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プシュカルで、ビュッフェとジプシーダンスショー【サポート飯】

これまでの私のnoteにサポートしていただいた方から、世界多分一周旅をしている旅先で美味しいものをごちそうになるというこの企画、「サポート飯、ごちそうさまです!」の記念すべき第7弾。


プシュカルでナメタちゃんの恋バナを毎晩聞いていたもののナメタちゃんが去り、買い物欲もある程度満たされシヴァラトリ祭りを体験し、私も満足したので次の町に移ることにした。

プシュカルの最後の夜は少し豪勢にスペシャルな感じでいきたいなあと思って歩いていたら、見つけたレストラン。

ビュッフェタイプのレストランで、カレーを食べながら、ラジャスタン伝統音楽を聴きながらジプシーのダンスを堪能できる場所。
次の町ジャイプールもラジャスタン州ではあるが、そこは大都市で砂漠という感じではなくなる。ラジャスタンの文化を総括して感じるのは、プシュカルがいいような気がした。
ホテルのレストランなので、少し高価だが、品質は安心できるはず、と思ってプシュカル最後のディナーはここに決めた。
少し高価なディナーだろうと思ったので、ここはサポート飯に頼るべし!と思った。
うーん、どなたに奢っていただこうかしら。
贅沢な迷い。
noteを2020年4月7日に書き始めた私のnoteに、初めてサポートしてもらえたのが2020年6月5日。
春の月さんでした。
とても嬉しかったのを覚えています。
今回は私のnoteサポート第一号様の、春の月さんの奢りで、インド料理ビュッフェ、行かせていただきます!

今回は写真が少なめです。
なぜなら、シヴァラトリ祭りで私の相棒カメラのGRのレンズに花が激突し、カメラに不具合が出ていたから、時々撮ってみて様子を見るということをしていたから。

それと、ビュッフェでは取りに行ったり食べたりするのに忙しく、また手で食べる時はカメラやiPhoneを汚したくないという理由もあり、少なめの写真となっています。
私の拙い文章で、想像力を何とか働かせていただければと思います。
ご了承ください。

さて、お店はこちら。
Hotel Sai Baba Haveli & Restaurant


インドでビュッフェ式のレストランというのは、初めての体験。
おそらく全部カレーだと思うけど、どんな感じなのかワクワク。
しかし、店に入ってもまだ準備ができていないと言われる。
19:30からジプシーショーが始まるというのに19:20になっても全てのおかずがまだ準備中であった。
ダンスショーを見ながら食事をとれると聞いていたが、よくよく考えると目の前でショーをやっているのに、ビュッフェスタイルで席を立って何度もよそいに行かないといけないスタイルは、あまりよろしくないような気もする。
席を立ちにくいという心理を逆手に取って、そんなにたくさん食べさせない作戦からのあえてのビュッフェスタイルなのだろうか。
まあ、ここはインドなので、小さいことは気にしないでいこう。

案の定、19:30になってもショーは始まらなかったため、遅れて準備ができたおかずをゆっくり選ぶことはできて良かった。
ずらずらずらっとおかずが並ぶ。
蓋を開けても開けてもカレー。
ベジタリアンの町なのでどれも野菜。
まあこれは予想通り。
ピラフっぽいライスや焼き立てのナンもある。
そして。
ピザが登場。
ピザ窯があるのが売りのレストランだし、ナンを焼くスキルをもつインド人なら、美味しいピザを焼く能力も高いと思う。味はさておきとしても。
そんな訳でピザ多め、カレーを少なめにして、いろんな種類をちょっとずつ何回も試す方向性でいくことにした。

スパイス疲れしている胃腸にピザは本当にありがたい。
ジュンさんと食べた大きめのホールのピザはなかなか1人では手を出しにくいが、ビュッフェスタイルなら何切れでもいける。
ショーが始まる前にたくさん食べようと意気込んで席についた。
では、春の月さん、いただきます!

