中山祐次郎

外科医、作家。 1980年生。高校卒業後2浪を経て、鹿児島→東京→福島→京都→福島で医…

中山祐次郎

外科医、作家。 1980年生。高校卒業後2浪を経て、鹿児島→東京→福島→京都→福島で医者。 資格は外科専門医、無線アマチュア3級、Tポイントカード会員。ねこ好きのねこアレルギー。小説「泣くな研修医」「逃げるな新人外科医」。ヤフーニュース、日経ビジネス等で連載。

マガジン

  • 連載「医者の本音 出版までの道」中山祐次郎

    本の執筆依頼から出版までの道のり、全てをほぼリアルタイムでお伝えする連載です。 編集者との出会いから、原稿の執筆、そして実際の出版までポジショントークなしでガンガン書きます。この業界の変なところも、お金の話も。 本を出したい方、筆者のみなさん、編集者のみなさん、出版社のみなさん。どうぞご笑覧ください。

最近の記事

手術と小説の共通点から考える、上手い作家になる方法

こんにちは、中山祐次郎です。外科医やりつつ小説を書いています。 毎日手術をしている。簡単な手術、難しい手術、短い手術、長い手術。いろいろある。 毎日執筆をしている。簡単な執筆・・・はほとんどない。エッセイは僕にとっては簡単なんだけど、いま連載はしていないしな。医療記事もまったく書いていない。書いているのは小説だけ。短くても長くても、どちらも難しい。 そんな手術と小説の共通点を考えてみた。どちらも現役で同時にやっている人はあんまりいないだろうから、誰の参考にもならなさそうな

    • 梨狩りに行った。ぶどう狩りのつもりで行ったのだが、農家さんは「まだ甘くない、明日かあさってからだ」と。一日くらいいいですから取らせて、と言うもガンとして受け付けない。「同じ値段を取るなら少しでも美味しいものをあげたい」プロだ。じゃあちょっと負けてくれ、とは言わなかった。

      • シリーズものをうまく続けるコツとは? 秋谷りんこ先生との会食で

        みなさんこんにちは、中山祐次郎です。外科医、作家やっております。 先日、「ナースの卯月に視えるもの」で話題沸騰の秋谷りんこ先生とお会いしました。横浜で。 ごく小規模にサクッと、というつもりだったのですが、いろいろとお気遣いをいただいた結果、(文藝春秋社の偉い人二人と秋谷さん) v.s. (幻冬舎の偉い人二人と中山)の6人で食事というなんとも大きな会になりまして。 6人となると、全員が一つの話題で話す上限の人数だと思います。ですが、みなさんに大変なお気遣いをいただいき、秋

        • 本が出る前日の激しい後悔

          明日かあさって本が出る。 3年にわたり鹿児島県のローカル紙、南日本新聞に連載したエッセイ。それに、息子への手紙、というスタイルで教訓めいたことを加筆した本だ。 自分で言うのもなんだが面白い。 売れるエッセイは2種類しかなくて、 「超有名人が日々を綴ったもの」「超有名人でないふつうの人がとんでもない経験を綴ったもの」 しかない。 たまに、どちらも入る反則のものもある。死ぬほど売れている、さくらももこさんのエッセイ「もものかんづめ」なんかは、国民的アニメの作者が、しかも「

        手術と小説の共通点から考える、上手い作家になる方法

        • 梨狩りに行った。ぶどう狩りのつもりで行ったのだが、農家さんは「まだ甘くない、明日かあさってからだ」と。一日くらいいいですから取らせて、と言うもガンとして受け付けない。「同じ値段を取るなら少しでも美味しいものをあげたい」プロだ。じゃあちょっと負けてくれ、とは言わなかった。

