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会社員時代のスケジュールと小説家の日常を比べてみる


外資系企業からフリーランスへ

専業作家になる前、僕はずっと外資系企業に勤めていました。働いている間は、本当に分単位で業務を行っていました。
当時はインドにいる人が上司で、僕は日本の宮崎支社長とある部門長を兼任しました。スタッフは500名はいたと思います。
海外を含め様々な部署からミーティングの要請があり、外部からも取材やインタビューがありました。海外のミーティングはあちらの時差に合わせる必要があったので、アジアのミーティングだとランチ、欧米だと夜間のテレビ会議も多かったです。
自分ではとても処理できず、スケジュール管理はすべて秘書の人がやってくれていました。
当時の僕は、毎日のスケジュールをいっぱいにするように秘書の方にお願いしていました。スケジュールを隈なく埋めることが時間を効率よく使う方法だと考えていました。

守れないスケジュール

会社を辞めてから、毎日の暮らしは一変しました。予定はほとんどなくなり、もちろん秘書さんもいません。
最初は戸惑いました。今まではスケジュール通りに働いていればよかったのが、いつなにをしたら良いかわからなくなってしまいました。

退職当初は小説の執筆をスケジュールで管理していました。朝起きたらnoteを投稿して、午前中は執筆、午後はプロットや読書を予定として組み込みました。
ところが、他人とミーティングするのと自宅でひとり仕事をするのとではまったく勝手が違っていました。自己管理ができずに寝坊することもあるし、予定外の作業が発生することもあって、スケジュール通りに作業することができない日もありました。

スケジュールからタスクへ

そこで、スケジュール管理を辞めて、タスク管理に変更しました。一日に行なうことをiPhoneのリマインダーに落とし込みました。時間帯を決めずに、1分でもとにかく毎日必ずその作業をすることだけを定めました。
小説に関することばかりではなく、筋トレやランニング、家事や日記など、とにかくやるべきことはすべてタスク作成しました。

スケジュールからタスクへ

タスクにしてわかったのは、スケジュールは受け身で、タスクはポジティブなことです。スケジュールは、決められた予定のまま、その場所へ行くことが多かったのですが、タスクは自ら作業をして終わったらチェックを入れていきます。
そのチェックがとても大事で、自らチェックを入れることで、小さなことですが成果した実感があります。
小説の執筆は完成するまでかなり時間がかかるし、基本的に孤独な作業です。毎日たくさんのチェックを入れ続けることで、貯金箱にコインを入れていくように実績が溜まっていき、タスクをこなしたことが自信にも繋がります。

まとめ

スケジュール管理が良いのかタスクが良いのかは、仕事の種類によるでしょう。小説家の仕事はスケジュールよりもタスク管理が良いように思います。
フリーランスでも人と会うことが多い職種だとスケジュールで管理した方が現実的でしょう。
ミーティングなど絶対にその時間にやらないといけないことはスケジュールで、その日にやらないといけないことはタスクに落とし込むのが良いと思います。

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