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「夏のピルグリム」

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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」が7月18日に刊行されます。著者初の単行本形式の小説です。 心の喪失を抱えた13歳の少女が日本各地を旅して、さまざま…
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自著の発売から1ヶ月が経って小説家が思うこと

「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作「夏のピルグリム」の発売から1ヶ月が経ちました。 おかげさまで、多くの方にお読みいただいたようで、多くの感想をいただきました。 いくつかのメディアで紹介していただきました。 まずは、ラジオ。 Yahoo!ニュース。 ダ・ヴィンチWeb。 ライブ配信もやりましたね。 書店に「夏のピルグリム」を何度か見に行きました。 サイズが大きい単行本は書店で目立ちますね。表紙も美しく、蛍光色の緑が光っていました。平積みや面陳列してくれているお店も多

「大人こそ読むべき小説」ダ・ヴィンチWebより

ダ・ヴィンチWebに拙作「夏のピルグリム」の記事が掲載されました。 とても丁寧に読み込んでいただいた素晴らしいレビューです。 こういうレビューを読むと、この作品を書いてよかったと思えます。少女の成長という、何度も取り上げられてきた物語をあえて書いたのは、どこかにいそうな少女の姿をリアルに描くことで、読んでいる人が一緒に成長を見守る気持ちになれると思ったからです。 元々、リアルの娘のために書いたことが影響しているのでしょう。 記事からもう1箇所引用します。 13歳だった娘

「夏のピルグリム」の好きなセリフ・言葉

「夏のピルグリム」発売から三週間が経過しました。幸い多くの方に読んでいただき、感想を書いてくれている方が増えています。ありがたいです。 周りの人の声や感想を読んで、好きだと言われたセリフや言葉をピックアップしてみたいと思います。 ネタバレはないつもりですが、少しでも内容を知りたくない人はスキップしてくださいませ。 6ページ「わたしには夢を持つ資格がない」主人公夏子が『夢を持たない』とプリントに書き込んだのちの独白です。ラストまでこの物語を貫く文章で、どうやったらこの文が読

雑誌「ダ・ヴィンチ」の思い出

ご存知の人が多いと思いますが、雑誌「ダ・ヴィンチ」は、KADOKAWA社が発行する書籍情報の月刊誌です。書籍に関する雑誌は他にもありますが、「ダ・ヴィンチ」はもっとも発行部数が多いんじゃないですかね(違ったらすいません)。 小説家を夢見ていた若い頃、「ダ・ヴィンチ」を食い入るように読んでいました。当時の誌面は今よりも小説に特化していた印象があります。インターネットがまだ普及していなかったので、どういう小説が売れているか、新刊の情報が掲載されている「ダ・ヴィンチ」はとても貴重

小説の冒頭は渋滞する

「できるだけ早く展開しろ」 小説の指南書に大体書かれている助言です。物語の展開を早めて、最初に読者をひきつけることが大事と説いています。 新人賞に応募する場合でも、サイトに投稿する場合でも、早めの展開は必須だと思います。世の中にはたくさんの物語があり、数多くの娯楽があります。冒頭がつまらなかったら、読者はすぐに別の娯楽へ移ってしまいます。 物語の展開を早めることは、簡単なようで意外と難しいです。物語の冒頭にはやるべきことがたくさんあります。登場人物の紹介、主役の特定、舞台設

すべての感想が力になる

多種多様な感想「夏のピルグリム」発売から2週間が経過しました。 順調に多くの方に本を手にとっていただけているようで、本当にありがとうございます。 読んだ方から、いくつか感想をいただきました。嬉しい限りです。作者にとって、小説の感想を読むことより嬉しいことはありません。 (当たり前ですが)いただいた感想は多種多様です。 書いているときから「夏のピルグリム」は多義性を含んだ物語になったと感じていて、人によって感想が異なる予感はしていました。 いくつかの感想をみてみたいですが、

推しの力、物語の力

オリンピックを観ていますか? 僕はミーハーなのでオリンピックやワールドカップのような大きなイベントは、かなり観ます。 サッカー好きなのでオリンピックでも日本代表の試合はすべて観ますし、(申し訳ないですが)普段は観ない柔道やスケートボードの種目も楽しく観ています。 何年もの厳しいトレーニングをこなし、技術を磨いてきた選手同士が競う姿は感動的です。正しいスポーツ観戦の見方かわかりませんが、選手の背景にある人間模様や家族の助けが透けて見えると、そこの物語性を見出し感動しちゃいます。