うん。
美味しい。
ピザ生地がパリパリで美味しいし、実はインドで割とレアなナンを食べることもできて、ありがたい。
カレーは、どれも辛さは控えめで、欧米人向けのテイストにしていると思われた。でもスパイスの配合に変化をきかせているようで、どれも味が違って美味しい。

さあ、2回目を大急ぎでよそいに行って、いよいよジプシーダンスショーである。

ラジャスタンの伝統音楽の生演奏が始まった。ここでもまた「Kesariya balam」の曲が歌われた。
「Kesariya balam」とは「サフランの愛しい人」という意味だが、ラジャスタンの黄金の砂漠が舞台で、ラージプート王の時代に男たちが戦から帰ってきた時に、女たちが彼らを迎える時の伝統ある歌だったのが、インド映画で歌われてからさらにメジャーなものになった、とジャイサルメールでヒロシから聞いた。繰り返しラジャスタンで聴いてきたせいか、この曲を聴くと、砂漠の乾いた空気の中で歌い上げる風景がなぜかちゃんと浮かんでしまう。
ラジャスタンの行く先々でこの曲を聴いた。
ジャイサルメールの砂漠祭りや、ジョードプルのレストランでの演奏ウダイプルのハヴェリで見たジプシーショー、または各町の城や宮殿の敷地内での演奏など、各地でラジャスタン民謡を聴いてきたこともあり、ハルモニアとタブラの演奏や、高音のビブラートがラジャスタン民謡の雰囲気なのだろうな、と何となく理解できるようになっていた。
そして、ダンスもなんとなく、これがラジャスタンのジプシーのダンスだと分かってきた。
ラジャスタンでは「ジプシー」という名称が使われているが、ジプシー(ロマ民族)の発祥の地はインド、ラジャスタン州と言われている。
ラジャスタンの砂漠に起源を持つ移動型民族が、西アジア、イラン、イラク、アルメニアを経てエジプト、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、ギリシャと居住地を拡大して、ヨーロッパ全域に広がっていったと言われている。
ラジャスタンのダンスが、世界を旅してベリーダンスになったり、スペインではフラメンコになっていった話を聞くと、非常に興味深い。
そして「Kesariya balam」のような民謡を持つ民族が、旅を経て、ハンガリーでは「ハンガリー舞曲」のようなクラシック音楽になり、フランスやスペインの文化とミックスして最終形態がジプシー・キングスになったのかな、と思うと、パッションだけが受け継がれているような気もして面白い。
その土地その土地で音楽やダンスに影響を与えていく民族。
その起源のダンスを、世界旅の序盤のインド、ラジャスタンで何度も見られるのはすごくありがたい気がした。
ラジャスタンのジプシーダンスは、とにかく回転する。
アンクレットがシャンシャンと鳴る。
スカートの裾を持って腕を広げて回り続ける。
回転した時に美しく広がるようにデザインされた軽くて鮮やかなスカート。
ベリーダンスやフラメンコのエッセンスが、ところどころにある気もする。
インド映画で見られるいわゆるインドっぽい、首を左右に滑らかに動かしたり合掌したりする滑らかな振りはなく、ダイナミックで爽快である。指先の繊細さはもしかするとインドっぽいかも知れない。
あまりダンスに詳しくない踊れない素人の私だが、そんな印象を受けた。
とても有意義な1時間だった。

ラジャスタンの雰囲気を感じてみたい方へ、以下に、YouTubeリンクを貼っておきますね。
「Kesariya balam」はこういう曲です。(現代風アレンジ2分13秒くらいの間奏のメロディーになぜか泣きそうになります私。)


ラジャスタンのダンスはこんな感じです。


ラジャスタンが舞台の映画「パドマーワト」のディーピカの有名なラジャスタン的ダンスシーンはこちらです。


ビュッフェでお腹いっぱい食べれて、1時間のラジャスタン民謡演奏とジプシーダンスを堪能して、驚きの価格、350ルピー(560円)
ホテルの中庭でご飯を食べながらのショータイムは、かなり贅沢な気分も味わせていただきました。
今回はサポート飯だけでなくサポートショーまで。
春の月さん、ごちそうさまでした!


