時の流れは早い。 来年還暦を迎える私だが、ついこの前まで30代、 いやそれは言い過ぎにしても、 50歳になったばかりなのに、もう10年が過ぎようとしている。 思えば学生の頃はゆっくり時間が流れていた。 一日をだらだらと無駄に過ごすことも多かった。 だが、社会人になり、結婚、気がつけば子供が生まれ、時間がどんどん加速していった。 今のようなパワーカップルでもなかった我が家は私の収入だけのシングルインカムだった。 私は家族を路頭に迷わすわけにはいかないと、毎日パワハラやアル
今、病院の待合室にいる。 ぜんそくの診察だ。 生後7ヶ月で小児喘息となり、小学校1年から4年くらいまで、毎週水曜日に早退して病院で注射を打ってもらっていた。 そのおかげか、高学年からは発作は出なくなり、普通の子供と同じように運動もできるようになった。 高校になると、私の世代はヤンキー全盛期の時代。昭和の男はタバコを吸うのが当たり前。 17歳からタバコを吸い始めた。 最初はカッコだけつけたかった。 だが気がつけば中毒となっていった。ヘビースモーカー。 タバコはいまいち体に
東京で暮らして2年半。 はじめて東京スカイツリーを見に行こうと、待ち合わせの最寄り駅の押上駅についた。 改札を出て待ち合わせの人を探す。 辺りを見回していると、 背後から声がした。 待ち人来たるか? 振り返ると、欧米系の女性だった。 メイビー。 「すみません、ケジリオオハシはどうやって行けばいいですか?」 ケジリオオハシ?? 聞いたこともない。 ましてやオレは関西人だ。 知るはずがない。 どこや、それ? だが、オレは大人だ。 なんとかしてあげなくては。 そうだ、
あいにく窓の外は雨が降っている。 東京へ向かう新幹線から富士山を眺めたかったのだが、まず叶いそうもない。 まだまだコロナ感染者数は減少に転じていないにもかかわらず、車中はほぼ満席に近い。 やれやれだ。 雨で滲んだ窓の外、灰色に覆われた流れる景色を憂鬱な気分で見ていた。 6時台ののぞみ号。 寝ているひと、眠たげな顔で新聞を広げるビジネスマン、膝にPCを載せた若いサラリーマン。気がつくと圧倒的に車両は男性が多い。 通路の向こうから来るワゴンサービスの女性販売員に声をか
2年前の12月、 会社を辞めようと退職願を出した。 辞めて起業しようとした。 と言えばかっこいいが、 自分の思うほど、 会社は認めてくれなかったから、すねたのであった。 固い決意だったにもかかわらず、 ある事情で残ることになった。 優柔不断。 後に、「辞める辞める詐欺」と言われる。 その春に、本社に転勤し、 30年もやってきた営業ではなく、 スタッフ部門の担当となった。 そこにコロナ禍がやってくる。 辞めなくてよかったのか、 どうだったのか、 今でもわからない。
夢(成功)という名の種を蒔いてから芽がでるまでには長い時間がかかるが、努力という水と希望という光を与え続ければ、いつか必ず開花する。
私は今、未来にいる。 何を馬鹿なことをと言うかもしれない。 だが、本当なのだ。 子供の頃に思い描いた遠い未来に私は今生きている。 どこの大学に行き、どんな仕事をするのだろう。 どんな人と出会い、結婚するのだろう。 子供は一人?二人?男の子、女の子? 未来の家や車はどんな風になっているのだろう。 たくさんの可能性に恵まれ、遥かなる未来に思いを馳せていた。 あれから数十年の時が流れた。 長かったようで短く、短いようで長かった気がする。 あの頃思い描いた未来の自分はこ
この野郎は、突然、私の心に入り込む。 いつもの通勤電車。 何気なく、 向かいに座っている女子高生に目がいった。 「そういえば、ついこの前まで娘もこんな感じだったなあ。。」 と、 ふと、思うと、 次々と私の心の中に、小さかった子供との想い出が、ほんの少しの間、心にいっぱいになる。 会社で若い社員を見ていると、 ふと、 息子は大丈夫かなと考える。 すると、また天真爛漫だった子供の想い出が蘇る。 なんだ、なんだ、この感覚は? 楽しいような、悲しいような。 なん
