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二冊目の小説の発売前に作家ができること

7月18日刊行の「夏のピルグリム」は、僕にとって二冊目の商業出版による小説です。
二冊目だから余裕だぜ、なんてことはなく、「手に取ってもらえるかな」「面白いと思ってもらえるか」心配は尽きません。

でも、責了してから作家ができることは驚くほど少ないです。サイン本やサイン色紙、オンライントークイベントの準備はできますが、それによってどこまで多くの人にリーチできるかわかりません。
本を手に取ってもらうためには、多くの人に本を知ってもらうことが必要です。知らなければ、本に触れることも、書店へ行くこともありませんから。
だから、少しでも本に興味を持ってもらおうと、毎日このnoteに記事を更新し続けています。
おかげさまで、noteを読んでくれる人はかなり増えてきました。

手に取って読んでもらえれば、きっと喜んでもらえると確信しています。
そこまで言えるのは、内容に自信があるからです。奨励賞を受賞してから一年半の間、後悔しないように全力を尽くして改稿し、善い物語ができたと思います。
夏のピルグリム」は、家庭や学校に絶望した少女、夏子が目的地に向かって旅をしながら、さまざまな場所で様々な人に出会い、少しずつ回復して未来へ目が向くまでの物語です。
彼女の姿は、多くの人の心を温め、日常生活に一筋の明るい光を射してくれるはずです。
その物語をKUさんの素敵なイラストと装丁が包み込んでくれています。
帯のコメントは、「かがみの孤城」などの代表作がある原恵一監督に書いていただきました。

原恵一監督の帯コメント

できるなら、買ってくれた人全員にお礼を言いたい気持ちです。だって、僕が作った物語にお金を払ってくれたわけですから。
夏のピルグリム」の定価は、1,700円。ぶっちゃけ、高いですよね。少なくても僕にとって1,700円は貴重です。様々なものが値上がりした現在では仕方がないのですが。
でも、1,700円の価値はあると思います。284ページのボリューム、数時間、人によっては数日楽しめて、読了後も飾っておくことも読み返すこともできます。

それでも、やっぱり高いと感じる人はいると思います。図書館にも多分おいてもらえると思いますので、借りることもできるはずです。
図書館で本を借りても、読んだ感想が広まれば、感想を読んだ人が「夏のピルグリム」に興味をもち、その中の何人かが本屋さんに足を運び、本屋さんの売り上げに繋がるかもしれません。
そうした行動が出版文化の維持に微力ながら貢献すると信じています。

売り上げだけじゃなく、すごく大きな話をすると社会にも好影響があるんじゃないとまで妄想しています。いろいろとままならないことが多いご時世ですが、善い物語が世の中に多く広まることで、世界が少しだけ良くなるんじゃないかと夢想します。

手に取ってお読みになったら、ぜひ感想を教えてください。SNSでも、このnoteのコメントでも、本に同封されているアンケートハガキでも構いません。一言でも結構です。
感想をいただけると励みになりますし、勉強にもなります。
感想を読んだ人が本を手に取り、その人の心がまた動き、新たな感想が生まれる。その積み重ねが、本のある生活を豊かにすると思っています。
よろしくお願いします。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より発売中です。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら書店で手に取ってみてください。善い物語です!


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