さて。
翌朝、バスにまた7時間ほど乗ってジャイプールに向かう。
インドの長距離バスはアプリで簡単に予約できて便利なのだけど、難点と言えば、バス会社によっては乗り場と降り場がイマイチ分からないこと。
いわゆるメジャーなバスターミナルじゃないこともあり、いつもギリギリまで「本当にここにバスが来るんだろうか…」と不安だし、降ろされてからも、「どこなのここ…」と不安になる。
今回も、大きなバスターミナルから歩いて3分ほどの空き地が乗り場だった。人に聞きまくって、不安を消していたが、バスがやってきて一安心。

ガラガラで3人くらいしか乗っていないバスなのに、私の隣に女性が座った。
こんなに空いてるんだから違う席に座ればいいのに…と少しムカつきつつ、顔を見てびっくり。
前日の昼、ミコの店でチャイを飲んでいた時に、インド人のチャラい男とやってきた綺麗な韓国人の女性だった。
ヒーツォンという名前の20代の女性で、発音が難しいからヒーちゃんと呼ぶことにした。
バスが出発してからは、昨日一緒にいたインド人のチャラ男について、ヒーちゃんが「聞いてほしいの」と言って話し始めた。
ナメタちゃんの恋バナの次はヒーちゃんかいな。
いいでしょう、聞いてあげるよ。
道に迷っていたところを助けてくれたチャラ男は、最初は本当に優しくていい人だったのに、そのうち知り合って日も浅いのに、しつこく体の関係を求めてきたという。
ヒーちゃんが「韓国に彼氏がいる」と言っても、「ここにはいないからいないのと一緒だ。俺を試してみ。」と繰り返し言うようになった。キモい。
なかなか解放してもらえず、チャラ男にうんざりして、逃げるようにプシュカルを去ることになった話をヒーちゃんから聞いて、私はヒロシの話をして、「ちゃんとはっきりノーと言わないとダメだよ」と偉そうに注意をしたりし、2人で盛り上がった。

そして、そのうち疲れて私は眠り、バスはかなり遅れて夜遅くにジャイプールに到着した。
ヒーちゃんに「宿はどこなの?」と聞いたらなんと私の予約した宿と同じ宿で、2人ともびっくり。
夜道でも2人なら安心だね、と言って一緒に歩いて宿に向かった。
そしてチェックインして、いざ荷物を下ろしてみると、私たちは同じ女性用ドミトリーの同じ部屋で、私が下でヒーちゃんが上のベッドで、ヤングなヒーちゃんから、上からハイタッチを求められて、それに笑顔で応えた。

お腹がぺこぺこだった私たちだが、もう夜も遅い。
私は、日本から持ってきたアマノフーズのおしるこに餅を入れて食べることにした。
こういう夜遅くに到着して食べに出られない時の非常食として、持っておいて良かった。やるわね、私。非常食は大事。
ひもじい晩ごはんだったが割と満足していた私を横目に、ヒーちゃんは余裕の表情で何かを待っていた。
そして、しばらくして、たくさんのインド料理が配達され、テーブルに広げて、「食べきれないかも。良かったら食べて食べて」と勧めてくれた。
なるほど。
Uber eatsはこういう時に使うのか。
ヒーちゃんの慣れた手つきのスマホでピピピにやられたと思った。
完全敗北。
旅慣れている風の年上の女が偉そうにアドバイスしていたが、若者は、未知の町であろうと関係なくUber eatsを使いこなせるライフスタイルなのである。
恐れ入りました。
一つ学びを得た私だった。

ヒーちゃんは一泊だけしてまた違う町へ移動していったため、翌日にはお別れとなった。数時間の関係だったが、なかなか楽しい時間だった。
いい出会いだったなぁ、と思っていたら、翌日にまた思いがけないものすごい出会いが待っていた。
そんなミラクルなジャイプールの話は、また次回に。

ジャイプールの宿の受付
Wi-Fiパスワード書いてくれてると助かる。
Sub kuch milega はEverything is possibleという意味だと、そういえばヒロシに学んだ。
おしることミニ鏡餅
塩昆布があとちょっとだけある。
Uber eatsに完敗!
1人分とは思えない量のごはんと、
キッチンでフォークを探すヒーちゃん



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