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酸味が苦手な人が多いという話

今日、取引先のフレンチのお店からこんなお話を聞いた。

「カベルネは良く出るんだけどピノノワールの出がそんなによくない。試飲させてから注文を取ることも多いんだけど、やっぱりカベルネが好きな人が多いみたい。」

ワインの注文が偏っているらしい。
ちなみにここのお店はしっかりしたフレンチだが、来店されるお客様はあまりワインに詳くない人がほとんどだそうだ。(地方都市ってこんなもんですかね?)
というわけで、世間一般的にはワインの酸味が割と苦手だったりするのかな?という仮説ができた。

みなさん聞いたことあるぶどう品種かもしれないですが一応。
カベルネとはカベルネソーヴィニヨンのことで、しっかりしたボディと渋味、スパイスや青々した香りだったり黒いベリーっぽい香りがする品種である。
ピノノワールは逆におしとやかできれいな酸味があって、赤いベリーやお花だったり皮製品のような香りがある。

前者がボルドー、後者がブルゴーニュを代表する銘柄って感じだ。

ちなみに私はどっちが好きかと言われたら、最近はカベルネが好きです。
とはいえボルドー産のじゃなくて、ジャムっぽい甘さと樽が効いたアメリカ産のと、いわゆるピーマン香と言われる青臭さが特徴のチリ産のカベルネが気になっています。

話を戻しますと
私も含め、酸味よりも甘味だったり渋味のほうが日本人は好きなのかなと思いました。

よく考えると、日本の伝統食に酸っぱいものって少ない気がする。
やたら酸っぱいものといったら梅干しくらい?
ポン酢は酸っぱいけどなんか違う気がするし
酢の物は酸っぱいけど出汁効いてるから強烈ではない

食文化的に酸味があまり得意じゃない民族なんじゃないかなっていうのはなんとなく予想が付く。
特にお酒に関して言えば、新潟の日本酒は淡麗辛口が今なお幅を利かせていて、少しでも酸度の高いお酒を出したら驚かれる。そしていつものきれいなお酒に戻ってしまう。
あと、寒い地方の郷土料理は塩分濃度が高いものが多い。だから食事とお酒の関係も相乗効果を生み出す...というよりかはお酒で料理の味を洗い流す飲み方が根づいているのかもしれない。

こんな背景があるから、あのフレンチに来るお客さんは比較的酸の穏やかなカベルネを選ぶ人が多いのだろうか。
その辺は個人の嗜好の話だからとやかく言うつもりはないが、なんだか張り合いの無さを感じて勝手に虚しくなってしまう。

とはいえお酒とは自由な飲み物だ。
私はカベルネ派とは言ったが、ピノノワールももっと勉強として飲みたいし、白ワインならソービニヨンブランのビンビンに刺してくるあの感じが好きだ。
ビールだとランビックとかレッドエール見かけると飲んじゃうし。(特にレッドエールは珍しいから飲んじゃう)

酸味にも種類はたくさんある。
リンゴ酸・乳酸・クエン酸・酢酸
それぞれ特性が全くもって違うからこの辺がわかるとぐっと面白くなる。

ワインに今自分が興味を持っているのはこの酸味の種類を知ったことがきっかけだ。
酸っぱさを楽しんでいきましょうよ、今日はそんなことを思いながら晩酌をしました。(飲んだのはアメリカンIPAでしたが)

おやすみなさい。


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