久々に映画館で映画を観た。 映画館で観るのは映画と決まっている。 「燃えよ剣」 原作 司馬遼太郎。 春に私が小説で読んでいた作品だ。 時は幕末、激動の時代。 誰もが知っている新撰組の副長、土方歳三が主役の物語。 農民の家系に生まれた武士に憧れた男が、死ぬまで武士であろうとした男。 幕末の物語は、坂本龍馬をはじめとした、西郷隆盛、大久保利通、高杉晋作たちの薩摩、長州、土佐の若者の青春群像劇が多い。 その真反対にいるのが新撰組で、視点が変わればこうも世界観が変わるの
おいおいおい…。 こんなはずじゃなかったんだ、 オレの人生。 学生時代に想定してたのは、美人の妻と子供に恵まれ、事業で成功しお金持ちになり、世界をあちこち旅していたはずなんだ。 それなのに、なんだ。 確かに、結婚して家族に恵まれた。 そこはいいとしよう。 だが、結局、家族を路頭に迷わせてはいけないと、会社を辞める勇気もなく、気がつけば、大した貯金もなく、こんな歳になってしまったではないか。 まるで時間の詐欺にあったようだ。 途中の記憶が抜けている。 毎日、毎日
かみが減ってきた。 私の頭髪のことではない。 (薄毛であるのは事実だが) 人類最大の発明と言われる、 「紙」のことである。 紙は、2000年もの昔、中国で発明されたとか。 この紙のおかげで、世界中が知や美、様々なことを共有してきた。 今はPCとインターネットにより、紙がなくても記録でき、絵も書ける。 凄まじいイノベーションの真っ只中に我々は生きている。 便利な世の中ではあるが、 何故だろう、 温もりを感じにくくなってきたのは、私だけだろうか。 書道の筆と墨の
「ふぉあ〜〜!」 緑の山々に、私の大声と仲間の声が重なる。 我ながらよく通るいい声だ…。 だが、 こだまはかえらない。 そして、 無情にも私の打ったボールは、 狙った方向へは向かわず、右の林に消えていった。 OBだ。😩 力が入った。 ここ一番という時に力んでしまう。 ゴルフに限らず、 ここぞというときに、 欲がでる。 男だから、飛ばしたい。 プレゼンの終わりに、 拍手喝采されたい。 成功したいと願う。 だが、 願えば願うほど、 力んでしまう。 肩に
いいじゃねえか。 結婚相手の親に借金があったって。 本人が借金したんじゃねえし。返す必要もない。 連帯保証人なら少し話は別だが。 他人の借金は返す義務などない。 法律はそのように規定している。 馬鹿なマスコミ、週刊誌、 踊らされる読者。 そもそも、他人の金の貸し借り、 ほっといてやれ。 最悪、破産すればいい、返せないなら。 そこんとこ、よく理解して、 祝ってやろうや。
うすうす、 わかっているはずだ。 何かがおかしい。 この国、日本。 日本人。 戦後、小さな島国のこの国がアメリカについで経済大国になったにもかかわらず、今の凋落。 あまりにもコンプライアンスを気にしすぎて、本音で語り合うことがなくなってしまった。 いや、 うすうすではないはずだ。 みんなわかっている。 確信しているはずだ。 もう少し、心を通わせて、一丸とならないと、 格差は広がるばかりだ。 スポーツの世界と同じだ。 負けるな、日本!
前回の東京オリンピックが開催された、 1964年から57年。 コロナ禍の中、賛否両論あったが、 兎にも角にも、始まった。 今、開会式を自宅の大阪で観ている。 昨年、東京へ転勤が決まり、 華やかなオリンピックの開催される東京を想像していたが、一年以上たった今もコロナウイルスの猛威は続いている。 ある意味、特別な東京で過ごしている。 東京オリンピックの年に生まれた私にとっては、 なんとも感慨深いものがある。 なのに、 大阪に帰ってきてしまった。 しまった。。。
昨日、やっと一回目のワクチンを打った。 肩に打つと聞いていたので痛いのかと思いきや。 ほとんど痛みもなく、 打ってる時間もあっという間だった。 会社に帰ると、 すでに先に打った後輩たちが言う。 「翌日に筋肉痛のように肩がすごく痛みました」 「翌日に熱が出て寝込みました」 気をつけてくださいー と。 「マジか…😱」 戦々恐々とし、家に帰り、 いつものように床に着いた。 翌日の朝。 左肩に手をやる。 痛くない。 ははー、オレは強い!😁 そう思った。