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同調圧力に苦しまないために知っておくといいこと (私的いじめのメカニズムと同調圧力との関係の解釈)

日本は同調圧力が強いといわれているが人種のサラダボウルと言われているアメリカも日本と大して変わらないそうだ。ただ違うのは一人ひとりが声を上げているということ。海外のニュースを見るとデモに参加する人々の多いこと。日本ではなかなかあの規模はないだろうしましてやニュースで取り上げられることもないだろう。アメリカでは同調圧力と自己主張が拮抗しているゆえに日本に比べたら~ということだろう。


同調圧力のメリット


ここで一つ言いたいのは適度な同調圧力にはメリットがあるということだ。

・自分がコミュニティに属しているという安心感が得られる
・コミュニティにおいて信頼関係が生まれる

また、日本でのコロナ自粛が世界で称賛を浴びていたりというのはやはり同調圧力が良い意味で働いたことによるものだろう。(文化的な集団意識)

同調圧力に苦しんでいる人が意識しておくといいこと

タイトルの内容に入るが同調圧力に苦しんでいる人に必要なのは「頼まれなかったらやらなくてもいい、もちろんやってもいい。頼まれたらやればいい」という考え方だろう。そして同調圧力に苦しんでいる人は自分が同調圧力を生み出している当事者になっている可能性があることを念頭に置くと良いだろう。自分が同調圧力に屈して残業をすればそれが自然と伝播し最悪の場合チーム全体が残業をしなくてはならないということになってしまうということもある。コミュニティに所属しているといえどあくまで自分は自分、他人は他人だ。自分が死んでもコミュニティの人たち全員が自分の葬式に来るわけではないし(来る人中には同調圧力で来る人もいるかもしれない)自分も同じコミュニティの人たち全員の葬式に行くわけでもない。この考え方はきっと自分が苦しくなったとき、また孤独を感じた時に少なくとも気休めになると思う。

いじめの実態(いじめの正体は空気ではない)

いじめは同調圧力の中で生まれる。だがいじめというのは言い換えれば自己防衛だ。加害者は自分の居場所がないことに傷つかないように、周りは自分が標的にされて傷つかないように、被害者は自分が我慢することで周りに迷惑をかけないように(もしくは助けを求めることで自分に対して惨めさを感じてしまうなど)。こう書いてみるといじめは同調圧力というよりも各々が「自分は間違っていない」「傷つきたくない」という自己主張ともとれるかもしれない。コミュニティの中でいじめを正当化するケースなんてまさに「自分たち間違っていない」という安心を欲するがゆえだろう。村社会や村八分の名残がいじめにつながっているという文献も多くあるがSNSやコロナによる心身のつながりの希薄化や競争社会による社会的分断が起こっているこのご時世に村社会の名残などもはや残っていないように私には思われる。

いじめの本当に怖いところはいじめられている本人が「いじめられているのは良くないこと、恥ずかしいこと」だと思ってしまうことだろう。カウンセリングに相談することはおかしいこと。周りと違う子だと思われてしまう。同調圧力の怖さはそこにある。苦しいと言いたい、しかし言ってしまえば自分が弱い人間だと認めてしまう、それに周りに迷惑をかけてしまうというジレンマに押しつぶされる。内外両面からのストレスに耐えられなくなった先にあるのが「消えて楽になりたい」だ。

いじめに対抗できるのは加害者に対し被害者側のパワーバランスが大きいことであろう。もちろん誰かひとりが被害者を庇うというのは得策ではない。その人物のステータスが特別高かったりめちゃくちゃ喧嘩が強いなど個人でコミュニティ全体のパワーバランスを変えるほどではないと状況は改善されない。そしてこれは被害者の力ではどうにもならないことなのだ。

私的いじめの根本的な解決方法


私がいじめが起きないための根本的な解決方法(あくまでも対症療法ではなく原因療法)は「自分の内面を言語化する」、「疲れた心やストレスをケアする方法を習得し日頃から行う」、そして「周りに正しく自己主張ができるようになること」だろう。結局いじめやパワハラ、セクハラの原因は言語化が下手だからだ。空気を読む能力ばかりを許容されるゆえ我々には言語化する力が不十分なのだ。自己主張は相手を攻撃することだという認識を子供たち含め多くの人に改めてもらう必要がある。文部科学省がいじめに対する対策を取っているがいじめを行うのはその空間にいる人たちなのだ。第三者がそのコミュニティを24時間監視し彼らの人間関係や生活状況、心理状況を把握するなど不可能だと私は思う。また、いくら指導しようとそれだけではやはり不十分だと感じてしまう。もちろん私が提案した内容は十分条件ではないかもしれないが必要条件だと考えている。学問は人生を豊かにするうえで大切ではあるがもっと別に子供たちに教えるべきことは山ほどあるであろうに。

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