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#小説

「働く」について考える。働くことは生きることだから。【BOOK HOTEL 定期マガジン「ホンスキ。」】

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本の物々交換ができる書店「ブックカフェ はるや」に行ってきた話

本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

人の目を惹きつけて離さない。雪下まゆさんの装丁が写しだす物語たち

ふと訪れた本屋で店内を見渡していると、自然と目が惹きつけられる、印象的な装丁に出会うことがあります。 色鮮やかな色彩で描かれているもの、タイトルが一際目立つように配置されているもの、かわいらしいイラストがデザインされているもの。 そんな多種多様な装丁がたくさん並ぶ本棚で、一見リアルに映るのに、どこかフィクションに生きる登場人物の内心を浮き彫りにしているような、不思議なイラスト。 小説の装丁だけでなく、広告やファッションなど、さまざまなアートワークを手がける作家・雪下まゆ

【原稿に向かうだけではいい小説は書けない】自分の作品に向き合い続ける覚悟とは(2013年2月号特集)

※本記事は2013年2月号に掲載された高野和明先生のインタビュー記事を再掲載したものです。 映像化できないことを小説に――高野先生はもともと映像業界で活躍されていたそうですが、制作の現場に入ったきっかけは?  実は映画監督を目指していて、高校卒業後、浪人時代に城戸賞(脚本の公募)に応募しました。運よく最終候補に残り、あるプロデューサーが岡本喜八監督を紹介してくれたんです。それで岡本監督に弟子入りし、映像の現場で仕事をするようになりました。 ――その後、海外の映画学校に

ベストセラー小説の舞台裏 ~編集者の仕事から得るビジネスのヒント~

編集者とは、本や雑誌の企画から出版までを取り仕切るいわばプロデューサー的な役割。 企画力や幅広い知識のみならず、作家との関係を築くコミュニケーション力も必要だ。 数々のヒット作を手がける編集者 篠原一朗氏の仕事から、ビジネスにも通じる編集の技術を学ぶ。 Text:Natsuko Sugawara Photograph:Keisuke Nakamura 本の世界を音楽、映像へと広げ世の中に物語を届ける編集者は作家を陰で支える〝伴走者〟 SEKAI NO OWARIのSao

会社員時代のスケジュールと小説家の日常を比べてみる

外資系企業からフリーランスへ専業作家になる前、僕はずっと外資系企業に勤めていました。働いている間は、本当に分単位で業務を行っていました。 当時はインドにいる人が上司で、僕は日本の宮崎支社長とある部門長を兼任しました。スタッフは500名はいたと思います。 海外を含め様々な部署からミーティングの要請があり、外部からも取材やインタビューがありました。海外のミーティングはあちらの時差に合わせる必要があったので、アジアのミーティングだとランチ、欧米だと夜間のテレビ会議も多かったです。

みんなが好きな「『百年の孤独』みたいな大河小説」ベスト10

 文庫化がたいへん話題になっている『百年の孤独』にちなみ、Twitterでこんなことを言ってみたら、ひと晩で100作を超える作品が集まってきて頭を抱えている。  もちろん反応があるのは嬉しいけど、ここまでとは思わなかった。どうしよう。せっかく皆さんが教えてくれたのに、私が見て「いいね」をつけて楽しむだけではもったいない気がする。  なので、リストアップして、数の多い順に並べることにした。  2024年6月30日の9時47分(ツイートした時間)から、7月1日の正午までの集計で

意外と奥が深い文章における 「、」 の使い方

「、」の使い方について半日以上考えた経験がある人はいるだろうか? そう、あの句読点の片割れである「、」だ。 自分はいま全くの未経験から「SF小説家」になるべく格闘している。 その中で自分の作品を書きつつ、そもそもの地力を上げるべく小説の学校に通っている。 その小説の学校で先日、面白い授業があった。 読点「、」の使い方についてみっちり2時間考える授業である。 句読点の歴史は思ったよりも短い。実は句読点は「輸入品」だ。 句読点が本格的に一般の日本人が使うようになったの