我が家には新聞とカレンダーしか文字がなかった

子供の頃、僕は新聞をよく読みました。僕が生まれるまで我が家には本が一冊もなく、新聞とカレンダーしか文字が書かれたものがありませんでした(学校に入ると、本を買ってもらえるようになりましたが)。 だからか、僕は文字に飢えていて、新聞を隅から隅まで食い入るように読んでいました。特に中学のときに小説を書こうと思っていたからは、できるだけ広い知識を取り込もうと、新聞のすべての記事を理解しようとしました。 毎日読んでいると、最初はよくわからなかった国際面や経済面の記事もなんとなく意味がわ

Yahoo!ニュースにて自著の小説が紹介されました

タイトルの通り、Yahoo!ニュースに、「夏のピルグリム」についての記事が掲載されました。 宮崎県の経済新聞「ひなた宮崎経済新聞」に取材いただいた記事です。小説家になった経緯、「夏のピルグリム」について話しています。 ぜひご覧になってくださいませ。 著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より発売中です。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら書店で手に取ってみてください。善い物語です!

新作発売から1週間過ぎて小説家が思うこと

初めての単行本形式の小説「夏のピルグリム」を刊行して、1週間が経ちました。自著が書店の店頭に並んでいる光景を見るのは2度目になりますが、やっぱりいいもんですねえ。中学の頃からの夢でしたからね。単行本だからサイズが大きいので、店内でも目立っていました。 多くの書店で平積み、しかも一番前方にディスプレイしてくれていて、嬉しい限り。蛍光色を含んだ黄色と緑の表紙が輝いて見えました。 みなさま、手にとっていただけたでしょうか? ぜひ表紙だけでも店頭でご覧になってくださいまし。 発売後

トークイベントで出たエモい話。見逃し視聴できます

昨夜のオンライントークイベントに参加いただき、ありがとうございます。本好きな人、小説家を目指す人、Kindleで出版している人に有益な情報をお伝えしたつもりですが、いかがでしたでしょうか。 見逃した方は、こちらから視聴することができます。 ポプラ社森さんの流暢なMCで配信はスタートしました。 まずは、僕が小説家を目指す経緯について話をさせていただきました。 中学の頃、歴史小説が好きになり、自分でも書きたくなったこと、書いた小説を隣の女の子が面白いと読んでくれて、簡易な本を作

失われた数千の物語

娘とのお話「お話聞かせて」 娘がまだ小さかった頃、寝る前に毎晩お話をねだられました。 「3つのお題を決めてください」 僕がそう言うと、娘はうーんと考えて、3つの言葉をあげます。例えば、「ウサギ」「ひまわり」「自転車」とか。全く関連がない言葉を娘は選びます。 すると、3つのお題を使ったお話を僕は考えます。考える時間は3分ぐらい。 「お話ができました。目を瞑って、横になって、パパのお話を頭に思い浮かべてください。目を開けたり、喋ったりすると、そのお話は永遠に失われてしまいます」

芸人の人生は小説によく合う

今月刊行された「夏のピルグリム」には、芸人さんが登場します。具体的に言うと、漫才師です。 子供の頃からお笑いが好きで、今でもたくさんのお笑い番組やYouTubeを観ます。特にブレイク直前の漫才師が好きで、彼ら(彼女ら)が自分の予想通りに売れてくると嬉しくなります。最近では、千鳥、かまいたち、令和ロマンに注目していました。みんな有名になっちゃいましたねえ。 まあ、僕が知っていた時点で、千鳥やかまいたちは大阪では人気になっていたのですが。 若くして売れた令和ロマンは別にして、千

ラジオで「すずめの戸締り」に似ていると放送されました

7月18日刊行「夏のピルグリム」がラジオでとりあげられました。 FM802「SUPERFINE SUNDAY」内の「モーニングストーリー」(7月21日放送)で、DJの浅井博章さんが、おすすめの本として紹介してくれました。FM802といえば、大阪では誰もが知っているFMラジオ局ですよね。 オンタイムでは聞けませんでしたが、radikoでタイムフリー聴取しました(便利な世の中ですね)。 10時45分から10時55分ぐらいまで、しっかり紹介していただきました。本を読んだ人の感想