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様々な心理療法のポイント-04 対人関係療法。

対人関係療法
(ITP)は、

 ※ITP
  Interpersonal Therapy

現在の対人関係を
最適化することで

こころの最適化を図る
という支援方法です

1960年代末
アメリカの
クラーマン
(Klerman GL)
ワイスマン
(Weissman M M)
らによって

成人のうつ病の
治療法として
開発されました

その後
他の障害の適応に向けて
修正され
臨床試験による
効果を検証しながら
有効な治療法として
体系化しました

そのルーツは
新フロイト派として
「関与しながらの観察」
という治療者の姿勢を
示したことで名高い

ハリー・スタック・サリヴァン
(Harry Stack Sullivan)
の精神医学における
対人関係理論にあると
されています

1990年代から
アメリカで広まり始め
現在では
米国精神医学会(APA)
などの
治療ガイドラインにおいて
エビデンスに基づいた
うつ病の有効な治療法として
推奨されており

認知行動療法の
双璧をなす
短期精神療法とも
いわれています



ーーーー

対人関係療法の考え方

対人関係療法
(ITP)では

メンタルヘルスの問題は
その人の置かれている
社会的状況における
環境や対人関係からくる
個人的ストレスや
パーソナリティ
遺伝など

さまざまな
要因から起こると
考えていますが
その中でも特に
対人関係の
影響力の強さに
注目しています

抑うつ気分や
ストレスは
一見もしくは
表面的には
対人関係とは
関係のないように
見えるものもありますが

その発症の
きっかけや原因として
対人関係における
問題にある場合が多い
と考えます

こころの痛みと
対人関係は
相互に影響し合っています

メンタルヘルスの問題で
対人関係にストレスを
抱えるようになると

こころの痛みも
それに応じて
重くなっていくのです

このようなことから
対人関係療法
(ITP)では
まず対人関係における
問題の理解に努めます

そして
対人関係における
問題の4領域分類
に基づいて
対人関係の問題を探り
問題を改善することを
目指します




ーーーー

焦点化する4つの問題領域

対人関係療法
(ITP)では
対人関係上の
4つの問題を挙げ

症状や問題が
これらの4つの
問題領域の
どこから起きているかを
見立て

一つか
二つを
選択して
取り組みます

1.悲哀

 …重要な人の死など
 …重要な人を失くした後の 
  正常な反応です
 …悲哀感とは
  悲しくて
  こころが痛い状態が
  長引くことです
 …2週間以上
  重い悲哀に
  悩まされてしまうと
  そのまま
  うつ病に陥る
  リスクが高まります

2.対人関係上の
 役割をめぐる不和

 …相互に期待する
  役割の不一致
 …「対人関係の不和」
  に自分で気づいている
  クライエント(相談者)
  はあまり多くはありません
  しかし
  カウンセラーと話すことで
  自覚できることがあります

3.役割の変化

 …相互に期待する
  役割の変化
  (ネガティブなもの
   ポジティブなもの)
 …主な役割の変化
  ・転職
  ・職場での役割や立場の変化
   (昇進、異動、退職など)
  ・仕事における現役引退
  ・失業や休業
  ・経済的変化
   (収入の激減や
    資産の喪失
    借金など)
  ・健康上の変化
   (病気やケガなど)
  ・家庭内での役割の変化
   (出産、育児、介護など)
  ・離婚
  ・子どもの自立
   (子どもが家を出る)
  ・引越し
  など

  ※「役割の変化」の場合
   その変化がクライエントの
   対人関係に影響を与え
   自尊心を低下させている
   場合もあります
   例えば
   実務力に自信を持っていた人が
   管理職になって
   実務から離れてしまう
   ような場合です
   このように
   クライエント個人が
   どのように変化を
   体験しているかが
   もっとも重要なのです

4.対人関係の欠如

 …孤独・社会的孤立
 …転勤、転居、結婚や離婚
  あるいは進学などで
  それまで適応していた
  コミュニティから
  引き離された場合
  新しいコミュニティを創る
  または新しいコミュニティ
  に馴染むまでは
  孤立感を経験することに
  なります
  このような状況を
  「社会的孤立」
  と呼びます
 …社会的孤立が長引くと
  こころの痛みを
  緩和してくれる
  人の温かさや
  人の思いやりに
  触れる機会が減ります
  その結果
  メンタルヘルスの問題が
  増えやすくなるのです


クライエントである
相談者が今
困っている問題に
かかわっている人々との
関係性や
コミュニケーション
について
聴いていきます

その中に
先に述べた
4つの問題領域が
存在する可能性が
あるかについて
検討していきます




ーーーー


更なる詳細は
またの機会に…




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