本の表紙で透明トレカを作ってみました

Xでこんな投稿を見かけました。 やばい。 めっちゃええやん。 やってみたい。 自分の担当作でこんなん欲しい。 … …… ほな、やってみるか!! そう思い立って、僕も作ってみることにしました。 ヒマなん?とか言わないでください。ヒマなんです。 ※※※ 書かれている通り「透明トレカ」で検索してみると、いろいろ出てきました。 オタ活グッズの一つで、アイドルなど推しの写真をトレカにするのだそうな。 いろんなサイトを参考に、準備を整えました。 といっても必要なものはこれだけ

「焦りや勘違いもあったけれど 時を経て楽になりました」山崎ナオコーラ(小説家、エッセイスト)|わたしの20代

 幼稚園の頃から人見知りだった私は、本だけが友達。だから「いつか本を書く人になりたい」と思っていました。国語はずっと得意でしたね。特に古文は、大学受験の勉強で、良い参考書と予備校の先生に出会ったこともあって、すごく成績が良かったんです。古文がなければ大学に入れなかったのではないでしょうか。  ただ、大学4年になるまで小説はまったく書いていませんでした。書き始めたきっかけは、源氏物語をテーマにした卒業論文です。これだけ長い文章が書けたから小説もいけるかもと思って書いたものが、

「作家の実力」を7パラメータにして分析した話

ご無沙汰です、または初めまして。外科医をやりつつ物書きをやっている中山祐次郎です。43歳と11ヶ月と25日くらいです。作家歴は7年くらい、代表作は「泣くな研修医」「俺たちは神じゃない」です。 最近、新しい本が出ました。私が書いたのは10分の1なんですが。 けっこうな話題作のようで、出版後6日くらいの本日2024/6/4、「重版決定です!」と編集者さんから連絡がありました。部数は全部秘密なんだって。 この本は、医者やりつつ(あるいはライセンスを持った状態で)作家をやってい

娘の部屋を作ったら、小説が読めるようになった話。

娘に「自分の部屋が欲しい」と言われ、はや1年以上。小学校低学年のうちはまだいいじゃないかと思い、じゃあ断捨離しよっか、自分で片付けられるようになったらね……みたいにのらりくらりとやりすごしていた。すると娘はちゃんと歴代のおもちゃを断捨離し、掃除のお手伝いもちょいちょいやるようになった。そして、ある日さらりとした口調で言ったのだ。 「ママはいつ約束を守るの?」 ええと!いま…じゃないけどもうすぐ! ついに一念発起して娘の部屋を作ることにした。今年の春休みの一大行事である。

傲慢と善良

小説を読みながら 咽び泣いたのは初めてかもしれない。 辻村深月さんの「傲慢と善良」という恋愛ミステリー小説を読み終え、読書感想文という名目でこのnoteの執筆をする。スマホで入力していくのに執筆だなんて小説家気取りで可笑しい。 すぐに感化されてしまう自分だからこそ、今感じる様々な気持ちを表現せずに終わってしまったら、きっと後々後悔してしまうから読み終えて直ぐにこのアプリを開いた。 「傲慢と善良」という1冊の本と出会った女の恋のエピソードと心の内をお楽しみ頂けたら幸いです

刈 谷 市 美 術 館 で 荒 井 良 二 さ ん 。 〜 前 編 〜

昨日は、ずーっと楽しみにしていたライブの日。 だけど、せっかく久しぶりに愛知県に行くのだから、どこか寄ろうかなあ、とライブがある場所辺りをGooglemapで検索していたら・・ 刈谷市美術館を発見。口コミもいい。そして今の展示が荒井良二さん。あ、いしいしんじさんの本の表紙(ぶらんこ乗り)描かれてた方かな。というかいろんなところで見るよ。好きな感じ。見に行こう、決まりー! という事で、予定より早く家を出て、名古屋へ。 電車の中では「今日のかたすみ」という本を読んでた。 図書館