個人を守るために必要な支援と対策 第3章:多様性の進まない社会 ③-1

 また、相互理解が進まないことで“この会社にとって自分とはどのような存在なのだろう?”という状態になった社員などを救済する制度も保護する法律もないため、企業に雇用責任を義務化している労働基準法を行使することは前提条件だが、社員のケアを出来る環境整備は今後の社会成長などにおいて重要な課題であり、これらを利用した不当解雇等が行われているのなら、早急に不当解雇を防ぐ、個人の新たな労働環境確保ための対策を打たないと個人の社会的価値が低下し、社会参加に繋がらなくなる可能性も否定出来ない。

 その他にも働く場所は企業などの組織だけではないため、個別の労働選択が自由に出来る「ジョブ型雇用」を導入すること、企業所属と個人活動を組み合わせる“マルチジョブ型雇用”を創設し、企業と個人のバランスを取ることで企業にとっては優良人材の確保や多角的視点からの企画・提案が可能になり、これまで展開していた商品を個人活動で得た体験や経験に基づいた疑問や改善点を導入することが可能となり、個人活動を容認することで本人の可能性を狭めることなくキャリアプランを進められるなど双方にメリットがある。

 ただ、これにはいくつもの課題がある。

 まず“所得税等の税金納付”の問題について考えてみたい。

 これは現在、企業(=会社)等の組織に所属している人は個人所得に対して発生する税金を組織が責任を持って納付するが、個人の場合は個人で申請をしなくてはいけない現状であるため、企業で働いている給与に対する納税と個人所得に対する納税を分けて申請や納税をしなくてはいけない。

 そのため、企業で働きながら個人で活動もしくは副業している人は総所得に対して“一括納付”ではなく、“分割納付”を求められている。

 その上、個人の分は随時申告ではなく期間申告であることから全ての領収書等を集めて、データとして保管しておかなくてはいけないという手間が発生する。

 現在はカード決済の場合は自動でデジタル領収書が発行される信販会社もあるが、個人事業主やフリーランスにとってはワンオペになるため、これらの経費を管理する人が別途必要になるなど起業などを検討していたとしても阻まれる壁になってしまう。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。