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実家をIT化せよ(3日目) 〜親の移住と、家族の記録#07〜

いよいよ千秋楽。実家IT化プロジェクト3デイズは最終日を迎えた。
やや詰めこみ気味で教えてしまった感はあるが、母はなんとかついてきているので、もうひとがんばりだ。

午前中は、これまでの復習。ログイン、ニュース閲覧、物件サイトのチェックを一通りやってみる。まだすべてを覚え切れていないので、操作に迷ったり時間がかかったりするが、辛抱強く見守り、必要な時は横から助け船を出す。広告を消そうとして逆に大きく表示してしまったり、元のサイトに戻れなくなってしまったり、思わぬ事態になると慌てて焦ってしまうようなので、落ち着いて対応すれば大丈夫だと繰り返し言い続ける。教えるこちら側にも胆力が必要だ。

お昼前には、この日のテーマ「メール送受信」までなんとかたどりついた。ケータイも持ったことがない母にとっては、メール通信も未知の領域、新たな概念との遭遇だ。まず私のスマホから母のアドレスにメールを送り、それに返信してもらうことで、メール通信の仕組みを理解してもらった。
メッセージが一瞬で届くことに関心しつつも、何を書くのかはピンと来ていない様子だったが、後々もっと離れて暮らすことになった時には役立つはずなので、ここでマスターしておいてほしいと伝える。しばらくの間は、一日一回、短くてもいいので私宛にメールを送ってもらうことにした。なるべく毎日パソコンをさわって、とにかく慣れてもらうのが今は大事だ。

ひととおり教え終わり、実家IT化3デイズは全行程を終了した。正直、かなり疲れた。人に教えるってこんなにも大変なのか。。。
教わる母のほうも、初めてのことばかりで相当大変だったはずだが、よくがんばったと思う。疲れていないか心配だったが、移住物件探しという新しい目的を見つけたことで、前向きに取り組めたようだ。

次の週末にまた様子を見にくることにし、私は夕方前に実家を離れた。わからないことや困ったことがあればいつでも電話してねとは言ったものの、遠隔でどこまでサポートできるか不安もある。ちょこちょこ帰ることになるだろうな、と思いながら、帰りのバスに乗った。

バスに揺られながら、もし両親が移住して引っ越したら、この道を通ることもなくなるんだな、と思った。育った街とのつながりが無くなることを正直あまりさみしく感じなかったのは、私が薄情だからなのか、ここを離れてからそれだけ時間がたったからなのか。
「同級生だった○○ちゃんのお母さんに会ったわよ」的な、今の私にはまったく必要のない、どちらかというと鬱陶しい地元情報から解放されると思うと、むしろ清々する気さえした。
両親にとっても、移住はある意味、人生をリセットすることなのかもしれない。まったく新しい場所で、ふたりで暮らし始める。それを夢見て過ごす日々もまた、ふたりは一緒に楽しむのだろう。そのためのサポートはまだ始まったばかり。長期戦になることは覚悟の上だ。

実家IT化のスケジュール
1日目:パソコンにさわってみる、基本的な操作を覚える←終了
2日目:1日目の復習、インターネットを使ってみる←終了
3日目:1日目、2日目の復習、メール送受信をやってみる←終了

それにしても、三日間つきっきりは予想以上にヘビーだった。知識ゼロの相手に説明することがこんなに大変だとは・・・。
口を動かすのに疲れ、しばらくは人と会話したくないと思うくらいぐったりしてしまった。おつかれ、私。

このあとも、「両親のスマホデビュー」や「移住先の通信環境を整える」など、実家IT化への道はまだ続くことになるのですが、その話はまた追々。

さて、パソコンデビューした母が、私を驚かせたこととは?  次回で書きます。

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