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2024年2月の記事一覧

自分が童話になった男 -太宰治の不思議さ【エッセイ#53】

自分が童話になった男 -太宰治の不思議さ【エッセイ#53】

太宰治は、現在、日本の文学史上最も人気のある作家の一人ですが、改めて読むと、意外と複雑というか、捉えどころのない作家だと思っています。

太宰の作品の特徴は、一言で言うと、「どんな題材でも童話になってしまう」ことです。

ここで言う童話とは、子供向けの教訓話という意味ではありません(流石に子供に読ませるのを躊躇う内容でしょう)。リアルからほんのちょっと浮いた、自分を投影できる世界のフォーマット

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「積ん読」を晒そうと数えたら89冊あったので、いったん全て紹介します。

「積ん読」を晒そうと数えたら89冊あったので、いったん全て紹介します。

本を年間130冊ほど読むこと早数年。読むペースよりも面白そうな本が出るペースが早くて、どんどん積ん読が増えている。特に単行本の増え方が異常。

よく読むのは、歴史、社会学、哲学、社会思想あたりの本と、海外文学、ミステリ。あと心理学や認知科学、進化論の話とかもすき。

わたしにとって本とは、小説や文学は非日常を味わせてくれる人生のスパイスだし、学術書や実用書はわたしのちっぽけな脳にはとても詰め込めき

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【企画】芥川龍之介『妙な話』全文にツッコミを入れてみた 一周目【ネタバレあり】

【企画】芥川龍之介『妙な話』全文にツッコミを入れてみた 一周目【ネタバレあり】

この企画および本稿タイトルは、noruniru様のフォーマットを拝借し作文したものです。

※本文は『芥川龍之介著作集 第四巻』(岩波書店)を適宜参照しつつ、一部読みやすいよう手をいれながら、原則青空文庫より引用しています。

※※以下、本作品の重要なネタバレを含みます。その旨ご了解の上、続きをお読ください。



主人公は「私」ということね、しかし旧友なのに「村上」て名字で呼ぶのか、よそよそし

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