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絶望となかよく

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生きにくい世の中を生きるコラム
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2021年11月の記事一覧

酒が飲みたいんじゃない。気を失って何もかも忘れたいんだ。

むかしむかし、まだ私がうら若き小娘だった頃、そして隠れた悪意なんてなくて、見た目からあからさまな悪意しか世の中には存在しないと思っていたバカだった頃(←まあ、今も相変わらずバカだけど)、今となっては信じられないことに、お酒はほんの少ししか飲まず、常に誰かの介抱役だった。

あのときは、飲んで騒いで絡んでくる人たちに嫌気がさしていたし、介抱しても次の日には介抱されたことすら忘れている酒好きたちがある

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知覚できないままに、下降する。

和歌山の知の巨人、南方熊楠は、生命現象にとって、観察者の立場は相対的なものにすぎない、と強調していたらしい。つまり、「生物を観察している人間は、それを生命の内側からではなく、外側にあらわれた行動を観察して、さまざまな判断や推測を行っているにすぎない」ということらしい(南方熊楠「南方熊楠コレクション-森の思想」)。

粘菌を例にあげると、粘菌はアメーバ状になっている時と、茎が伸びて胞子を出している時

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