「グレイマン」のゴズリンとフンデルトヴァッサーについて。
最近は、家で横になっている時間が多いので、NetflixやAmazonで海外のドラマや映画ばかり見ている。
直近では、「グレイマン」を見た。
映画館でも上映されているらしい。
映画館の方が迫力ありそうだとは思うけど、見に行くかと言われるとちょっと微妙なラインではあった。
意外だと思われがちだが、私は基本的にはミュージカル映画が一番好きなので、あくまでそんな私の感想。次に好きなのは、サスペンス系とかサイコ系ではあるけれど。
「ラースとその彼女」で認識していたものの、「LA・LA・LAND」で改めてライアン・ゴズリングに突然ときめいて以来、今の私は顔の造作うんぬんよりも、細身で背の高いスーツの似合うスタイルの良い男が好きなのだとハッキリ認識している。そして、顔は面長の顔面に惹かれる傾向があるらしい。
「エルヴィス」のオースティン・バトラーも、面長界のプリンスだと思う。
久しぶりに小顔じゃない若者を見た気がする。
役者は役所広司の顔くらいの迫力がないとスクリーン映えしないから良いよオースティン。
エルヴィス(=オースティン)が小指一本動かすだけで、もうパンツ投げちゃう(下品な表現なのは全てエルヴィスのせい)。
私が権力者なら、「エルヴィス」をバズラーマン監督に作らせずに、もっとオースティンの歌とかステージ、苦悩をメインにして私が撮りたい。バズラーマンは凝りすぎた、トムハンクス目線ももう少し控えて、もっとシンプルでもオースティンは魅せることができたのにな。
とか生意気言いつつ、もう一回見に行きたい。ああ、オースティンについても3000字くらいで語りたいが今日はやめておこう。
それはさておき、「グレイマン」。
ゴズリン(ゴズリングを「のぶリン」のように語尾にリン♡をつけている感じの呼び方です)がむちゃくちゃハードなアクションをしていた。
「ブレードランナー2049」の時以上に、無表情気味に人を殺しまくって走りまくって飛びまくっていた。(ちなみにブレードランナーのゴズリン、切なくて哀しくて良い。あの人は哀しませて切なくさせると良い顔をしている。)
グレイマンで、飛んでいる飛行機の羽根がちぎれてもパラシュート無しで脱出して、空中で敵のパラシュートを盗もうかというゴズリンの発想がトム・クルーズ並みで圧倒。
アイツ、あんなとぼけた顔して(好き)、歌えて踊れてコメディーもできてアクションもできるのか、と感心した。
クリス・エヴァンスのMAD具合もアナ・デ・アルマスのクリクリおめめのアクションも良かった。
ストーリーはと言うと、まあよくあるアサシン物でそこまでハマったというほどでもないのだけど、世界のあちこちで暴れていた点はワクワクした。
なんかバンコクぽくないアメリカ人が想像するアジアな雰囲気のバンコクから始まって、盗んだトゥクトゥクで走り出す〜と歌ってるうちにバンコクからチェンマイに着いちゃうという、尾崎もびっくりな展開。
ウィーンでは、建築家フンデルトヴァッサーの家(実物かモチーフにしたセットかはもう一回見て確認したいが、世界観は間違いなく彼のものだった)を思い切りむちゃくちゃにしてるし、プラハもそこまでむちゃくちゃにしたら怒られるで、と心配になるほどむちゃくちゃにした。
ベルリン、アゼルバイジャン、ロンドン、クロアチア など、世界中で大暴れ。
予想外にロードムービーで世界を巡っており、その点は面白かった。
インド映画界で有名なダヌシュ氏が結構いい役で出ていて、「タミルのセクシー・フレンド」と呼ばれていてフフフと笑ったし、ダヌシュの出番は画面が暗すぎて顔がハッキリ映らなかったのと、もっと暴れてほしかったところで終わったのが物足りなかったが、続編が作られるらしくそちらにも出演決定らしいので次回に期待したい。
「LA・LA・LAND」のゴズリンで一番好きなシーンは、前半で帰宅したら家の中にお姉さんがいてビクンっとビックリするところと、中盤でミアのために料理をしているところにミアが帰ってきてミトンをしたままビックリするところである。ビックリする演技が誰よりも自然でかつまじめにコミカルで絶妙だと思う。
私はそんな風な、ゴズリンの地味で時々変な振る舞いをするところが好きなのだが、今回は、地味に一瞬子供にウィンクするゴズリン♡が普通に一番良かった。お前生きるか死ぬかの今そんなんするんか、という一瞬であった。
スタイルから変な立ち居振る舞い、顔のちょっとだけ残念なところが、ライアン・ゴズリングと、私の推しのボリウッド俳優ランビール・カプール似ているとかねがね思っているのだが、あまり人から理解してもらえず非常に残念である。ランビール、頑張ってくれたまえ。
どうでもいいけど、「ブレードランナー2049」でのスタンドカラーのロングコート姿のゴズリンを見てあまりに美しくてパンフレットを買ったし、「グレイマン」でも襟を立て気味のブルゾンが良かった。
ランビールもスタンドカラーの服とかすごく色気を感じるので、顔の長い男が襟を立ててる系の服を着ていたら簡単に私を落とせますよ、と世界中の顔長襟立て脚長背高声低美髪男子にお伝えしたい。なんじゃ、その情報。
ストーリー展開が云々とか、伏線がどうとか、演技がどうとか、そんなこと抜きにして有無を言わさずどうしても惹かれるルックスってあるから、たまにはそれ目当てで邪な気持ちで映画にかじりつくのも一興。
ゴズリンについてが長くなったので、とりあえずこの辺にしておこう。
最後に、ゴズリンへの邪な思いをかき消すかの如く、先ほど書いたウィーンの旅で私が訪れた建築家フンデルトヴァッサーの家とかその世界観の写真を添えて終わりたい。
レンタサイクルで巡った時に立ち寄った美しい場所。
なぜ私がフンデルトヴァッサーに興味があったかというと、夏フェスの「サマーソニック大阪」いわゆる「サマソニ」に行く時に、毎回フンデルトヴァッサーの建物が出迎えてくれるから。
舞洲に入ると、そこだけ異様な世界観を持つ建物がすぐに見えてくる。
下水処理場とは思えないカラフルな世界。
フンデルトヴァッサーの個性に思い切りやられる。
サマソニに行く方はぜひ下水処理場に訪れてみてほしいし、フンデルトヴァッサーの名前もぜひ覚えて帰ってほしい。
(フルネームは無理、フリーデンスライヒ・レーゲンターク・ドゥンケルブント・フンデルトヴァッサーだから。)