元酒屋さん

かつて酒屋に勤めていた男。業界は離れたがお酒を恋しく思う気持ちは変わらない。日々、学ん…

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かつて酒屋に勤めていた男。業界は離れたがお酒を恋しく思う気持ちは変わらない。日々、学んだことや体験したことを書き連ねていく。いろいろ飲み過ぎて何が一番好きなのかわからなくなってきた。

最近の記事

ビールの水質飲み比べをやってみた

先日ビールの水質飲み比べをやってみたらかなり面白かったので、それについて書こうと思います。 水質の違いはかなり繊細で、自分の持っていたビールと水にまつわる知識にはズレがあったんだなぁと考えさせらました。 ビールの水質とは?まず、そもそもビールの水質ってなんのことでしょうか? 簡単に言うと、水に含まれるミネラル量が多いか少ないかということです。 ミネラルとは具体的に言うとカルシウムやマグネシウムなどの無機物のことです。これらが多く含まれた水は硬水、少なければ軟水と呼ばれます

    • サッポロラガーに感じたぶどうの香り

      大手メーカーの製造するビールにぶどうの香りを感じた話。 タイトルのままだが、この前サッポロラガーの中瓶を飲んだ時にとてもフレッシュでフルーティーな香りを感じた。具体的にはぶどう。もっと詳細にはマスカットの様な香り。 この時、実はかなり酔っぱらっていた記憶がある。 1軒目の居酒屋で日本酒を約3合くらい飲んで完全にハイになった状態で2件目のしょっぺえ居酒屋に入店。そこでサッポロ赤星を注文。 そこで感じたこのマスカットの香りに思わず良いが醒めた。 「ん?大手ラガーでこんな香り

      • おフランスの日本酒を飲んで思った、日本酒のすごいところ

        先日、フランス産の日本酒を飲んだ。 海外の日本酒を飲んだのはこれが初体験。 アメリカやフランスでは日本酒造りにチャレンジする人が増えていることは前々から聞いていたが、なかなか飲める機会が無かった。そんな中でようやく飲むことができた海外の日本酒は、意外にもしっくりくるものだった。 ということで今回飲んだフランスの日本酒についてのレビュー的なものと、それを飲んで考えた日本酒のことについて書いていきたいと思う。 飲んだ日本酒は「昇涙酒造」という蔵の3アイテム。 酒蔵については

        • 私の知っている酸味の種類の話

          酸味には種類がある。 それは知っているようで意外と知らないことかもしれない。 お酒の世界ではテイスティングの際に酸味の表現は欠かせない。特にワインの主要な味わいの特徴は酸味だと私は思っているし、最近だと酸味が強いタイプのビールや日本酒も増えてきている。 酸味の種類を捉えることは、「つくり」を知ることになるとともにテイスティングの表現の幅を広げることにもなると思っている。 というわけで今回は酸味の種類について私の得た知識から話をしてみようと思う。成分の話を細かく突き詰めれば

        ビールの水質飲み比べをやってみた

          イギリスのエールを最近好きになった話

          先日(とはいえ2月だが)、リアルエールのイベントに参加してきた。東京の某有名店の催し物で、20種類近いリアルエールを飲むことのできる狂ったようなイベントだった。 それまでまともにリアルエールを飲んだことが無かった私だが、そのイベントをきっかけにイギリスのエールが好きになってしまった。 昨今のクラフトビールビールの流行は、間違いなくアメリカンスタイルの流行と言うことができるであろう。 もちろんホッピーなビールが最高であることに対する反論の余地はないのだが、イギリスのエールもわ

          イギリスのエールを最近好きになった話

          金色のビールはどのようにして生まれた?

          いまでこそビールと言えばピルスナーが主流だ。 ピルスナーとは、日本のキリン、アサヒなどの大手メーカーの看板商品のをイメージしてもらえばわかりやすい。黄金色で炭酸がシュワっとした切れ味の良いビールのことだ。 このピルスナーは19世紀中頃にチェコで生まれたのだが、発売当時は相当な衝撃がビール業界に走ったそうだ。なんといってもその特徴は色である。 それまでのビールは濃色のタイプのエールが主流であったため、ピルスナーの黄金色には多くの人が魅了されたらしい。 ガラスの大量生産が可能に

          金色のビールはどのようにして生まれた?

