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「かみかさ」

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小説「かみかさ」 傘を美容院に忘れてしまうところから始まる、恋愛未満小説。
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#傘の忘れ物

「かみかさ」第15話

「かみかさ」第15話

いのりが店に戻ると店は閉められて店内には誰もいなかった。
ガラス越しに、傘立てに、さされた傘を確認できた。
ガラスにも雨露が付き傘が遠退いていくように霞んでいた。

家に帰る途中に、また振り出した。
「今日は本当についてない。」
切ったばかりの髪はぐっしょり。
帰宅するとすぐお風呂に入った。

燈郎は、いのりが雨に濡れてるのではないか心配した。
「綺麗な黒髪に・・雨が・・・」

雨がいたずらをした

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「かみかさ」第1話

「かみかさ」第1話

[あらすじ]
いのりと燈郎が、憧れる美容室の店長の皆川ひかりが、体調不良によりお休みとなる。
髪を触られるのが苦手ないのりが、代わりに燈郎にカットしてもらった。いのりは動揺し美容院に傘を忘れてしまう事から始まる話。

その傘は遠い親戚の傘職人おじさんからもらった大事な傘。

二人は、すれ違がう事によって惹かれていってしまう。
燈郎はいのりの髪に傘をさしかける事ができるのか。

私は詩人なので、1話

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