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那智の滝から熊野古道歩き

たんまり寝て早起きし、ちゃんとまぐろカツと弁当をチンして持参していた保温用のバッグに入れた。
勝浦から那智山までバスで向かう。
さあ、今日は歩くぞ。
まだ半分寝ている頭で一応覚悟を決める。


那智山には那智の滝と那智大社がある。
滝のところは飛瀧神社になっていて、歩き始める前にまずはここにご挨拶。軽くスプラッシュマウンテン的に飛沫を浴びておく。
縁起が良さそうである。
なんせ、滝の幅と落差が日本一なので、迫力がある。
この滝が昨日、勝浦の弁天島から見えたと思うと感慨深い。
滝のところまではかなり下るので、帰りの階段の登りでいつもくじけそうになる。
それからさらに那智大社までも20分くらい登っていかなければいけない。
ヒィヒィ言いながら登る。
こんなことで熊野古道を歩けるのか自信がなくなるし、いつも泣きそうなくらい階段がしんどい。

滝から30分後くらいにやっと到着。
三重塔と滝とかろうじて残っていた桜の木が、「THE 日本」な風景で良い。
京都とか有名な観光地と違って人が少ないが、正真正銘の日本の聖地。
早朝から独り占めさせてもらった。

ちなみに海外で外国人と日本について話す時、スマホで「JAPAN」の画像を検索すると、富士山の次くらいにこの場所の写真が出てきたりする。
「Shinto(神道)」や「Kumanokodo」というワードがヨーロピアンの友達から聞かされることも1度や2度ではなかった。(私のカミーノ仲間調べなのでもともとそういうことに興味がある人限定ではあるが。)


それから青岸渡寺でお参り。
青岸渡寺と那智大社。
お寺と神社がすぐ隣にある。
ここは、神も仏も区別することなく信仰していた神仏習合時代の名残りを感じられる貴重な場所である。
昔はこの寺と大社が渡り廊下で繋がっていたという話もある。
一応何となく真面目コーナー的に、神仏習合の説明を載せておくと…

・神仏習合
日本土着の神祇信仰(神道)と仏教信仰が融合し一つの信仰体系として再構成された宗教現象。
簡単に言うと、古来より日本にある「神道」という考え方と、インドで生まれた「仏教」が融合したものを「神仏習合」と言い、その名残で神社とお寺が一緒になってたり、隣り合わせに建ってたりする。

・神道では木や火、水など自然界に存在するもの全てに神が宿る「八百万の神様」を信仰し、死は穢れとして扱い、私の言葉でざっくり言うと、お参りする時に神様に対して二礼二拍手一礼するところ。

・仏教ではお釈迦様や如来、菩薩などのいわゆるお寺にある仏像が信仰対象で、死後の生まれ変わりを信じているので、お墓もあるし、ざっくり言うと、お参りする時は二礼二拍手一礼はしないで、仏様に合掌するところ。
wikipediaと私独自の解釈

(だいぶざっくりとした私の解釈を混ぜた説明なので、話半分で読んで、本気の人はちゃんとお調べください。)

そういう訳で、那智の滝も熊野川も自然崇拝で御神体として信仰されてきたようだ。
自然神的な意味合いを色濃く残しているから熊野古道が神聖なるものとなり、山と道と霊場、信仰も丸ごと全てを含めて世界遺産に認定されている。

そんなありがたい場所で、現世と来世のことを両方お願いしちゃおうかなと邪な煩悩がうずうず。
来世よりも現世に力を入れたいなぁ、ダイエット成功を祈ろうか、とかそんなどうでもいい考えをおさめて、とりあえず、熊野古道の旅の安全を祈願することにとどめた。

朝一番の参拝は人が少なくて、邪な私にすら静けさをもたらし、厳かな気持ちになれる。

こちらは青岸渡寺。お寺。
那智大社。神社。
那智大社の入り口のすぐ向こうに青岸渡寺が見える。
「Dragon」って、かつてのニコラスがそれを口にする時、なんか知らんけどめっちゃカッコいい言い方だったのを、龍を見るたび思い出す。
ドラゴンボールと比べ物にならないセクシーな言い方でした。余談。
紀伊の山々に囲まれている。ここまで登るだけでも大変。

さて、三重塔の手前から熊野古道へ至る道に入る。
本気の気合いスイッチオン。
いよいよここからである。

ウォーミングアップ的に緩い道を20分ほど歩くとすぐに那智高原公園に到着。
ここは桜が満開だったらさぞかし綺麗だったろうにという名残りの並木道を抜ける。
ハラハラと桜吹雪が舞うのを写真に収めたかったが難しく断念。
一本の大きな桜餅みたいな桜を見上げて春の空気を吸い込み、綺麗なトイレで小さい方を出して本格的に出発した。

森の中に入っていく。
ここからは聖域で、ガラッと空気が変わる。
今日の目的地の「小口」まで275分という標識を見つけたが、275を60で割ることが頭の中でできなかった。
まだ寝ぼけているらしい。
気が遠くなるから、60で割る計算が出来なくて良かった、と思って見逃して進む私であった。

続く…

花吹雪!



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