高山 環

小説家 第12回ポプラ社小説新人賞 奨励賞受賞 / 著作「ふたりの余命 余命一年の君と…

高山 環

小説家 第12回ポプラ社小説新人賞 奨励賞受賞 / 著作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」(宝島社文庫) https://tkj.jp/book/?cd=TD047373 Amazon https://x.gd/Afn9R

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  • 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」について

    著者初の商業出版「ふたりの余命  余命一年の君と余命二年の僕」についての記事をまとめました。

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著作の紹介

本業は小説家 当サイトに訪問いただき、ありがとうございます。管理人の高山 環(たかやま かん)です。 本業は小説家で、宝島社文庫より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」を刊行し商業デビューを果たしています。 また、「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞をいただきました。 今は、次回作の刊行に向けて、鋭意努力しているところです。 このnoteでは、無名の新人作家である僕を知ってもらうために、小説に関するあれこれを投稿しています。 小説の書き方を教える技量はありませんが

    • 「から」が連なる

      推敲をしていて一番よく引っかかるのが、「から」が連なっていることです。僕の文筆力の低さが原因なのですが、日本語で「から」を使う場面が多すぎませんか? 「窓から空を見上げれば、雲間から太陽が見えていた」とか。英語でいう前置詞「From」ですね。 もちろん、「から」を回避することもできます。「窓外に広がる空に浮かぶ雲の隙間に太陽が顔をのぞかせていた」とか。でも、ちょっとまどろっこしいですよね。 「From」以外にも、語尾が「から」で終わる語句がいくつかあります。「だから」とか、

      • 小説は誰が何のために語っているのか

        子供の頃から小説を読んでいるときに、浮かんだ疑問が「小説って一体誰が何のために語っているんだろう」でした。 いわゆる小説の語り手問題です。この問題を論じるにはとても深くて学術的な能力が必要なので、ここでは子供の素朴な疑問から考えていきたいと思います。 疑問が生じた頃は、一人称と三人称の違いもよくわかっていませんでした。一人称の場合は、主に一人称視点の人が語っているので「誰が語っているのか」は分かりますが、子供の僕がよくわからなかったのは、その人が「何のために語っているの?」

        • 評価が低い作品を考察する

          僕が出版した小説の中で最も評価が低いのは「雪の愛した物語」です。Amazonのレビューで3.6、最も評価が高い「ふたりの余命」が4.3なので、0.7の差があります。 僕は結構好きですし、こういったコメントももらっているので、気に入ってくれた人もいると思います。 とは言え、レーティングを見ると、星3が多いですね。高評価の作品のレーティングは5と4がほとんどですので、可もなく不可もなくと感じた人が多かったのでしょう。 では、どうして評価が低いのか考えてみたいと思います。

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        • 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」について
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          ペンネームに半分後悔している

          なにやらペンネームが話題ですが、僕のペンネームは「高山 環」です。「たかやま かん」と読みます。このペンネームは、中学のときに考えて、ずっとそのまま使っています。長い付き合いです。 中学の頃に考えたので、どうしてこのペンネームをつけたのか成り立ちをよく覚えていないのですが、いくつかの意味を付与してつけた気がします。 ひとつは「富士山」。当時、なぜか富士山がすっごく好きで、晴れた日に富士山が見えるとテンションが上がりました。富士山を登るのも良いですが、登ってしまうと富士山が

          ペンネームに半分後悔している

          小説を書く人は小説を読む人より多い?

          感覚的な話ですが、小説を書く人は以前より増えている印象があります。 奨励賞をいただいた「ポプラ社小説新人賞」の応募総数を調べると、第3回が623作、第12回が1105作ですので、10年の間に2倍に増えています。 ひとつの賞の応募作品数だけをみても全体は分かりませんし、Web投稿が可能になったとか様々な理由がありそうですが、投稿サイトの隆盛を見ても、ここ10年で小説を書く人は増えているのではないでしょうか。 一方で、小説の販売数は落ちています。小説を売っている小規模の書店数も

          小説を書く人は小説を読む人より多い?

          小説家になるのに何年かかるのか

          小説家になる方法として、一番メジャーで多いのは新人賞を受賞してデビューすることでしょう。最近はラノベを中心に投稿サイトから書籍化されるケースも多いですが、いわゆる一般小説では新人賞からのデビューの方がまだ多いと思います。 「小説家になるのに平均何年かかるか」を調べるには、どこからどこまでを計測するかによります。中には「小学校の頃から小説を書いていました」という人もいるでしょうけど、それを調べるのは難しいので、新人賞に応募してから、何年で新人賞を受賞したかを調べたいと思います

          小説家になるのに何年かかるのか

          小説のブルーオーシャンを求めて

          小説を構想するときに、どういう人に向けて書くのか決めるようにしています。昔は、「自分が好きな小説を書く!」といきがっていましたが、書き続けているうちに「小説は読んでもらうもの」という価値観が強くなっていき、読者を意識するようになってきました。 読者を意識するとき、その読者はどれぐらいいるのかが気になります。例えば、職場の人間関係に疲れた読者を想定すると、かなり多くの人が存在していると思いますが、仕事は満足しているけど何か物足りない人生を送っている人となると、前者より数は少な

