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【『PDCAサイクル』と『OODAループ』】

 皆さん、こんにちは。
よう。です。
 「PDCAとかすぐ言うやつの"P"はだいたいつまらない」
というキャッチコピーがちょっと前にバズりましたね。キャッチコピーなので強めな言葉を使っているとは思うんですが、"PDCA"というモデルに偏ったイメージを与えているなと思ったので今回はそんな話を。


▼『PDCA』って悪いの?

 まず、PDCAについて簡単な説明から。

 PDCAサイクルとは品質管理など業務管理における継続的な改善方法。
『Plan(計画)』→ 『Do(行動)』→ 『Check(確認)』→『 Act(改善)』

の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/PDCAサイクル

 多くの企業また組織はこのサイクルをいかに早く回すかに注力しています。
日頃から"PDCA"という言葉を使う、使われる方も多いのではないでしょうか。
 計画を立て実行し、新たな問題を発見(確認)、改善し、そしてまた新しい計画練る。
これら一連のプロセスはとても理にかなっています。
ですから、"PDCA"は有効なモデルの一つといえるでしょう。

 問題なのは、"PDCA"が現代の仕事、特に対人(営業など)においては適さない(効果が著しく落ちる)ことにあります。

 『Plan(計画)』→ 『Do(行動)』→ 『Check(確認)』→『 Act(改善)』という機械的な手法が日本企業に根付き、効果を発揮していたのは戦後における高度経済成長期の『工場的生産活動』においてだという点です。

 「ベルトコンベアにこれくらいの人材を配置して、このくらいのスピードで部品を流せば、これくらいの完成品が見込める。それを原価何割で売ると幾らの儲けがでて、それが日に何万個となるので月の売上がーー」
という『工場的生産活動』においてはその効果を発揮します。
"PDCA"を邪魔する外部要因がほとんど無いからです。機械は一定の能力を備えており、余程のことがない限りは変化・劣化しません。作業員に唯一無二の技術力を求めることもないでしょう。

 逆にいえば、外部要因がある仕事においては"PDCA"はとても脆い。それが対人です。
 素晴らしい計画を立てたとはいえ、上司の気まぐれでその計画はボツになるかもしれません。
 素晴らしい計画を100%実行する力があったとしも、人が人に営業する限り、お互いのちょっとした感情の起伏で結果が大きく違うこともあります。
 昨今の"コロナ禍"においては"市場"という大きな要因さえも変わってしまいました。

 もちろん外部要因全てを分析したうえで『Plan(計画)』を提案する人もいるでしょうが、それは現場では意味をなさない机上の空論に終わります。
 現代の私たちの仕事というのは決まりきった単純なものではなく、とても流動的なものに変わっているのです。

 "PDCA"という手法だけで解決しようとするのがそもそも無理なのです。 


▼"OODAループ"という新たなフレームワーク

 私は前職のテレアポ営業時代に上記のような考えを教えられていたため、営業成績が悪い時の改善方法というのがわかりませんでした。(これまで散々話した、『ネガティブ思考』『負のループ』『世界観の構築』などに囚われていました)

「では、人が人と関わる仕事をする限り、どのように自分(相手)を変えていけば良いのか」

という私の問いに上司は"OODA"の概念を教えてくれました。

【"OODA"とは(※とても簡単に伝えると)】

《Observe(観察)》
→《Orient(状況判断、方向づけ)》
→《Decide(意思決定)》
→《Act(行動)》

以上4つのステップを繰り返す(ループする)手法のことです。

 前項でも話したとおり、現代の私たちの働いている環境は刻一刻と状況が変化しており("VUCA"の時代「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」)、"PDCA"というモデルは効果的ではありません。

 "OODA"とは『経験』を背景に、物事を観察し、その場その場に応じた状況判断でどう行動するのが最善なのかを『直観』します。『直観』から意思決定を行い、行動に移します。
一連のプロセスは"PDCA"に比べて酷く曖昧で不完全に見えるかもしれません。
しかし、それは大きな誤りです。予測できない外部要因に対して最善の行動を取れるのは現場の人間だけなのです。現場の人間が積み重ねた『経験』から導かれる『直観』は"PDCA"の"P"と"D"よりも正確で早いのです。

 営業(対人)において、相手が今どんな感情なのか、なんて話せば会話が盛り上がるのかは当の本人(あなた)にしかわかりません。
事前準備は万端でも、実際のプレゼンでは想定外のことしか起こらないでしょう。そんな時にいちいち『"PDCA"サイクルを回そう』なんて考えるのは無意味ですし、不可能です。
自分のそれまで培った全てを総動員してその場に取り組むしかないことはあなたも私も知っています。

 "OODA"は『経験』をベースにしているため、おいそれと実践できるものではありません。日頃の積み重ねで自分の中の"OODA"を磨いていくことが大事になってきます。
 私たちが今現在直面している時代、仕事というのは"PDCA"と"OODA"の両方をそれぞれ適したシーン(商材や生産モデル)で使っていく必要があるのです。

 "OODA"については詳しく話すと長尺なため、ザックリとした説明になりました。より詳しく知りたい方はどれでもいいので書籍を一冊読むことをおすすめします。(沢山出てると思うので)
一応、私が前に読んだ書籍のリンクを貼っておきますので参考にしてみて下さい。

 今回もお読みいただきありがとうございました。
記事について(それ以外でも)質問・相談がありましたら気軽にコメント/メールいただければ何でも解答しますのでご利用ください。

 では、また次回。

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