水道橋の町、スペインのセゴビア
京都の琵琶湖疏水、水路閣に行ったおかげで、久しぶりに、スペインで見た水道橋を思い出したので、過去の旅の思い出を写真とともに。
2年目のカミーノ旅を終えて、アストルガからマドリードまでバスで戻る予定だったが、マドリまで戻る前に、どこかに寄り道して帰ろうかなと思いついて、あれこれとGoogle Mapを見ていた。
すると、アストルガとマドリードのルート上に気になる場所を見つけたのでそこに寄ってみるか、と思いつきで寄ることにした。
アストルガのバス停でどうやって行ったらいいのか調べて、ALSAのバスをValladolidで乗り継いで5時間弱かけてやってきたのがセゴビアという町。
大きな水道橋がある町だということを地球の歩き方で見て把握はしていたが、バスを降りてびっくり。
ドドドン。
バスターミナル前に思いっきりローマの水道橋。
「Acueducto?」とやたらとスペイン人にそこへ行きたいのかと聞かれてはいたが何のことだか分かっていなかった。ここがこれか。
まさに水道橋という意味のスペイン語で、ここにドドドンといらっしゃるのが「Acueducto Romano」だった。
天気は相変わらず悪く土砂降りが降ったりやんだりの空模様だったが、曇り空がなおさら圧倒的な迫力を増しているような気がする。
この水道橋のすぐ横にバルがあってテラス席があったりするのがいかにもヨーロッパな趣。
この水道橋は古代ローマの紀元1世紀頃に造られたもので、スペインの水道橋としては最大級の全長は728m。高さが30m近くもある。
セゴビアの水道橋と旧市街とアルカサル城とセットで世界遺産である。
この橋の何がすごいって、セメントなどの接着剤的なものを一切使わずに石を完璧なバランスで積み上げているのである。あまりに凄すぎて悪魔が一日で作ったんちゃうかというよく分からん発想から悪魔橋とも呼ばれるらしい。
悪魔的な橋の夜の姿がこちら。
地震とかがないから大丈夫なんだろうか。
すごいです、古代ローマ人の技術(もしくはデーモン)。
大雨だったので宿のすぐそばの旧市街地内で適当に食べたり飲んだりした。
1泊しかしない予定なので、ベタなセゴビアの名物料理を食べたいと思って慌てて食べた代表的なものを2つ。
まずは、スイーツから。
セゴビアの伝統的なお菓子「ponche」ポンチェ。
表面がカリッと焼かれていて、中はしっとりしたカスタードとアーモンドのケーキ。これ、本当に美味しかった。
3ユーロだったので3個買って食べた。
そしてその次が、メインの伝統料理。
「cochinillo asado」コチニーリョ・アサド。
訳すと子豚(いやむしろ赤ちゃん豚)の丸焼き。
豚肉も大好き人間としては絶対食べたかった一品。
1人だったので丸焼きは食べられなかったので、カットして出してもらった。
皮がパリッとして身も柔らかく、スープなのかよく分からない汁もパンにつけて全ての液をお腹に入れてしまったくらいの美味。
セゴビアまで来ないとなかなか食べられないと思われる料理だったので、大満足だった。
食べたのは「El Sitio」というお店。
それ以外の名店は、丸焼きを大皿で出していて、予約が必要だったり、むちゃくちゃ高い値段設定だったが、「El Sitio」はお手頃な値段かつ一人で食べられるサイズのメニューがあったし、それ以外のタパスもおいしかったので、一人旅の人にはおすすめ。
この日はカミーノ旅の疲れと旅の別れでちょいとメンタルがおセンチだったことと長時間のバス移動も重なり、更に雨で体が冷えて風邪をひいてしまった。
なので、赤ちゃん豚を食べて赤ワインを飲んですぐに寝たのだが、翌朝たっぷり寝たら体も楽になり雨も上がっていた。
赤ちゃん豚のパワーのおかげかも知れないので感謝だブヒ。
水道橋以外の目玉として、ここには世界の名城25選に選ばれていて白雪姫のモデルにもなっているというアルカサル(城)がある。
翌日は、歩いてそっちの方まで向かってみた。
そしてまた予想外にびっくり。
思い切り改装中だった。
これじゃあ昨日の朝にアストルガで見たガウディ作の司教館の方がメルヘンで素晴らしかったぞ、どう見ても。
ここまで来て残念だったが、そもそも白雪姫とかディズニーの世界観は好きではなかったので(どちらかというとヘイト)、見れなくてもまあいいやと思うことにした。
それよりも、アルカサルのあたりは少し高台にあったのだが、小径を抜けた先の景色があまりにも素晴らしくて心を奪われた。
スペインのこういう道を散々何百キロも歩いてきても、いまだに心を奪われるこういう風景。
名も知らぬ場所で突然目の前に開けたこの景色で旅の終わりを感じることができた。
今日は本当に晴れて良かったと嬉しく思った。
ちなみにセゴビアのアルカサルは本当はこんな感じです。
割と(いやかなり)美しいお城だった。↓
最後にマドリードに戻るバスに乗るためにもう一度水道橋のある広場へ。
晴れたこの日は、昨日とは打って変わって、見える景色が変わっていた。
美しい。
セゴビアはたった24時間ほどの滞在で通り過ぎただけの町だったが、スペインの旅の最後に思いがけず立ち寄れて、とても思い出に残っている。
ちなみにセゴビアへは、マドリードからもバスで1時間ほどで来られる場所。
高速列車なら30分ほどで着くので、マドリードに飽きた人やマドリードIN・OUTでスペインに来る人にも強くお勧めしたい。
【マドリードからセゴビアへの行き方】
madrid moncloa駅のバス停からAVANZAのバスで1時間半程度でSegoviaに到着。
30分に1本くらいの本数で出ているし、乗り場は思いっきり「SEGOVIA」って書いてあるのでそんなに難しくない。
電車でセゴビアに行くと、セゴビア駅から水道橋までまたバスかタクシーに乗らないといけないけど、バスで行く場合はセゴビアの中心地に到着するし、おまけに安いのでおすすめ。
5ユーロ程度で行けます。
私はヨーロッパの移動は、omio.comで調べていつも電車かバスか飛行機でcheapest のものを選んでます。
ブラブラカーもおすすめ。
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