          小説のブルーオーシャンを求めて

          天才の共通点

          天才という言葉は才能だけで成功したみたいな意味のようで、あまり好きではないのですが、「ああ、この人は天才だ」と思える人が世の中にはいます。 最近では、野球の大谷翔平さんと将棋の藤井聡太さんですね。おふたりとも歴史を変えるほどの活躍をしています。もちろん、天性の才能だけではなく、才能を伸ばす努力をしたからですが、ふたりとも天才としか形容がないほどのものすごい結果を出し続けています。 おふたりに共通していることは、本当に好きなことに集中していることです。大谷翔平さんは野球に常

          天才の共通点

          推敲すればするほど小説が短くなっていく

          小説を完成させるために推敲を何度も行いますが、推敲をすればするほど本編が短くなっていきます、僕の場合。 色々な作家の体験を読むと、僕以外でも推敲をすると小説が短くなっていく人が多いようです。 短くなる理由のひとつは、文章が冗長だからです。初稿では勢いもあり、比喩や情景描写を思いつくままに書きつけていますが、読み返すと不要だったり、リズムが悪かったりしています。そういう文章は削った方がテンポが良くなります。 何度か推敲を繰り返していると、不要なシーンも見えてきます。物語の展

          推敲すればするほど小説が短くなっていく

          できるだけ短く書く

          小説の一文をなるべく短く書くようにしています。データが見つからなかったのでわかりませんが、感覚的には僕の小説を構成する文章は、他の人よりも短いと思います。 どうして短く書くようにしているかというと、僕の文章力の問題もありますが、長い文章は読むのに時間がかかり労力が要るからです。 上手い人が書く長文は味わい深く、いつまでも読んでいたくなりますが、そうではないと読むのが苦痛になってきます。 美しい長文ばかりを書ければ良いのですが、そうではないなら意味が通じやすい短文を重ねた方が読

          できるだけ短く書く

          「みんはや」の効用

          「みんはや」って知っていますか? 正式名称は「みんなで早押しクイズ」で、ネットで対戦する早押しクイズゲームです。対戦型クイズゲームではメジャーなんじゃないですかね。 以前はシンプルな画面だったのですが、数年前にリニューアルしてキャラゲーみたいなグラフィックに変わりましたが、中身は硬派な対戦ゲームのままです。 この「みんはや」を1日1回遊ぶようにしています。遊ぶ目的は主に気分転換なのですが、小説に役立つんじゃないかなと思っています。 遊ぶ言い訳っぽく聞こえるかもしれませんが、

          「みんはや」の効用

          自分を基準にする怖さ

          まったくなにもないところから創作するわけではなく、意識しているにしろしていないにしろ元ネタがあるはずです。 登場人物であれば、どこかで会った人、他の創作物で読んだ人を参考にしているはずです(ひとりではなく、複数の人が混じり合っている場合が多いと思います)。 もっとも作家に近い人物、自分を参考にすることもあります。自分丸ごとではなく、自分の一部を借用して登場人物に仕立て上げます。 自分を参考にするのは容易ですが、気をつける必要があると思っています。それは、自分を基準にしてしま

          自分を基準にする怖さ

          Amazonで紙の本を無料で出版する方法

          紙の本を出版できる! 自作の紙の本を出版することは、小説を書く人なら一度は描く夢でしょう。 新人賞を受賞して書籍化される道は長いですし、自費出版は費用がかかります。 Amazonでは、自著のペーパーバック(ソフトカバー)を出版するサービスを行っています。このサービスを用いると、誰でも無料で紙の本を出版できます。 サーバーにアップロードした作品に注文が入ると、Amazonがオンデマンドで紙の本を印刷・製本して配送してくれます。驚くことに、注文からわずか1日で1冊から発送

          Amazonで紙の本を無料で出版する方法

          今年の春ドラマと春アニメは合わせて101作品。物語が溢れ過ぎている理由

          4月から新しいドラマやアニメが、たくさんはじまっています。最近はこの数がとんでもなく多い印象です。印象だけではなく、事実らしく、調べると春ドラマは61作、春アニメは40作あるそうです。合計101作。4ヶ月に一度100作以上の物語がスタートしているわけです。 この春だけが特別ではなく、多作はここ数年の傾向です。さすがにこれらを全部観ている人はいないでしょう。 この101作全てに物語があります。小説や漫画の原作があるものもあれば、オリジナル脚本もあります。あまりに数が多いので、

          今年の春ドラマと春アニメは合わせて101作品。物語が溢れ過ぎている理由

          映画の予告編に憧れる

          映画の上映前に予告編が流れます。数分の間にその映画のストーリー、見どころが印象的なカットを重ねて上映されます。 TV CMだけではなく最近はYouTubeにもアップされるので、誰でも自由に予告編を鑑賞することができるようになりました。 予告編を観て、面白そうだから本編を観てみようと思うことも多いです。 小説にも映画の予告編みたいなものがあれば良いなと思います。 新しい小説を紹介する方法として、あらすじや書評、書き出しの公開が一般的だと思います。 どれも悪くはないのですが、映

          映画の予告編に憧れる