        • シリーズものをうまく続けるコツとは? 秋谷りんこ先生との会食で

        • 本が出る前日の激しい後悔

        マガジン

        • 連載「医者の本音 出版までの道」中山祐次郎
          11本

        記事

          小説を書くのがつらい、書かないのもつらい

          先日誕生日を迎え、44歳になった。よく皆が言うことだが、自分が44歳になるなんてまったく想定していなかったし、本当になるとは夢にも思っていなかった。 だが人は生きている限り歳をとる。33歳になり、44歳になり、僕は11年後には55歳になる。33歳になれなかったあの外科同期を思えば、44歳になれなかったあの人を思えば、贅沢なことである。 44歳という年齢が持つイメージは、どんなものだろう。26歳のころ、僕は医者になった。そのまま外科医として18年続けているだろうな、とはなんと

          小説を書くのがつらい、書かないのもつらい

          「作家の実力」を7パラメータにして分析した話

          ご無沙汰です、または初めまして。外科医をやりつつ物書きをやっている中山祐次郎です。43歳と11ヶ月と25日くらいです。作家歴は7年くらい、代表作は「泣くな研修医」「俺たちは神じゃない」です。 最近、新しい本が出ました。私が書いたのは10分の1なんですが。 けっこうな話題作のようで、出版後6日くらいの本日2024/6/4、「重版決定です!」と編集者さんから連絡がありました。部数は全部秘密なんだって。 この本は、医者やりつつ(あるいはライセンスを持った状態で)作家をやってい

          「作家の実力」を7パラメータにして分析した話

          衝撃の誤植 第109回 月刊中山祐次郎

          皆さんこんにちは、医師・作家の中山祐次郎です。 前回に私の新刊「俺たちは神じゃない」の話をしたのですが、今回は衝撃のミスをご報告したいと思います。 先日、こんなツイートをしました。 まあ、針の大きさを軽く5倍にして表記してしまったという・・・なんともお粗末なミスをしてしまいました。 これをツイートした30分後くらいにすぐ編集者の青木さんからメールが来て、対応をしてくださいました。 その結果、電子版はすぐ17ミリに修正することになりましたが・・・ 本は…もう印刷ずみ

          衝撃の誤植 第109回 月刊中山祐次郎

          あたらしい小説がついにできたが… 第108回 月刊中山祐次郎

          みなさんこんにちは、中山祐次郎です。 しばらく更新をサボってしまっており、今回は続けての配信になります。申し訳ありません。 5月30日、あたらしい小説がついに出版になります。 こんな奴になりました。 俺たちは神じゃない―麻布中央病院外科―(新潮文庫) 中山祐次郎 なんとまあ、初めて編集者さんに声をかけていただいてから出版まで足掛け三年。よくもお付き合いいただいたものです。ありがとうございます。 新潮社の青木さんという、50歳代のいかにも本好きといったオジサマが当時住ん

          あたらしい小説がついにできたが… 第108回 月刊中山祐次郎

          泣くな研修医 誕生秘話 第107回 月刊中山祐次郎

          みなさんこんにちは、中山祐次郎です。この月刊中山祐次郎、大変あいだが空いてしまいました。申し訳ありません。 私生活、仕事でどちらも大きなことがいくつかあり、書く精神的余裕がありませんでした。 今回は連載している「南日本新聞」から、許可を得ての転載です。 先日、私の小説「泣くな研修医」シリーズの最新巻「やめるな外科医 泣くな研修医4」が出版された。県内で大変なご好評をいただいていると出版社からうかがった。そこで今回は、御礼の意味をこめて「泣くな研修医」の打ち明け話を差し上

          泣くな研修医 誕生秘話 第107回 月刊中山祐次郎

          小さい仕事を丁寧にやったら 第106回 月刊中山祐次郎

          引っ越し、移住から半年足らずが経ちました。街は春の足音で賑わい、と言いたいところですがこちら神奈川はコロナが蔓延しています。毎日6,000人の感染というニュースにも驚かなくなってきました。 転職して5ヶ月あまり、ようやくスタッフの皆さんの顔と名前を覚え、だんだん仲が良くなってきました。飲み会に行かないでも、ある程度の人間関係は作れるものですね。 手術のほうは幸い大きなトラブルもなく、安定して執刀や指導をしています。だいたい週に1,2件は大腸癌の手術をし、週に1件は鼡径ヘルニ

