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「大人こそ読むべき小説」ダ・ヴィンチWebより

ダ・ヴィンチWebに拙作「夏のピルグリム」の記事が掲載されました。
とても丁寧に読み込んでいただいた素晴らしいレビューです。

大人に無条件に反発するわけでもなく、冷めた視線で大人を見ていて、孤独に怯えてはいるが、13歳なりに打算的な夏子。そんな彼女の性格や心情がとてもリアルだからこそ、人の優しさに触れて少しずつ変わっていく夏子の姿が胸を打つ。

「ダ・ヴィンチWeb」より

こういうレビューを読むと、この作品を書いてよかったと思えます。少女の成長という、何度も取り上げられてきた物語をあえて書いたのは、どこかにいそうな少女の姿をリアルに描くことで、読んでいる人が一緒に成長を見守る気持ちになれると思ったからです。
元々、リアルの娘のために書いたことが影響しているのでしょう。

記事からもう1箇所引用します。

しかし本作は、大人こそ読むべき小説だとも思う。本作で印象的なのは、登場する大人たちも、悩みながら、自分の将来や夢を思い描いていることだ。幼い子を持つ20代のシングルマザーから夏子の祖母まで、それぞれの世代が、喪失や挫折を経て「自分はこの先どう生きるか」に真剣に向き合っていて、その振る舞いや言葉で夏子に夢についてのヒントを与える。

「ダ・ヴィンチWeb」より

13歳だった娘に向けて書いた物語ですが、大人も楽しめると思って書きました。
過激な表現や難しい言葉はなるべく使わずに、大人向けの小説を子供でも読める表現に落とし込んだといってよいかもしれません。
旅で出会う大人たちは、主人公の夏子を成長させる装置として存在するのではなく、それぞれの過去を背負い生きています。そんな彼らと一緒に過ごすことで、読んでいる人がなにかしら感じてもらえればと思って書きました。
そのような作者の意図を認めてもらえた気がして、嬉しいです。
夏のピルグリム」を読んだ人も、まだ読んでいない人も、記事を読んで新しい発見があるかもしれません。ぜひ、レビュー記事を読んでみてください。

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