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帰るのを忘れてしまう最高の温泉、和歌山勝浦の「忘帰洞」へ
「あのなぁ、和歌山には帰るのを忘れるくらい最高の温泉があんねんぞ。」
と、和歌山の話になるたびに、私の親父がそう口にする。
日本中の地理が頭に入っているんじゃないかというくらい日本の名所をよく知っている私の親父。
親父の話を聞くたびに、どこでも詳しくて、日本に「行ったことない」という場所がないのではないかと子供ながらにいつも思っていた。
そんな日本の歴史と地理に詳しい親父が、「最高」と褒めちぎる温泉が那智勝浦にある。
あくまで親父好みなだけだが、私が初めて行った時も、ここは間違いなく唯一無二の温泉だとしびれた記憶。
そこへ、今回も久しぶりに立ち寄ることにした。
その温泉はホテル浦島にある。
ホテル浦島へは勝浦漁港から専用の船「浦島丸」に乗らないと行けない。
これがまたワクワク感アップに貢献している。
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浦島に到着。フロントで日帰り温泉の料金を支払う。以前は1000円だったように記憶しているが、1500円になっていた。
ものすごく広大な敷地なので、ホテル内もめちゃくちゃ歩く。床に色のついた線が引かれているからそれに従って進む。
それはそれは果てしない道のり。
ようやく到着。
そこは、大洞窟温泉「忘帰洞」。
入り口からもう洞窟は始まっている。
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お風呂の中は撮影できないのでホームページで見てほしいのだが、大きな洞窟の中の温泉で、海のすぐそばなのである。
平日の変な時間なので、入浴客は他に2人いただけだが、洞窟の露天風呂は広大で、各露天風呂を独り占めしているような状況。安心してお湯につかれた。
本当に天然の鍾乳洞のような洞窟で、開けた場所から海のパノラマが広がり、波音もすぐそこから聞こえる。見ていて飽きない。
本当に帰るのを忘れそうなくらい、ここにずっといたい気持ちになった。
が、こうしちゃいられない。
ここのホテル浦島は温泉が4つあるのだ。
城崎温泉の外湯めぐり並みに広い敷地に点在している4つの温泉を、できれば全て巡りたいところ。とは言え、一番の目玉の忘帰洞をショートケーキのイチゴのように最初に堪能してしまったから、気楽にサクッと巡ることにした。
滝の湯、磯の湯は普通の温泉だったのでカラスの行水で、トリはもう一つの洞窟温泉「玄武洞」。
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玄武洞の方が、忘帰洞よりも小さいのだが、方角が違うので見える景色が異なった。
ここの目玉は忘帰洞なので、玄武洞の方は誰一人入浴しておらず、独り占め!これは最高だった。
海岸が忘帰洞よりも近くて、波音がワイルドで迫力がある。波しぶきも飛んできそうな勢いである。こっちも帰るのを忘れそうなくらい、のんびりした。
誰1人いなかったはずなのに、風呂の外の波打ち際近くのところで、1人の女性が存在を消して、目を閉じて素っ裸でヴィパッサナー瞑想をしていたのに気づいて声が出そうになった。
手のひらを上に向けてあぐら姿で固まっていた。仏像かと思ったが人間の女性だった。
なるほど。玄武洞の方は瞑想をしていて帰るのを忘れる人もいるのかもしれない。
私も離れたところで真似して手のひらを上向きにして目を閉じてみた。
ザパーン!ザパーン!
永遠に繰り返される波音と温かい温泉。
やばい。眠たくなる。
朝5:40起きだから夕方に異様な眠気が襲う。
ここで眠ると永遠に帰れなくなるので、慌てて水で顔を洗い、風呂から上がった。
とにかく気分は上々。
那智勝浦は、大阪と同じ関西で近いようだが、関西で車にしろ電車にしろ1番行きにくくて時間のかかる場所と言ってもいいのではないかと思う。伊勢の方が大阪から遠いが高速を使えばすぐ着くし行きやすい。和歌山に入ってからも紀伊半島が大きくてかなり時間がかかるし不便なところにある。親父もまた行きたいと思いつつ、遠すぎて足が向かないらしい。
いつか連れてきてやりたいが叶うだろうか。
それともかつての貴重な思い出のままにしておいた方がいいのだろうか。
何度も足を運べる私は、幸せなようで貴重さに欠けるのだろうか。
勝浦まで来た私の最大の目的を果たせたので、竜宮城から出て現世に戻ることにした。
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忘帰洞から無事帰ってきたらすっかり夜になったので、夜のおやつに、イケてるカフェでバスクチーズケーキを見つけたのでテイクアウトした。お客さんが誰もいなかったから店内で食べても良かったのだけど、宿の部屋の方が今はまだ落ち着けるので、リスク回避。
和歌山と言えば和歌山ラーメン、
和歌山ラーメンと言えば井出商店、
勝浦と言えば「日本最南端井出商店系和歌山ラーメン屋たんぽぽ」がある。肩書きが長いが井出商店から暖簾分けしたお店らしい。
ラーメンはテイクアウトできないのだが、和歌山ラーメンは私の好物でぜひとも食べたいので、空いてそうな時間帯にお店へ行った。
お客さんが1人いて、店主のおじさんと喋りまくっていたので離れた端っこの席に行ったが、この旅で最もハイリスクな行動だったと思い後悔している。
外食はほとんどしておらず、旅でも出来るだけ密を避けているが、今回の旅での唯一のお店に入る外食となり失敗だったと思う。
まあ別に健康に異変はないのだが、こういう油断からリスクはやってくるので、意識の甘さに猛反省。この状況で仕事を休んで密かに好きなことをするためには、リスクは最大限に回避しなければ示しがつかない。
身の回りを消毒しまくり、5分以内でラーメンは食べたし(全体的には井出商店の方が圧倒的に美味しいが、ここのスープもかなり美味しかった)、店内でもラーメンタイム以外は不織布マスクで沈黙だったが、喋りながらラーメンを作っているおじさんがそもそもマスクをしていなかったのだから意味はなかった。
安心して外食できる時代に、またしめちゃんと井出商店へ和歌山ラーメンを食べに来たいと思った。(ちなみに井出商店のラーメンをお土産に買って帰った。)
宿に戻って、まぐろカツの残りと明日用のお弁当を冷蔵庫に入れて翌朝忘れずに電子レンジでチンしようと思い、お湯を沸かしてはちみつ紅茶をいれ、部屋でバスクチーズケーキを食べた。
えっと、減量合宿だったっけ。
今のところ、初日にして、パンダ弁当もまぐろカツも和歌山ラーメンも諦めていない。
まあいいや。今日は前夜祭。
明日から歩きまくる熊野古道で脂肪を燃やすんだから。
安心してチーズケーキを食べてすぐに眠ることにした。
(1番あかんやつ)
続く…
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宿に耳栓のガチャガチャ初めて見た。1番好きなMOLDEX
私の耳栓はMOLDEXの紐付きタイプ。布団の中で行方不明になるから絶対紐付きがいい。
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