          小さい仕事を丁寧にやったら 第106回 月刊中山祐次郎

          黒伊佐錦、下通り、パンティー 第105回 月刊中山祐次郎

          いつもご購読いただきありがとうございます。中山祐次郎です。 今回は私が連載している南日本新聞(鹿児島県のローカル紙です)から、許可を得て転載いたします。ついに、ずっと引っ張っていた医師国家試験が終わります笑 *** 「それではここで、解答をやめて下さい」2007年2月19日。大きな体の試験官の太い声で、ついに3日間にわたる医師国家試験が終わった。500問、合計16時間と15分。僕は心も体も芯からくたびれていた。この試験のために半年の間、毎日16時間ほど勉強をし続けてきた。

          黒伊佐錦、下通り、パンティー 第105回 月刊中山祐次郎

          小説のタイトルに悩む 第104回 月刊中山祐次郎

          2021年という年は、ずいぶんたくさん小説を書いた年でした。 今思い返せば、0歳児の育児をやりつつ、自分としてはけっこうちゃんと参加し、家事は手伝いレベルですがやっていた中でどう時間を捻出したのか思い出せません。 病院で空いた時間に書いたり、移動中に頭の中で考えていそいで携帯にメモしたり、なんだか無理にやっていたように思います。職場の人間関係が良くなかったことで、やや仕事を干され気味(いやそんなことないか?)だったのもあるかもしれませんが。 その結果、この4月と6月に小説

          小説のタイトルに悩む 第104回 月刊中山祐次郎

          間違えてはいけない問題 第103回 月刊中山祐次郎

          皆様、ご無沙汰してしまっております。このところコロナ関連で医者業が異常に忙しく、またコロナによる保育園休園で家庭内保育などしておりましてまったく書く余裕がありませんでした。申し訳ありません。 今回は私が連載している南日本新聞のエッセイを、許可を得て転載致します。今回は前回・前々回に続いて、医師国家試験の試験中の話ですよ。 2007年2月17日。医師国家試験1日目、夕刻。26歳の僕は鹿児島大学医学部の同級生とともに試験会場である熊本県の崇城大学にいた。医師国家試験は「必修問

          間違えてはいけない問題 第103回 月刊中山祐次郎

          医師国家試験におけるカンニングの誘惑 第102回 月刊中山祐次郎

          皆さんこんにちは、医師・作家の中山祐次郎です。 今回は私が連載している南日本新聞のエッセイを、許可を得て転載致します。今回は前回に続いて、医師国家試験の試験中の話ですよ。 朝の文箱 中山祐次郎 2007年2月17日。ついに6年間の医学生時代の集大成である、医師国家試験が始まった。熊本県熊本市の崇城大学に集められたのは鹿児島大学と熊本大学の医学生、約200名。5人がけの長い机に、一人分あいだを開けて着席する。教室の前のホワイトボードには、「受験地 北海道 宮城県 東京都・

          医師国家試験におけるカンニングの誘惑 第102回 月刊中山祐次郎

          医師国家試験を受けたときの話 第101回 月刊中山祐次郎

          皆さんこんにちは、医師・作家の中山祐次郎です。 今回は私が連載している南日本新聞のエッセイを、許可を得て転載致します。今回はね、医師国家試験を受けたときの話ですよ。 朝の文箱 中山祐次郎 2007年2月。とうとうあの試験がやってきた。医師国家試験だ。受験者数は全国で約1万人、合格者は9千人。国内の医学部に合格し、進級し、卒業試験に合格した者だけが受験できるこの試験、千人は不合格になる。日本国家から「医師になってはならない」と言われるのだ。落ちた者は一年後に再受験をする

          医師国家試験を受けたときの話 第101回 月刊中山祐次郎

          どう生きるか 第100回 月刊中山祐次郎

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          どう生きるか 第100回 月刊中山祐次郎