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すべての感想が力になる


多種多様な感想

夏のピルグリム」発売から2週間が経過しました。
順調に多くの方に本を手にとっていただけているようで、本当にありがとうございます。
読んだ方から、いくつか感想をいただきました。嬉しい限りです。作者にとって、小説の感想を読むことより嬉しいことはありません。

(当たり前ですが)いただいた感想は多種多様です。
書いているときから「夏のピルグリム」は多義性を含んだ物語になったと感じていて、人によって感想が異なる予感はしていました。
いくつかの感想をみてみたいですが、直接リンクを貼るのもなんだか申し訳ないので、いくつかのパターンに分類してご紹介したいと思います。

自分の過去を思い起こす

夏のピルグリム」を読んで、過去の自分を思い出したという感想を多くいただきました。僕が読んだ中では一番多かったような。
中学生の夏子たちが人に出会い、成長する姿を見て、自分が経験した過去や知り合った恩人を想起して、若い頃の新鮮な気持ちが蘇り、また頑張ろうと気持ちを新たにする方がいました。
この感想はある程度予想していました。夏子たちのひと夏の冒険を一緒に体験することで、大人は若い頃の自分を懐かしく思い返してくれるのではと意図したところはあります。

過去の罪に涙する

主人公である夏子が抱えている罪の重さに涙する感想をいただきました。ラストは穏やかに読み終わって欲しかったので、そこまで泣かせる仕掛けにはしていないのですが、自分の過去と照らし合わせて夏子の辛さに涙する人がいたようです。
「毒親」や「虐待」の話にはしたくはなかったので、夏子の試練はそこまで辛辣な描写にしていませんが、実体験がある方には辛い記憶を思い起こすものなのかもしれませんね。

夢について

「夢を持たない自分を肯定された気がした」という感想をもらいました。
「将来の夢」は、「夏のピルグリム」のひとつのテーマです。子供の頃、大人から「将来の夢は?」「将来は何になるの?」と言われ続けて、夢は絶対に持たないといけないのか疑問に思ったものです。
中学生になった娘が、なにを目標にするか悩んでいる様子を見て、夢には様々なものがある、夢を持たない人生にもたくさんの素晴らしいものが待っていることを伝えたい思いがありました。
「何者にもなれなかった自分」「何も持てなかった自分」を嘆く人を肯定したい気持ちで「夏のピルグリム」を書いたので、そのような感想をもらえたのは嬉しいことです。

人の数だけ感想がある

当たり前ですが、人によって感想は異なります。どんな感想でも肯定できるし、作者としては嬉しいです。たとえ批判であっても、全く見当違いな感想でも、「こういう読み方ができるんだ」とわかるので、楽しく読めます。
本を読んだら、ぜひ一言でも感想を作者に伝えてあげてください。
その一言が作者を成長させ、また新しい作品を書くモチベーションになります。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より発売中です。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら書店で手に取ってみてください。善い物語です!





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