対する分析力と創造力が高まる+様々な視点から考える事で自然と整理された個別性のあるアセスメントを書ける。
●Qマト3ステップトレーニングを使う際、適切なテーマと質問を選択できなければ、適切なアセスメントを書く事はできない。
●アセスメントに特化したなんで式Qマトリックス表を作成した(自由に使ってね!)

参考文献

1.看護学生の看護過程におけるアセスメントの現状と困難 -臨床推論としての考え方の特徴-

なんで式Qマトリックス表をPDFでダウンロードする

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※すらすら書ける!なんでなんだの最高のアセスメントのつくりかた④は以上になります。
 以下、メンバーシップ追加のため有料設定となっていますが続きはありません。

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