見出し画像

童話を書く理由

いくつか童話を書いたことがあります。
Amazon Kindleでは、「鏡の中の猫」と「少年と木」を出版しています(期間限定の無料キャンペーン中で、誰でも0円で読むことができます。7/19現在)。

「童話」といっていますが、子供のためだけの本ということはありません。「児童文学」というのもちょっと堅いですよね。「寓話」という言葉もありますが、ちょっと説教めいた感じもするので、やっぱりここでは「童話」と呼ぶことにします。

童話を書くようになったのは、妻の影響です。彼女と知り合う前、僕はいわゆる文学青年というやつで、純文学系の小説をよく読んでいました。
彼女は絵本や童話が好きで、いくつか紹介してくれました。今でも当時のことを揶揄されますが、「星の王子さま」を手渡されて「えっ? 子供が読む本だよね」と言ったそうです。
ですが、読みはじめてすぐに驚きました。これは本物の物語だ、いやこれほど完璧な物語を読んだことがないと衝撃を受けました。
読者の目を釘付けにする導入部、美しくも示唆的な星巡り、物語の閉じかた。すべてが完璧でした。
今でも「影響を受けた本なんですか?」と問われれば、「星の王子さま」と答えることが多いです。
それ以来、童話と児童文学の魅力に取り憑かれて、宮澤賢治、ミヒャエル・エンデ、梨木香歩さんなど多くの作品を読みました。
童話は子供がわかるシンプルな言葉だけを用いて、ストーリーもわかりやすいです。そのわかりやすさを追求すると、物語は示唆的になり、寓話的にもなります。
それが僕にとっては、とても面白く、そういった物語を考えてみたくなり、自分でもいくつかの童話を書いてみました。
それが、「鏡の中の猫」と「少年と木」です。
鏡の中の猫」を読めば、宮澤賢治の影響を強く受けているのがすぐにわかると思います。

ちょっと、ネタバレになりますが、「夏のピルグリム」には童話が挿入されます。いわゆる作中作品というやつです。
全体からするとわずかなボリュームですが、本編と一緒に楽しんでもらえたらと思います。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より発売中です。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら書店で手に取ってみてください。善い物語です!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?