アイアム関西人

東京で暮らして2年半。

はじめて東京スカイツリーを見に行こうと、待ち合わせの最寄り駅の押上駅についた。
改札を出て待ち合わせの人を探す。

辺りを見回していると、
背後から声がした。
待ち人来たるか?

振り返ると、欧米系の女性だった。
メイビー。

「すみません、ケジリオオハシはどうやって行けばいいですか?」

ケジリオオハシ??
聞いたこともない。
ましてやオレは関西人だ。
知るはずがない。
どこや、それ?

だが、オレは大人だ。
なんとかしてあげなくては。

そうだ、オレにはスマホがある。
この葛藤の時間、約1秒ほど。

日本語で聞かれてるにも関わらず、私は焦った。
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顔が外人だ。

そして、顔が外人なので、
オレは不安を与えないよう堂々と言った。

「ジャストモーメン、プリーズ」

言いながら、ズボンの右ポケットのスマホを取り出す。

けじりおおはし。
スマホの上で素早く人差し指を動かし、
Google先生に聞いてみた。

あれ?
ない。。。
そんな場所は存在しない。
どないしよ。
ううう。

だって、オレは関西人やもん。
素直に言えばよかった。

少し涙目になった。

バニクッた。

そうだ!

待ち人は関東人だ。
おまけに英語も話せる。

気を取り直してオレは言った。

「もうすぐ英語が話せる人が来るから、ちょっと待ってくれる?」

だが、相手はすかさず言う。
「私、日本語話せます」

うっ。

窮地に立たされたオレは、
すかさず待ち人に電話する。

数コールで彼女は電話に出てくれた。

「今どこー?道聞かれて困ってんねん。ケジリオオハシ知ってる?はよ来てー」

すがりつく思いだった。

そして、3分ほどで、待ち人が来た。

助かった。

待ち人の彼女は、いつもよりたくましく見えた。

ヒーロー来たる。
スーパーウーマンだ。

オレは
プロレスのタッグマッチを思い出した。

タッチ交代だ。
ふぅー。
息が漏れた。

すると相方は、すぐに
相手の外人と話し始めた。

「ケジリオオハシ?けじりおおはし。。もしかして池尻大橋じゃない?」

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そうなのか。
オレはしらないが、きっとそうだ。
すぐにスマホでGoogle先生に聞いてみた。

出てきた。

なんだ。
ここから半蔵門線で一本だ。

「アリガトゴザイマス」
彼女が切符を買うのを見届け、オレたちは別れた。

よかった。

今思えば外人なのに、日本語がうまかった。

どうしても、英語が話せないコンプレックスで顔を見ただけで焦ってしまう。
情けなや。

昔から人によく道を聞かれる私は大阪では完璧だったのに。

あああ。

私の頭の中でもう一人の私が言い訳を繰り返す。

だって、オレは関西人やもん。

関西人やもん。

関西人やもん。。。😭

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