          ビールはかつて水代わりに飲まれていたという話を深掘りしてみた

          日本に住む現代のわれわれは蛇口を捻れば清潔で美味しい水を飲むことができる。 これは世界でも恵まれた環境であることは間違いない。 ここで調べたら水道水をそのまま飲める国は15か国しかないらしい。 清潔な水の確保というのは大昔から人類にとっての課題であった。 その課題に対する対策として、はるか昔のヨーロッパではビールでの水分補給が行われていたようだ。 「めっちゃ汗かいたからビールで水分補給するぜ!!」 みたいな感じで水分補給することは現代では御法度だとされている。アルコールの

          ビールはかつて水代わりに飲まれていたという話を深掘りしてみた

          敬語を使わないタクシー運ちゃんから学んだ怒りのマネジメント方法

          昨日乗ったタクシーの運転手さんが敬語を使わないタイプの人だった。 目的地を聞いてくるときは 「どこ行けばいいの?」 言葉が聞き取れずに聞き返してくるときは 「あぁん?」 清算のときはただ金額を言うだけ。 単純に腹が立った。今まで乗ったタクシーの中で一番気分が悪かった。 苛立ちは感じていたが、こちらは運転手にはあくまで敬語で応対した。 しかしふと思う。 なぜ敬語を使われないとイラっとしてしまうのか。 接客業なんだから敬語を使って当たり前。と言われればそれでおしまいなのだが

          敬語を使わないタクシー運ちゃんから学んだ怒りのマネジメント方法

          賞味期限1年前のちょっと特殊なクラフトビールを飲んだら化けていた

          面白いものを飲んだ。 チリだと思ったらベルギーだった。って感じです。 今日は何のビールを飲もうかなと思い、冷蔵庫を物色。 すると、いつも視界には入っていたが避けていた瓶に何故か今日は手が伸びた。 それが「イリーガル」。 チリ産のクラフトビールとチリ産のソービニヨンブラン種の白ワインをブレンドし、瓶内二次発酵させた特殊なビール。(正直ビールなのかワインなのか不明。ちなみに区分は発泡酒。) https://www.arcane.co.jp/news/20170417/ そん

          賞味期限1年前のちょっと特殊なクラフトビールを飲んだら化けていた

          芋焼酎のライチ香は腐った芋から出る

          先日、宮崎焼酎の展示会に参加してきた時の話。 私「最近フルーティーな芋焼酎が流行ってますよね。あれって酵母由来の香りですか?」 ブースの方「うーん、そうとも言い切れませんね。ライチの香りってあるじゃないですか?あれは芋を腐らせたときに出る香りなんですよ~」 私「...芋を腐らせるんですか?」 こんなことがあった。 最近フルーティーな香りのする焼酎が巷で流行っている。 サワーやハイボール人気にあやかって、焼酎もソーダで飲もうよ的な流れがきているようだ。 本格焼酎のソー

          芋焼酎のライチ香は腐った芋から出る

          酸味が苦手な人が多いという話

          今日、取引先のフレンチのお店からこんなお話を聞いた。 「カベルネは良く出るんだけどピノノワールの出がそんなによくない。試飲させてから注文を取ることも多いんだけど、やっぱりカベルネが好きな人が多いみたい。」 ワインの注文が偏っているらしい。 ちなみにここのお店はしっかりしたフレンチだが、来店されるお客様はあまりワインに詳くない人がほとんどだそうだ。(地方都市ってこんなもんですかね?) というわけで、世間一般的にはワインの酸味が割と苦手だったりするのかな?という仮説ができた。

          酸味が苦手な人が多いという話

          初投稿

          こんにちは。 酒屋をやっている熊倉と申します。 今回が初投稿となります。 今後は業務用酒販店の営業として働く私の日記的なものや考え、大好きなビールやその他お酒のことについてなにか書いていこうと思います。 今日は風邪気味でしたがビールを2本ほど飲みました。 アメリカのものとイギリスのもので、どちらも流行りのホップがビンビンに効いているやつではなく、伝統的なタイプのものです。最近なんだかこういったトラディショナルなタイプのものが疲れた時に効くんですよね。 ちなみにビア