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芋焼酎のライチ香は腐った芋から出る

先日、宮崎焼酎の展示会に参加してきた時の話。

私「最近フルーティーな芋焼酎が流行ってますよね。あれって酵母由来の香りですか?」

ブースの方「うーん、そうとも言い切れませんね。ライチの香りってあるじゃないですか?あれは芋を腐らせたときに出る香りなんですよ~」

私「...芋を腐らせるんですか?」

こんなことがあった。


最近フルーティーな香りのする焼酎が巷で流行っている。
サワーやハイボール人気にあやかって、焼酎もソーダで飲もうよ的な流れがきているようだ。
本格焼酎のソーダ割は確かに美味しいと思う。
それも特に香りがしっかりと立っているもの。

麦焼酎なら樽熟成のもの。ソーダで割ると軽めのハイボールのような味わいが楽しめる。凝ったものだとシェリー樽熟成のものもあって面白い。
芋焼酎ならフルーティーな香りのもの。例を挙げれば、オレンジ・バナナ・メロン・ライチなんかがある。このフルーティーさが今回のテーマにも関係している。

特に「だいやめ」でよく知られるライチ香。
それの正体は冒頭で紹介したように、原料の芋を腐らせることによって生まれた香りのようだ。

腐らせる、という表現を使ったあのブース担当の方はあえてこのワードをチョイスしたのだろうか?
どう考えても熟成って言ったほうが良い気がする...

なにはともあれ
芋焼酎に使われる芋は基本的に新鮮なものをすぐに加工して使うらしい。腐敗によるオフフレーバーの発生を防ぐためだそうだ。
しかし、芋を熟成(追熟)することによってデンプンがショ糖に変化するとともに、あのライチの香りが現れることを発見したそうな。
厳密にいうと、オフフレーバーとされていた香りが良い香りになっちゃった、ということらしい。
ちなみに、芋の熟成には13度前後の室温キープと85%前後の高い湿度が必要なようだ。

熟成と腐敗は紙一重とはよく言ったものだ。
肉は腐りかけが一番うまいという人もいるんだけど、そういうのと同じ原理なのかもしれない。

というわけで、熟成にはまだまだいろんなパターンがあって奥が深いんだなと思った。
おやすみなさい。

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